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第一話 小悪魔たちの教育 その一



 朝食が終わると、小悪魔たちは中庭へ出て乳母や世話係と朝の散歩を楽しむのだけれど。この時も乳母や世話係の悲鳴や叫び声が、中庭から私の部屋まで毎日欠かさず聞こえてくるので、私はその時間には耳栓をして読書をすることにしている。


ミーアが木の実を採ろうと木に登り始めると、イーヴィルは池で泳いでいる魚を捕まえようとして、すでに腰まで池の中に浸かっている。


「ミーア様!! 降りて下さい! 危のうございます。ミーア様ー!」

「やーだ!! ミーアおりないよー! あぶなくないも~ん!」


「イーヴィル様!! お戻り下さい。お風邪をひかれたら大変でございます!」

「やーだ!! オレさまはかぜなんてひかないよー! くやしかったら、つかまえてみろよ!」


 毎日、毎日こんな調子で、乳母や世話係を困らせて双子の小悪魔たちは楽しそうにキャッキャと声を上げてはしゃぎ回っていた。私は部屋から中庭の様子を眺めて大きく溜め息を吐いてから、まだ、部屋にいる魔王に今後の小悪魔たちの教育をどうするつもりなのかを聞いてみた。


「あのままじゃ、本当に誰もあの小悪魔たちの面倒を見なくなるわよ!」

「へへへ♪ 大丈夫だ。そんなに気にすんなって! 悪魔ってのはあんなもんだ!」


魔王はケラケラ笑うばかりで、私の話を真面目に聞いてくれようともしない。


「でも、サラはあんなに乳母や世話係を困らせることはなかったじゃない!」

「そりゃー、あれだ。サラはお前の血が濃く受け継がれていたから、良い子だったんだろ?」


ふくれっ面をしている私の頬を両手でギュッと掴むと、魔王はニィっと維持の悪い顔をして笑って思い切り引っ張った。


「ひょっと! いひゃいいひゃい! ひゃめへーーーー!!」

「お前さー!? 最近、ちょっとオレ様に偉そうだから、お灸をすえちゃわないとなー! へへへ♪」


魔王はそのまま、無理やり私をうつ伏せにベッドへ押し倒して馬乗りになって手足を縛ると、不気味な笑みを浮かべながらお灸を取り出して背中に並べて火をつけていた。


「あいつらは、オレ様の血を濃く受け継いでるからな! 確かに。そろそろ、この城内で教育するのは難しいかも知れないなんてことは、オレ様が承知の上で少し様子を見てる所なんだ。だから、お前は何も心配しなくていいぜ!」

「あうううう。本当に? あううう~あっつい~! 魔王があの子たちのこと考えてるなら良いわ。わかった。あうううううう~! あっつ~い!」


久しぶりに私にお灸をすえて、魔王は熱さに悶える私を満足そうに笑ってしばらく眺めて楽しんでいた。


「やっぱゾクゾクすんなぁー! スーーーっとしたぜ! まぁー大人しくあの小悪魔たちのことはオレ様に任せとけ! わかったな?」


魔王はベッドの上で、うなだれて力尽きてしまっている私の耳元で囁くと。私の背中にキスをしてから、お尻を三回叩くと満足そうに笑いながら部屋を出て行ってしまった。



今回は私の大切な忙しい読者さまのために一話一話が一分から二分で読了頂ける短い内容になっておりますm(__)m♪

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