#70
今日はライズの工房で新しい戦闘用ユーボを構想している。簡単なイラストを描き、必要なスペックと装備を書き出して行く。
う〜む、どうしても運用に3人必要になる。これだとあまり数が展開できないな。魔晶石での制御技術は蓄積されて技術力は上がってきているが一部とはいえ完全自動化となるとまだ先になる。
今回の場合だと戦闘用ユーボの操縦者、榴弾砲を載せるので砲手、それと着弾観測修正する人員の3人だ。装弾は自動化されていてそこに人員配置はないが着弾観測修正も出来れば自動化したい。だが今は無理だ。今後の開発が進めば可能だろう。
現在のライデンの状況だと戦闘用ユーボは2〜3機が運用限界になる。
次は作る作ると言っていて作っていなかった兵員輸送車を作る。まずはイラストを描いてデザインを決めて行く。
装備・仕様を決めて資材があるか確認する。うん、あるね。
ロブやアッカたちはポセイドで大型魔導機にかかりきりなので久しぶりに1人で作る。シャーシ部分をスキルで図面化してそれに合わせて部材を加工していく。加工が終われば組み立てていく。
シャーシ部分が完成したらゴツイホイールとタイヤを作成。これを6つ。今回は前輪2に後輪4の6輪となる。全てのホイール内側に魔導インホイールモーターを取り付ける。6WDだ。
タイヤは全て独立懸架として魔導サスペンションで魔法的に振動やショックを吸収する。これは今後に作られるトラッターにも応用可能だ。現在の形式のトラッターは将来的にはアーナンテ辺境伯へ売却予定だ。
魔晶石は低級中位の物を念の為に使う。6輪制御の為だ。
外装は魔導ジュラルミンを使いハニカム構造とした。常時魔力障壁を纏うため、かなりの防御力を誇る。
運転席と助手席を設置、ウォークスルーで後ろの荷室へ移動可能だ。後部は両開きドアとした。
前部には頑丈なバンパーと左右に2灯づつの4灯のライトを装備。運転席の正面ガラスはこれも常時魔力を纏い防御力を増している。左右ドアとガラス窓もそうだ。
後部荷室には内部側面にベンチシートを設置。10名乗車可能だ。
後部荷室天井上に機関銃銃座を設置。13㍉魔導機関銃を設置してある。
車体は緑色に塗装。これで完成だ。
少し離れて眺める。良いのではないか?カッコ良いな。自画自賛だ。
時間を見ると昼を過ぎている。簡単に昼食を済ませると魔導兵員輸送車に乗り込んで走ってみる。
何も考えずにポセイドに向かい走る。う〜ん、何か音楽が聞けたらな今度カーオーディオでも作るかな?曲はどうする。俺は楽器類や歌うのも無理だ。誰かに相談しよう。
気がつくと速度は120㎞/hを超えていた。おっとイケナイ。速度を落として100㎞/hで走る。これかなり安定しているな。速度が上がっても安心して乗れる。良い物を作った。2時間もしないでポセイドに到着。
皆んなが集まってきた。
アルカスが居たので魔導兵員輸送車を渡すと早速乗り込んで走り出した。ぐるっと廻ってくると止まり、他の騎士や兵士が後ろから乗り込んで行く。騎士の1人は銃座から顔を出す。危ないから撃つなよ。フリじゃないぞ。
ワイワイと騒ぎながら魔導兵員輸送車で遊んでいる。楽しそうだ。
全員乗り込んで海岸に向かうと砂浜を走り始めた。初めはスタックしないかとヒヤヒヤしていたが6WDの走破性能は伊達では無く楽々と走っている。魔晶石によるトラクションコントロールも効いているようだ。素晴らしい。
工房近くで止まるとロブ達が中から出てくる。こちらに気づいて近づくと魔導兵員輸送車を取り囲み細部まで見ていく。おっ!変わった足回りに気付いたようだ。流石だな。
まぁ、そうか今までのトラッターは魔力を切ると車体の腹が地面に付いていたからな。今度のはゴーレムから更に自動車に近づいた仕様だから良いだろう。あっ、乗り込んで行ってしまった。
夕方近くになりライデンに帰る。皆んなで乗り込んでランナーでライズまで飛び、ライズからトラッターでライデンまで移動。領主館前で降りる。
領主館に入るとハル達が出迎えてくれる。
「マリス様、お帰りなさいませ」とハル達。うむ、元孤児達も大分慣れてきたな。
ハルから今日の様子を聞くと、開拓民の子供達も慣れて読み書きもだいぶできるようになってきたとか。計算も最近は九九を覚えさせていて熱心に覚えているらしい。良かった。
今日はしていないようだが、たまに騎士か兵士が来て槍や剣の使い方を教えてもらっている。こちらも子供達は興味があるらしく熱心に習っている。
さてさて今日の夕食は俺が用意する。時間も時間だしチャッチャと作ろう。
木のボールに小麦粉、オリーブオイル、卵、塩を入れて混ぜる。作業台の上に打ち粉をして手の平でよく捏ねる。表面が滑らかになるまで捏ねて耳たぶ位の固さになるようにする。
布を掛けて休ませる。15分経ったら麺棒で薄く伸ばす。大体1〜2㎜くらいの厚さにする。
収納からパスタマシンを出す。これはステンレスでロブに作ってもらったものだ。
薄く伸ばした生地をパスタマシンに入る幅にカット。パスタマシンに入れてハンドルをクルクル回すとカットされて出てくる。これを纏めて打ち粉をまぶす。
次はソースだ。
玉ねぎ、にんじんをみじん切りにする。
ローリエ1枚でローズマリー1枚、セージ2枚を包み糸で縛る。これでブーケガルニが出来た。
鍋にオリーブオイルを適量垂らして玉ねぎ、にんじんのみじん切りとブーケガルニを入れて弱火で飴色になるまで炒める。ここにラッシュボアのひき肉を身を解して塩を振り鍋に入れて中火で炒める。
しっかりと焼き色がついたら、火を強めて赤ワインを入れて煮詰める。汁気がなくなったら湯むきしたトマトを潰し入れる。沸いてきたら火を弱めてトマトの水気がなくなるまで煮詰める。塩で味を整えたらミートソースの完成だ。
お湯をたっぷりと沸かした鍋に生パスタを入れて茹でる。茹で上がったら水気を切り、皿に盛る。その上にミートソースをたっぷり掛けたら完成だ。
机に全員分のミートソースパスタを置き、飲み物は各自で用意する。
さて実食だ。フォークでまずはミートソースとパスタをよく絡ませてからフォークでクルクルとパスタを絡めとり口に運ぶ。
口の中にミートソースの味が広がる。トマトの酸味、肉の旨み、ブーケガルニの香りと風味、よく炒めた玉葱とにんじんの甘みが合わさって独特な美味しさへと変換される。
そこにもちっとした食感のパスタが加わり幸せな気分になる。美味しい。
周りを見ると美味しそうに笑顔で食べている。良かった喜んでもらえて。
最後にジンジャーエールで口の中を洗い流したら、ご馳走様だ。
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