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宇宙って悟りっぽい?


 ガキンチョだった時さ、海でたそがれるのが好きだったんだよね。


 文字にするとすげー浅くなるけど、ガキンチョが抱えてる悩みなんてさ、でっかい海をずーっと眺めてると不思議なもんで、そんな大したことないかもしんないかもしんない的な気持ちになってきちゃうんだよね。


 んで心が落ち着いてきたら、ぼちぼちと家に帰ってさ、またいつもの毎日を繰り返してくんだよね。


 なんだったらガチで海に向かってバカヤローと叫んだ恥ずかしい黒歴史もある。


 いいだろー。すげー青春っぽいだろー。うらやましいだろー。真似してみろやー。


 なんだったら今だってやれ……ないな。さすがに恥ずかしいや。



 それに今はもう海に行く時間すらない。

 無駄に波をぼーっとして見る時間が捻出できない。


 最後に海でたそがれたのは、車の中で波音を聴きながらテイクアウトしたマックナゲット(むさぼ)り食った時だった。あれはかなり病んでた。


 その時食べたナゲットのネタはどこかのエッセイに登場する。暇な人は探してみてもいいと思う。


 さて、前ふりの冗談はこれくらいにして。



 大自然の偉大さを目のあたりにすると、人間なんて本当にちっぽけだなって思うんだよね。


 比べる対象がでかくなればでかくなるほどそれを痛感する。


 つーわけで、今回のタイトルの宇宙の話だ。



 うちには宇宙好きの家族がいる。


 自分はあんまり興味ない。


 夜空を見上げてキレーだなーくらいは思う。


 でもうちの家族みたいに『●●年ぶりに▲▲の方角に〇〇星雲と✕✕が☆☆で……!!』とか意味不明フィーバーで盛り上がったりはしないし、『新月期で●●年ぶりの〇〇なのに曇りやがってマジ天気予報殺っ!!』とか自然現象や気象予報士さんにキレ散らかしてて本当に意味わかんない。


 天気相手にキレるとか不毛すぎる。そのブチギレエネルギーはいつもどこにそんだけため込んでんの。天気予報にガチギレってどれだけたちの悪い(やから)なの。家の中が殺伐としすぎで怖いんだけど。



 そんなキレる家族が、ある日嬉しそうに天文系の偉い人の話を聞いてくるー♪ なんてルンルンで出かけて帰ってきたので講演の内容を少し聞いた。(というか聞きたくないのに聞かされた)


 専門外のため天文ガチ系の内容は理解不能で覚えていない。


 ただすげーなーって思ったのは、宇宙視点で見るその思考だ。俯瞰(ふかん)のレベルが桁違いで驚愕した。


 そしてこういう時に『レベチ』というワードを使うのだということを今回のネタで学んだ。


 ずっとレベチのチってなんだろうって思ってたけど、ようやく合点。

 今度若い子と話すときに使ってみようと思う。一つ賢くなった。れべち……れべち……だぶち……ちきちー。



 宇宙規模で見ると、地球という天体に寄生している人間という種族が与える影響なんて、そよぐ風ほどの価値すらないと思えた。



 地球の温暖化で、温室効果ガスを削減しろだの、AIの使い過ぎで水が枯渇するだの、森がなくなるだの、熊のエサがなくなるだの、人間たちがあーだこーだ騒いだとしても、地球ってやつは人間が増殖する前から、下手すりゃ人間が自然発生する前から、生き物が死滅してしまうレベルの異常気象を何度も経験してるんだよね。


 氷河期しかり、隕石衝突しかり。

 今より温暖化だった時代もあったらしい。


 晴れる日もあれば雨が降る時もある。


 生き物が淘汰し、生態系が入れ替わるレベルの出来事であっても、地球にとってはその程度のことなのだろう。


 大地震とかで多少地軸がずれたりすることはあるけど、地球はまだまだ長い寿命を生き続けるのだろう。人間が絶滅し、その後に誕生した新しい生命体が住人として入れ替わった先も、ずっと……。



 地球が生まれて大体46億年。


 人間の歴史なんて猿時代も含めたって、たかだか2500万年しか経ってない。


 恐竜時代が1億6000年くらい続いたことを考えると、人間なんて地球に沸いて出たボウフラくらいの存在でしかないのかもしれない。


 恐竜時代で換算すると、ヒトの歴史はまだカンブリア紀を突破していない。

 案外まだ進化の序ノ口にも到達していないなんてオチかもしれない。



 そんなことを家族の話を聞きながら思った。


 私はもしかしたらそこまで真剣に人間を悲観しなくてもいいのかもしれない、そんな心境にもなれた。


 さも人間は生き物の中で類稀(たぐいまれ)な進化を遂げ、文明を築く知恵があるかのように振る舞っているけれど、まだ大して成長してはいないのかもしれない。


 そう思ったらとても心が軽くなった。


 私はきっと、人間に対して過剰に期待を持ちすぎていたのかもしれない。



 人間なんてその程度。


 そう思うようにすることで、これから先もまだこの世界を生きていく中で、少しは心が波立たなくなるかもしれない。




 ちなみに、話を聞き終わった後、宇宙のあまりのスケールの大きさに、私の頭の中に突然曼荼羅(まんだら)が浮かんだ。



 たしか曼荼羅って宇宙を表してるんじゃなかったっけ?



 そうか! やっぱ宇宙って悟りなんだー!


 うおー! 宇宙のこと考えるだけで悟れちゃうってすごくねー?


 もっとみんな宇宙に想いを馳せればいいのにー!





 そんなこんなでまた一つ、悟りに一歩近づいたような錯覚を味わいましたとさ。

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