その6
「やっぱり冒険者組合ってどこも同じような内装なんですね。」
「そっちの方が私たち冒険者としても使いやすくて良いじゃないか。」
クロとルージュは正式にパーティ登録する為に冒険者組合へやって来た。2人が着いた頃にはもう夕方になっていた。
「よし、さっさと申請済ませて結成パーティを酒場でやろうじゃないか!」
「そうですね。申請って10分もかかりませんでしたよね?」
「あぁ。なんなら5分もかからない時もあるぞ。」
正式なパーティとして認められると、組合の特殊職『アドミニストレーター』である人からメンバー全員に『天恵スキル:固定パーティ確認』などが、リーダーには『天恵スキル:固定パーティ追放』『天恵スキル:リーダー権限譲渡』などが付与される。ちなみに『臨時パーティ』との違いは、6時間で強制解散が有るか無いか、お互いの居場所を距離関係なく知れたりなど細かなものがある。
「えっと、リーダーはルージュさんで良いんですよね?」
「いや、私はすぐにやられてしまう自信があるから、君がリーダーをしてくれ。」
リーダーになると固定パーティメンバーにのみ発動できるリーダースキルなるものも付与される。当然だがリーダーが倒れていては発動できないものなので、ルージュは断ったのだろう。
「俺がリーダーになったらルージュさんを追放できますよ?」
「は?お前、私を追放したらぶっ○すからな?」
冗談をマジで返してきた。でもこれは冗談に聞こえないトーンで言ったクロが悪い。
「じゃあ、リーダーは俺で行きますか。」
「まて、本当に私を追放するなよ?一生恨むからな?な?」
すいません冗談なんです、とペコペコ謝りながらルージュと2人、組合の固定パーティ申請窓口へと向かった。
「すいません、新規で固定パーティ申請をしたいんですけど。」
2人が冒険者よりもガタイのいい窓口のお兄さんに冒険者証を渡すと、すぐに奥の部屋へと連れられた。
「今日で3組目……。新規だと初めての組となるか……。」
奥の部屋には顔はシワシワだが体はムキムキのおじいさんが居た。
「ワシはこの『極寒ダンジョン』を管理する冒険者組合専属の『アドミニストレーター』のガーガガじゃ。よくぞ来られた冒険者よ。」
ルージュがコソコソとクロに耳打ちをしてくる。
「ここの1つ前の『大森林ダンジョン』を管理していた組合員って若い女の人が多くなかったっけ?」
クロもルージュに囁き返す。
「そうでしたね。それに比べて……ここは男性ばかりですね。」
しかしそれはガーガガの耳にも入ってしまう。
「ほほほ、ワシの趣味じゃ。気にするな。」
なんか凄いことをサラッと言われた。
「あ、そうっすか……。ハハ。」
「趣味……ですか……。」
「なんじゃ?詳しく聞きたいか?」
2人は高速で首を左右に振った。
「なんじゃい、つまらん。ほなさっさと済ませてしまうかのぉ。」
切り替えは早いらしい。ガーガガはクロを中心にルージュが入るよう魔法陣を起動した。
「ちょ、いきなりっ……まぶしっ!」
魔法陣は一瞬だけ強烈に発光したがすぐに消えた。
「あれ、もう終わりか?クロ、なんか変わったか?」
「いや、特に変化は感じませんけど。」
一瞬の出来事に困惑する2人にガーガガが一言。
「ほれ、もう終わりじゃ。これでお前さんらは今日から組合の認める正式なパーティじゃ!」
2人は急いで自分たちのスキルを確認する。
「うわ、ほんとだ!固定パーティ専用のスキルが追加されてるよ!」
「あぁ、メンバーにも私と君の名前が載ってあるな!」
喜んで固定パーティスキルを使ったりしている2人にガーガガも微笑む。
「これからも世界の調和を保つため………お前さんらの活躍を期待させてもらうぞ。」
あ、はい。とガーガガの話は半ば適当に返し、2人は冒険者組合を去った。




