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第三話 小悪魔たちの教育 その三



 今度はクスクスと、娘のサラの声が部屋の入り口の方から聞こえて来たので。私が振り返ると、そこにはお腹の大きくなったサラとサラの夫である魔法使いのルークが仲良く寄り添うように立っていた。


「母さまは父さまに酷くご立腹のようですね。フフフ」

「笑ってる場合じゃないわよ? ほんとに私には理解出来ないことだらけで、頭がおかしくなりそうだわ!」


「申し訳ございません。ワタクシが幼少の頃の魔王の話をしたもので……」

「父さまの幼少期? やっぱり聞くに堪えない話しだったのね」


サラは私とオースティンの様子で事態を察して、それ以上に深くは追求して来なかった。


「サラは賢くなったわね~♪ そうよ! 余計なことは聞かないほうがお腹の子のためよ!」

「そうですね。サラ様とルークの子ならきっと聡明な子が生まれてくるはずですからね。フフフフ」


「大丈夫よ! 少々のことでは私もお腹の子も驚かないと思うし、可愛い妹と弟のことですからね。私に協力出来ることはするつもりでいるのよ!」

「ただ、魔王様が手出し無用とおっしゃられているのなら、しばらくは見守るしか手はございませんけどね」


ルークがしっかりと釘をさすようにサラに向かって自分の考えを語ると、サラは少し顔を引きつらせて笑っていた。


「ルークの言う通りかも知れませんね。今は一先ずですが、魔王にお二人のことはお任せしておいた方が良いでしょう。下手に手出しをして、魔王に癇癪を起こされてもワタクシもベルゼブブもあの方を抑えることは出来ませんからね」

「そうね。仕方ないけどそうするわ。魔王が自分からあの子たちのことは何とかするって言ってるし、私もしばらくは何も口を出さずに魔王とあの子たちを見守ることにする。サラもよ! 良いわね?」


私とオースティンの話を聞いていたサラも納得してくれたようで、ウンウンと頷いていた。


「私ももうすぐ母親になるのだけれど。母さまを見ていると、ほんと私もしっかりしないとって思えるわ。母さまが側にいてくれるから、マタニティーブルーにもならずに済んじゃったしね。フフフ」

「それでもお腹が大きくなって来たので、少しサラがこの何日間かは不安そうにしていたので、今日は一緒にこちらへ伺わせて頂きました」


「サラとルークならきっと大丈夫よ! ルークは魔王なんかよりもずっと大人だしね!」

「美乃里さま……。それはあまりにも魔王がお可愛そうなので、あまり大きな声ではおっしゃらない方が宜しいのでは? きっと今頃はくしゃみをしておられますよ! クククク」


魔王なんかよりも、ずっと大人でしっかりしているサラの夫のルークに向かって私が魔王の愚痴をこぼし始めると。オースティンが、クスクスと楽しそうに笑いながらも魔王の立場を悪くしないように私の愚痴がエスカレートしないように止めてくれていた。あの可愛い小悪魔たちのことはとても気掛かりだったけど。今回は魔王を信じることにして、ミーアとイーヴィルの教育はすべて魔王に任せてみることにした。本当はすっごく不安なんだけどね。



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