迷宮ギルド
「どうした?エーリス」
どうやら検問の男の名前はエーリスというらしい。
「この者のステータスを見てほしいのです」
そう言いエーリスはおっさんに鑑定板を見せようる。
「む、むむ!き、貴様は何者だ?」
「俺はケントだ、こいつはマキナでこのドラゴンがリュウナだ」
「どうも」
リュウナは無言である。
「それで?あんたは?」
「おっと失礼、私は迷宮ギルドのギルマスをさせてもらっているグーグリアスというものだ。それで?貴様は何者なんだ?」
このおっさんはグーグリアスと言うらしい。迷宮ギルドというのは名前のまま迷宮産の素材やアイテムを販売したり買取したりするものらしい。
「何者と言われてもな・・・そこに書いているとおり異世界人で巻き込まれし者で勇者の敵だ」
「むぅ・・・そう言えばケントは迷宮カードを持っているのか?」
迷宮カードとは迷宮ギルドで発行できるカードで最高何階層まで行ったのか記録される物らしい。ちなみにその階層によってギルド内でのランクが変わるらしい。
「いや持ってない」
「まぁステータスやスキル、称号は怪しすぎるものだったが犯罪に関するものはなかったので迷宮カードを作ってギルドに属せば通してもいい」
「じゃあそれで頼む」
賢人がそういうとグーグリアスは引き出しから迷宮カードを2枚取り出す。
「これに血を垂らしてくれ」
そういわれ賢人とマキナは迷宮カードと針を渡される。賢人とマキナは針で指を軽く刺し血をカードに垂らす。すると血が全体に広がっていく。
「これでいいか?」
賢人はそう言いグーグリアスにカードを渡す。
「ふぁ!?」
グーグリアスはカードを目を丸くして凝視している。賢人はそれを不思議に思いカードをのぞいてみる。
ケント・アサクラ
支配者
階層:5001
(まじか・・・過去のことを書くなんて聞いてないぞ。それに支配者というのも書いてるし・・・マキナのほうはどうなんだ?)
賢人はそう思ってマキナのほうのカードも見てみる。
マキナ・バミルダ
支配者(仮)
階層:5001
賢人とは違いマキナのほうは支配者の後に仮がついてあった。
(そういえばディスプレイにも仮がついてたな)
「これは簡単に見逃すことができんな。国にも報告せんとならん」
今までは迷宮に支配者なんてものはいないというのが常識だったらしい。しかし、賢人もついさっき支配者になったばっかりだったのであながち間違いではなかった。
「そんなことをして俺やマキナに迷惑がかかったらこの入り口をふさいでやってもいいんだぞ?」
「な、そんなこともできるのか!?」
「迷宮の中では自由だからな。さぁ?どうする?ここで何も見なかったことにするか、入り口を壊されるか」
もちろん賢人は入り口を壊すなんてことする気はさらさらなかった。神様に自由にしてもいいといわれたが迷宮として最低限、成り立っていないといけないからだ。
「わ、わかった。ここでは何も見ていなかったことにする」
そういうと賢人とグーグリアスの体が光だしすぐに治まる。
「な、なにをした?」
「契約魔法をかけさせてもらった」
「契約魔法だと・・・」
契約魔法を使ったというと驚くので賢人が疑問に思うと解析が答えてくれた。
契約魔法
相手の行動を強制的に制限する魔法なので魔力を大量に消費する。
(つまりスキルを持っていたとしても魔力が足りなくて通常は使えないということか)
「これであとはいいだろ俺たちは外に出させてもらうぞ」
そう言い賢人は部屋を出ようとする。
「待ってくれ」
グーグリアスに呼び止められる。
「なんだ?」
「お前を召還した国はどこなんだ?」
「アレス王国だった気がする」
「アレス王国か・・・戦争がはじまるな。異世界から勇者が召喚されたことは国に報告させてもらうがいいな?」
「俺の名前を出さないのなら俺には関係ないからな」
「ではエーリス外まで案内してやれ」
賢人たちは部屋の外に出る。
遅れました