第六話~元姫の仲間入り~
ユウ達一行は戦力増強のために奴隷市場へと脚を向けた。
「賑わってるな…」
この国では納税額の急上昇によって借金が嵩み奴隷の身分へと身を窶す者達が増えていた。
殊更に賑わっている店舗の前に来ると、
「ここがこの辺りでは一番大きい奴隷商店です」
とミアが紹介する。
入っていくと、店長と思しき男が恭しく手を擦りながら近付いてきた。
「いらっしゃいませ旦那様、今回はどのような奴隷をお探しで?」
「そうだな…戦闘の時役に立ちそうな奴を探しているんだが…」
「分かりました…こちらへどうぞ」
と奥の部屋に通される。
そこには、ズラリと屈強そうな奴隷が並んでいた。
ユウは隣にいたカオスに耳打ちする。
「この中に神の力に耐えられそうなやつはいるか?」
「そうじゃのう…どれも器不足なようじゃ…」
「そうか…」
それを聞いたユウは、カオスに小声で尋ねる。
「どういう奴の器がでかいとか、そういうのはあるか?」
「うーむ、儂が見ている限りだと、恐らく貴族のような位の高い者が大きな器を持っている可能性が高いようじゃ。」
「分かった」
店主はずっと小声で喋っていたユウたちに痺れをきらして、
「あの〜お客様?」
と言ってきたので、ユウは
「この店に奴隷の前には高い位を持っていた者はいるか?」
と尋ねる。少し不思議そうな顔をしながら言う、
「お、おりますが…戦士の調達はもうよいので?」
「もういい、悪かったな…今度はその人達を見せてはくれんか?」
「は、はい!今すぐ」
嬉しそうに上の階に行った。恐らくどの奴隷も高く売れるからだろう。
すぐに二人の女を連れて降りてきた。
「右におりますのが前政権の右腕だった宰相の娘、左におりますのは、前政権の王の娘でございます!」
どちらも物凄い美人だった。見た目ではどちらもいい勝負である。
カオスに目で尋ねると左の王の娘に目を向けた。
「その人はいくらだ?」
「はい……引く手数多だった人気の商品でございます。まぁ誰も手が出せないお値段でしたので…」
とやけに勿体ぶる。
「ですがお客様が今後お得意様になって下さることを期待して…60万$でいかがでしょう?」
少し手持ちで足りない…ならばと思って値切ろうとすると、ミアが
「それは高すぎますね、まだこの方がこの世界に来てから間もないと踏んで足下を見ていたようですが、私が見る限り気が強く、奴隷には向いていないのではありませんか?」
と聞く。店主は図星だったのか少々狼狽えながら、
「確かに…気が強いとこらはありますが…それでも気品がよく、見目も麗しい奴隷ですので…」
「そうですね…では30万$でいかがでしょう?」
「そんなご無体な…せめて40万$で…」
そこまで来てユウは二人の会話を止める。
「40万で手を打とう」
「ははっ、ありがとうございます」
「現金で構わないか?」
「構いませんが…お見受けできませんけど…」
「カオス、部屋の外から持ってきてくれ」
目で合図をすると、カオスはすぐに悟り、
「すまんが取ってくる」
と言って外に出ると、馬鹿でかい金貨の袋を持ってき来た。店の主人が目を見開いて驚いている。
「これでいいか?」
「はい!どうもありがとうございました。」
平伏する勢いで頭を下げる。煩雑な作業を済ませると元姫が来て、恥ずかしそうに睨みながら
「よ、よろしくお願い致しますわ!」
と怒鳴るように言った。
「お、おう…よろしく俺はユウって言うんだ、よろしくな」
存外に高圧的ではなかったユウの態度を見て少し拍子抜けしたような表情をする。
「申し遅れました…わ、わたくし前王の娘、クロノと申します。」
「ちょうど良いな。」
とカオスが呟いた。
「……ちょうど良い?」
「後で説明する。取り敢えず今夜の宿を探そう。」
こうして一行は帰路についた。




