帰還した終焉神と白き賢医の約束
バーチャルセンター
ようこそ。
ここは――バーチャルセンター。
無数の世界が記録される場所。
終焉神の涙も。
白き賢医の奇跡も。
人々の笑顔も。
全てがここに保存されている。
剣と魔法の世界。
神々の戦い。
千年を超える約束。
それらは全て、一つの物語として紡がれてきた。
そして今日もまた、一人の来訪者が訪れる。
「学校より、この続きが見たい!」
そんな願いを抱きながら。
ゲームなのか。
現実なのか。
それとも、その両方なのか。
誰にも分からない。
しかし、一つだけ確かなことがある。
どの世界であっても。
誰かを救いたいという想いは、本物である。
そして、新たな選択肢が現れる。
「オプションを追加しますか?」
物語は、まだ終わらない――。
第四十四話「帰還した終焉神と白き賢医の約束」
星界の監察者の軍勢。
その前に立つ終焉神ゼロス。
「この世界は俺の家族がいる世界だ」
「誰にも壊させはしない」
黒い翼が広がる。
しかし。
タクトは前に出た。
「バーデラス」
「一人で背負わなくていい」
ゼロスは笑う。
「白き賢医」
「お前は変わらないな」
その時だった。
「僕が行くよ」
全員が振り向く。
「え?」
そこに立っていたのは、一人の少年。
白い翼。
金色の瞳。
第五の使徒の隣に現れた新たな存在。
「僕は第六の使徒」
「ルーク」
「争いは嫌いなんだ」
アイオニアが驚愕する。
「第六の使徒!?」
クロノスも息を呑む。
「存在しないはずでは!」
ルークは微笑んだ。
「存在しないから生まれたんだよ」
◇◇◇
すると。
景色が突然崩れ始めた。
王都。
星界。
ゼロス。
全てが光に包まれる。
「何だ!?」
ベルゼリオスが叫ぶ。
そして。
一人の少女の声が響いた。
「さあ、どうでしたか?」
「バーチャルゲームは」
全員が固まる。
タクトも目を見開く。
「え?」
そこは白い空間。
椅子に座る一人の少女。
銀色の髪。
青い瞳。
不思議そうに笑っていた。
「黒鯛様」
「まだ終わってませんよ?」
「お兄ちゃん」
「学校は?」
「嫌」
「学校より、この続き」
タクトは頭を押さえる。
「ここは……」
少女は笑った。
「『エターナル・メモリーズ』」
「超高次元体験型バーチャルゲームです」
フィリアたちも驚く。
「ゲーム?」
「じゃあ私たちは?」
少女は首を傾げる。
「本物ですよ?」
「データだけど」
「心も魂もあります」
◇◇◇
「そうだ!」
少女は端末を操作した。
「オプション付けられますか?」
「オプション?」
タクトが聞き返す。
「そう」
「女性キャラクター追加とか」
「仲間イベントとか」
「家族ルートとか」
「どうしようかな?」
「増やしちゃおうかな?」
第五の使徒が笑った。
「お姉ちゃん」
「遊び過ぎ」
すると。
ゼロスが頭を抱える。
「おい」
「まさか……」
「お前」
少女は笑顔で立ち上がった。
「自己紹介が遅れました」
「第七の使徒」
「ゲーム管理者」
「ユナです」
「ようこそ」
「終わらない物語へ」
そして。
タクトは微笑んだ。
「ゲームでも」
「現実でも」
「患者がいるなら」
「僕は医者だ」
少女ユナは嬉しそうに笑う。
「ふふ」
「やっぱり」
「先生は先生ですね」
その時。
画面の隅に文字が現れる。
《新規オプションを追加しますか?》
YES
NO
そして誰かが、静かにYESを押した――。
第四十五話「終わらない世界と第七の使徒ユナ」へ続く――。
黒鯛様、どうします?
第四十四話「帰還した終焉神と白き賢医の約束」をお読みいただき、ありがとうございました。
終焉神ゼロス。
第六の使徒ルーク。
そして、第七の使徒にしてゲーム管理者ユナ。
物語はついに、バーチャルセンターという不思議な場所へと辿り着きました。
すると、ユナは端末を片手に振り返ります。
「黒鯛様、どうします?」
「新しいオプションを追加しますか?」
「新しい仲間?」
「新しい学校?」
「新しい家族?」
「それとも……女性キャラクター?」
第五の使徒は笑いながら首を傾げます。
「お兄ちゃん、また増えるの?」
ゼロスは呆れ顔。
「ほどほどにしろよ」
タクトは苦笑い。
「患者が増えるのは困るかな」
ユナは楽しそうにメニュー画面を開きます。
「さあ、黒鯛様」
「次はどんな物語にしますか?」
「終わりのない世界へ、ようこそ」
次回――
第四十五話「終わらない世界と第七の使徒ユナ」
新たな選択。
新たな出会い。
そして、まだ誰も知らない物語が始まる――。




