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最強で最弱な神の力を宿した少年の下剋上物語  作者: 柊木叶葉
漂着から旅立ちまでの物語
3/14

第二話~アブない夜~

 何でこうなった…知らない島に来たと思ったらいきなりヒモになってしまった。

「ユウさん!そこにお布団ひいてください!」

「おう!」

 なんて素直にしたがってるし……


 この部屋についた時間も遅かったので、ご飯を食べて今夜は休む事にした。ユウも疲れていたし、この島の事情はいろいろと複雑らしい。ミアはおいおい説明します、とか言って先にベッドの上で丸くなった。お腹が見えている。ユウは思わず、

「風邪引くぞ」

 と呟いてを布団をかけ直していた。思わず昼とは違う無防備な寝顔が、ユウの心の心拍数を上げる。いかんいかん、と自制して自分の布団に潜り込んだ。


 だが眠れない、目が冴えていて瞼が落ちてこない。ふと思った。これからどうなるんだろう、と。このまま帰れないのだろうか、一度助かった命だが、それはそれで寂しい気がする。妹は元気にしているだろうか、親父は?おふくろは?猫のシロは?そもそも生きているのだろうか…柄にもなく涙が出そうになる。


 突然、「ゴロゴロ」と音がなった。足の方でゴソゴソしている。

「ゴロニャーン」

 そこまで聞いて、ベッドを見るともぬけの殻だった。そういえばシロも昼は全然寄ってこないのに、夜は擦り甘えてきた。急にいとおしくなってきて、布団から顔を出してふにゃふにゃし始めたミアの頭をなでた。

「ゴロゴロゴロゴロ」

 どんな声帯してるんだろうと思ったが、そんなのどうでもよくなるくらいに、気持ちよさそうにしているミアの顔を見ると自然と心が落ち着いてきた。だんだんとまぶたが落ちていく……。


 翌朝、ユウは悲鳴と殴打(おうだ)で起こされた。

「な、な、な、何してるんですかー!」

 顔を真っ赤にして、少しはだけた服をかき寄せながら叫ぶミア。

「いや、ミアが俺の布団に入ってきたんじゃないか」

「えッ……」

 絶句している。少しぶつぶつ呟いてから、

「ご、ご飯にしましょう…」

 と言った。自覚はあったみたいだ。


 ご飯を食べながら、

「今日は街を案内してくれよ」

 とユウは言うと、

「そうですね…ただなにかカモフラージュしないと…」

「やっぱり神人族ってバレたらまずいのか?」

「それはもう!すぐに殺されてしまいます。」

「ま、まじか…」

 神人族のチカラは(うと)まれているのだろうか…

「後で説明します。そうですね…今はこれでも付けといてください」

 と言われて渡されたカチューシャ…

 --カチューシャ?

 よく見ると猫耳が付いていた。

 ミア曰く、これで猫人族だと思われるらしい。付けて鏡を見てみると、地味に似合っていて鳥肌が立つ。何処の羞恥プレイだよ、と思いながらユウはミアと街へ繰り出したのだった。


 そこでユウは自分の中に宿った神のチカラを自覚することになる……。


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