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最強で最弱な神の力を宿した少年の下剋上物語  作者: 柊木叶葉
漂着から旅立ちまでの物語
6/14

第五話~旅の始まり~

「ただいまー」

「「お帰りなさい」」

 犬耳の少女とミアがふたりを出迎えた。

「あれ?カオスさんはそんな耳生えてましたっけ?」

「あぁこれか?これは狼を吸い取った時に生やせるようになったんじゃ」

 と、犬よりは少し大きめの耳をピクピクさせていった。

「これがあった方が何かと都合が良いのじゃろう?」

「確かに……」

「ところで、その子の名前は何なんだ?」

 とユウは尋ねた。

「はぁさっきから聞いていたのですが…恐らく無かったのでしょう。奴隷には珍しくありません。」

「ふむ、ならガイアでどうじゃ?」

「大地の神ではないですか…まぁ構いませんが…」

「ならば良いな、お主はガイアじゃ」

 少女に向かって言った。

「ガイア…?ガイア…!」

 気に入ったようだ。突然、ガイアは右手の甲を抑えて(うめ)き出す。

 見るとガイアという文字が刻まれていた。

「これは…?」

 ミアが尋ねると

「ふーむ、儂の仮説は間違えていなかったようじゃの」

 とカオスが頷いた。

「そういうことか!俺とカオスにはほとんどチカラがない、でも力を吸い取ったり分け与えたりすることは出来るんだ。」

「そういうことじゃ」

「ということは今ガイアには大地の女神のチカラが宿っているのですか?」

 俺は目で頷いた。唐突にガイアの体が緑に光る

「汝は……あなた様は!?カオス様でいらっしゃるではないですか!やはり私を顕現(けんげん)させたのはカオス様でいらっしゃいましたか!」

「そういう堅苦しいのは辞めてくれるかの?これから時々で良いからお主の力を借りたいと思って呼んだのじゃ」

「ははっ!滅相もない事でございます。この器は少しばかり小さいですが呼びかけて下さればいつでも現れますので!」

 そう言い切ると、ガイアは糸が切れたように崩れ落ちた。

「やはり私の目に狂いはなかったな…」

「どうしてだ?」

「あのガイアを封じ込めたのじゃのに少し不足する程度の器という事じゃ、普通の人間ならば壊れてしまうであろう。」

 ミアは目を白黒させていたが、思い出したように

「そういえば報酬は貰えたのですか?」

「あぁ」

「取り出そうかの」

 と言って自身の手からブラックホールのような黒い円が出てきて、そこから金貨の袋を取り出した。

「え……?こんなにあるんですか?十年程なら遊んで暮らせますよ。」

「なら旅に出ないか?魔人族の王ディアボロスを倒して俺達が政権を取ればみんなの生活は楽になるんだろう?」

「そ、そうですが…どうやって勝つつもりです?」

「俺には力を取り込んだり与えたりすることは出来ないが、与える力はどれも強力だ。もしもその力を受け止めるだけの器になる人を揃えて、力を育てることが出来れば倒せるはずだ。」

「な、なるほど……ではまずは人を集めないといけないのでは?」

「幸い奴隷には溢れてる、それに条件に合う奴隷がいれば買える資金だってあるじゃないか…まぁその資金調達はゆくゆくしていかなきゃいけないだろうけどな。」

「分かりました、ディアボロスを倒せるなんて夢のようです。その話乗りましょう。」

「私も行きます!ユウ様!」

 女神の力が宿ったからだろうか、少し成長したように見えるガイアも頷く。

「では、早速行くかの、まずは奴隷市場であろうか…。」

 急に始まり、波乱万丈だったユウの新天地での生活はここからさらに波乱万丈になっていく……。




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