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#95

翌朝、ライズにトラッターで移動して、そこからランナーでポセイドへと移動した。


「おお、あれかデカいな!」とキングラプターを見た辺境伯様は言う。その横ではアルヴィンも頷いている。


キングラプターに乗り込んで行く。2人はキョロキョロと魔導機内を見回す。


「1層目は貨物室で2層目が操縦席と居住区になります」と機内を案内する。操縦席にはカル爺とアルカスが座って待機。


マリスは落ち着かない2人を席に座らせると、ベルトをさせてカル爺へと合図を送る。すると暫くしてキングラプターは上昇して海上へと向かい飛行する。その後ろから追随してきたEO4機が追い越して行き、キングラプターの周囲を飛んで警戒する。おお、かなり練度が上がってきたな。


機体が安定した所でベルトを外してもらい機外を眺める。そこには青い海が広がり冬の陽光を反射してキラキラと輝いている。


その景色を堪能して気が済んだ所でポセイドへと帰投。着陸して降りると辺境伯様はご機嫌だ。これも欲しいなとか言っていたが聞かなかった事にする。


次は各種魔導機のお披露目だ。コング2機を先頭に魔導多脚兵員輸送機が続き、その後ろから魔導多脚榴弾砲魔導機2機が続く、最後に殿のコング2機が続いて海上に向かい魔導多脚榴弾砲魔導機が射撃訓練を実施。5㎞離れた海上に浮かべた標的に向かい射撃。ドンって言う音ともに発射された魔導榴弾は寸分違わずに目標へと着弾、これを粉砕した。


魔導双眼鏡でそれを見た辺境伯様は口を開けて見ている。その横にいるアルヴィンも同じだ。


それを何回か見せて、射撃訓練は終了。何か辺境伯様が考え込んでいる。


最後はみんな大好きライデンナイトのお披露目だ。


倉庫の扉がゆっくりと開くと、中から体高4mの白く輝く機体が出てくる。カル爺専用機だ。量産機よりも精巧に作られている、その容貌は威厳があり威圧を感じる。その機体を見た辺境伯様は、


「おおお」と目を輝かして観ている。カル爺の機体の後ろから、更に2機の量産機のライデンナイトが出てくる。これも白く輝いてカッコいい。騎士そのものだ。


カル爺はライデンナイトを駐機姿勢を取らせるとハッチを開いて出てくる。


「これがライデンナイトです。現在のライデンの切り札でしょうか」とマリスが説明する。


「そうかこれがか」と辺境伯様。ライデンナイトの周りを回って触り見ている。すっかり気に入ったようだ。


「マリスよ。これはアーナンテには?」と聞いてくるので、


「ライデンへの配備が済めば3機ならば用意しましょう」と言うと、


「そうかそうか」とご機嫌になる。


そのあとは辺境伯自らライデンナイトに乗り操縦した。持って帰りたいと駄々を捏ねたが今回はコング4機で我慢してもらった。


溜め息しか出ないよ。


午後はアーナンテの騎士も含めたコングの搭乗訓練をして少しでも習熟させた。辺境伯も含めて楽しそうだ。


翌日の朝、辺境伯は帰る事となった。コング1機はトラッターに乗せて騎士1人がトラッターを運転して、残りのコングは辺境伯様、アルヴィン、騎士で乗って行くそうだ。大丈夫か?大丈夫らしい。


やっと帰っていったよ。嵐のようだった。疲れた。


やれやれと領主館に入るとハル達に出迎えられる。


「お帰りなさいませマリス様」とハル。が、よく見ると右手はアリルの首根っこを掴み引き摺っている。アリルの目はバッテンでは無くグルグルだ。


こちらの視線に気が付いたハルはニコッと笑う。ああ、これは指摘してはいけないやつだと、視線を逸らせて執務室へ向かう。



2月に入り中旬になる頃にヨネンが訪れる。


辺境伯からの手紙を携えて来て渡される。何か読みたくない。仕方が無いので読んで見ると陛下に、アルニアが取る帝国への対応を秘密裏に話をして了承されたと書いてある。うん、それは良いけど、最後の文には頭が痛い。


辺境伯様は、アルヴィンと騎士2人でコングに乗り王都に行って、陛下や近衛騎士に見せびらかしたそうだ。その過程で模擬戦を行い、その実力の高さを見せつけたとある。


頭が痛い。コングも秘匿魔導機の1つ何だが。


それに何だ?王宮からコングの発注があるかもしれないから宜しくだと?


辺境伯様はアレだろ、ライデンナイトも納入したら、絶対に王都へ見せびらかしに行くよな。もう一度ちゃんと話さなければいけないな。


場合によってはライデンナイトは出さないよ。


ん?そう言えば魔力操作が出来ないとコングって動かないのでは?と思い、魔力操作のまだ教えていない者に操作してもらったら問題無く動いたよ。


どうやら単純に魔銅操縦桿を介して意思を読み取っているだけらしい。それって凄い事だけどね。


魔力操作を使った操縦と、使わない場合の操縦では何か違いがあるのか、今の所は分からない。何と無くだけど重要な部分だと思う。この辺は少しづつ検証していくしかないな。


メンドクサイけどロブに言ってコングを4機程作成しておいて貰うかな。準備はしておこう。


そして辺境伯様にはライデンナイトの納入は引き延ばす事が決定。嫌がらせだ。


それで今、ロブ達と計画しているのはポセイドとライデンの間を結ぶ交通手段の構築だ。


単純にトラッターを定期的に走らせるか、中型の魔導飛行機を作って使うか、最後に俺から提示した案は魔導鉄道だ。


これなら線路を引く手間はあるが、安全性や輸送量と言った所をカバー出来るのでは無いかと考えている。上手くやれば自動化もできる可能性もある。


安全面は車両全体に魔力障壁を張れば良いと思うし、魔導モーターのトルク的にも問題がない。


問題があるとしたら王都にポセイドが知れた時の事だな。


この辺は辺境伯様とも相談だな。 

お読みいただきありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
[一言] 虐げた子供の才能にタカる親www マリスのために動いてるんだろうけど。 基本マリス視点だから、見えないものはないのと同じ(苦笑
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