中村タカシ⑨
リリーがおじいちゃんの家に来てから、2週間が経とうとしていた…
タカシはもう少しで夏休みが終わる為、明日には自分の家に帰らなくてはならなかった。
「ぷーーぷーー」
タカシはいつもの様にリリーと庭先で遊んでいる
「リリー、俺ね…明日には自分のウチに帰らないとダメなんだ………俺がいなくても、いい子にしてるんだぞ」
「ぷぅぅ…………」
リリーは少し寂しそうな表情をする
「大丈夫!また休みが来たら、遊びに来るから!おじいちゃんとおばあちゃんの言う事を、ちゃんと聞くんだよ!」
「ぷー!」
今日はおじいちゃんは仕事に行っていて、家にはおばあちゃんしかいない……
ガタン
何か……………音がした………………
!?
庭に知らない人が入って来た!
(ヤバい!リリーが見られちゃう!)
タカシは必死になってリリーを隠した!
「こ、こんにちは………誰…………ですか?」
「ヤット……ミツケタ………ベガノウチュウジンダ」
浮浪者の様な風貌をしたその男性は、言葉が少しおかしかった………
(何………この人…………怖い…………)
「すいません!」
タカシはリリーを抱いたまま逃げ出そうとした!
ガシッ
(!!!)
タカシは頭をつかまれ、凄い力で投げられた!
「いてぇっっ!!」
「ぷーーーー!!」
しかし、タカシはリリーを放そうとはしなかった
(い………痛い………何なんだ……………逃げなきゃ………)
「ヨコセ、ベガノウチュウジン」
!?
「アナタ!誰!」
音を聞き付けたおばあちゃんがびっくりして、かけつけた!
「タカシ………大丈夫!?アナタ!警察呼ぶわよ!」
浮浪者の様な男は一瞬…虚ろな瞳でおばあちゃんを見た………
が………すぐに視線をリリーに戻す
「ヨコセ、ベガノウチュウジン」
浮浪者は、倒れているタカシに向かい歩き出す!
!?
おばあちゃんが浮浪者につかみかかった!
「アナタ!やめなさい!」
ガシッ
浮浪者はおばあちゃんの腕をつかみ
!!!!!
腕をヘシ折った
叫びを上げ…おばあちゃんはその場に崩れ落ちた………
タカシは恐怖に支配されながらも、リリーを守ろうとする
(助けて………誰か………助けて…………)
「や、やめて………お願い…………」
おばあちゃんはうずくまったまま………そう呟く……
「ベガノウチュウジン」
!!!
ボグッッ!!!
鈍い音が庭に響き渡る……
おじいちゃんが木刀で浮浪者の頭を殴っていた!
ボグッ!ボグッ!ボグッ!
無言で容赦なく、浮浪者を殴り続けた……
おじいちゃんは見たことの無いような怒りの表情だ………
ひるんだ浮浪者を蹴り飛ばし、倒れた浮浪者をさらに木刀でボコボコに殴り続けた
おじいちゃんはとても喧嘩になれているみたいだった……
……………………
浮浪者は動かなくなり、おじいちゃんは手を止める…………
「ベガ………ノ………ウチュウジン」
浮浪者は血だらけになりながら立ち上がった!!
(立った…………に、人間じゃない!!)
おじいちゃんはさらに木刀をかまえる
しかし
凄い早さで浮浪者は木刀をつかみ、おじいちゃんを蹴り飛ばした!
(おじいちゃんっ!!)
浮浪者は木刀を持ち、倒れたおじいちゃんのもとへ………
(おじいちゃんが……殺されちゃう………誰か助けて……)
タカシは恐怖で動く事ができなかった
浮浪者はおじいちゃんを木刀で殴った
ひたすら殴った
血が吹き出した
それでも殴った
おじいちゃんは動かなくなった
浮浪者は視線をリリーにうつす
「ベガノウチュウジン」
「ギュウゥゥゥ……………」
リリーは聞いた事の無い声で鳴いた……
「ギュウゥゥゥ!!!!」
!!!!
浮浪者の右腕が内側から爆発
あたりに肉片や骨が飛び散った
………………………
「ベガノ………ウチュウジン……」
しかし、浮浪者は微動だにしない………
リリーは気を失った…………
(助けて………助けて………助けて………)
右腕を失った浮浪者は、タカシに向かい歩きだす
(殺される)
浮浪者がタカシに手をかけようとした瞬間だった
ズバァッッッ!!!
浮浪者は真っ二つに!!
光輝くフルメタルボディの男が一瞬で浮浪者を切り裂いていた!
「遅くなってしまった……ゴメン……タカシ君………でも、もう大丈夫だからね」
その男は、強く・美しく・気高く……絶対的な物としてタカシの目に映った…




