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都のお話
今から16年ほど前、大神殿にて託宣があった。
『勇者となる者が地に降り立つ』――と。
そしてその直後、吉兆とされる星が流れた。
神殿は大混乱に陥り、そして直ぐに城に奏上された。
――勇者が、誕生した。
その吉報は瞬く間に城下を駆け巡り、そして世界の希望となる赤子を城で保護し、然るべき教育を受けさせる為に周辺を捜索させたが、該当する赤子は居なかった。
まだ、精霊の祝福を受けていないのかもしれない。そうなれば、捜すのは困難を極める。
神官長の言葉に、一度は捜索を打ち切った。
そしてその5年後、再び託宣が下された。
『勇者が、精霊の祝福を受けた』――と。
そして再び、捜索が再開された。
城の兵士、魔法使い、神官。
様々な者達によって編成された捜索隊。
精霊の加護という「目印」があるのだ。直ぐに見つかる。
当初はそう思われていた。
しかし、何処を探しても該当する子供は居なかった。
――数年後、魔王出現の託宣が下され、捜索隊の人数を増やしても、「勇者」たる人物は見つからなかった。
そして、勇者生誕から16年が経った現在。
未だ以って「勇者」は見つかって居ない――




