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雑談三昧  作者: カトーSOS


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66/75

ヒロアカ、峯田最強じゃね?

ヒロアカは、ちゃんと面白い。

それは前提として。


でも正直に言うと、初見のときは

勢いで見ていた部分も多かった。


ワン・フォー・オールすげえ。

爆豪こええ。

轟つらい。

そういう感情の波に乗って、

物語を一気に消費していた。


今回、ファイナルシーズンを見る前に、

ファーストシーズンから通して見直してみた。


すると、変なところに引っかかった。


峯田って、

負けてなくない?


最初は冗談みたいな疑問だった。

でも、場面を一つずつ思い返していくと、

どうにも無視できなくなってきた。


このエッセイは、

「峯田は好き」「峯田は嫌い」

という話ではない。


ただ単純に、

作品の中で何が起きているかを

もう一度、ちゃんと見てみた記録だ。

ヒロアカを最初から見直していて、途中でふと思った。


あれ?

峯田って、負けてなくない?


派手な勝利はない。

覚醒もない。

「うおおおお!」って前に出ることもない。


でも――

負けてない。


これ、よく考えるとかなり異常だ。


ヒロアカの世界は、基本的に

「強い個性」「高い出力」「覚悟の重さ」

で勝敗が決まっていく。


デクは壊れながら勝つ。

爆豪は全部背負って勝つ。

轟は血と家族を超えて勝つ。


全員、一度は“負ける”。

肉体的にも、精神的にも。


ところが峯田は違う。


怖がる。

逃げ腰。

スケベで情けない。


でも――

折れない。


そして、負けない。


体育祭を思い出す。

あれは騎馬戦だ。


峯田は前線に出てない。

殴り合ってない。

でも粘着玉で相手の行動を止め、役割を果たしている。


負けた理由は

「個性が攻略された」からじゃない。

「ルール上、点数が足りなかった」だけだ。


つまり、

峯田本人は一度も“突破されていない”。


これ、めちゃくちゃ重要だ。


ファイナルシーズンに近づくほど、

ヒロアカは「勝ち負け」の定義を変えていく。


強いか弱いか、じゃない。

折れるか、折れないか。


背負いすぎて壊れるデク。

理想と現実の間で砕けそうになる爆豪。

家という呪いと決着をつける轟。


みんな一度、負ける。


でも峯田は最初から

「自分は弱い」

「怖い」

「前に出たら死ぬ」

を受け入れている。


だから、壊れない。


そしてもう一つ。


ワン・フォー・オールですら、

峯田の粘着玉は剥がせていない。


デクはどうしたか。


粘着を壊そうとせず、

剥がそうともせず、

峯田本人を黒ムチで引き離した。


これ、完全に

「個性が無効化できないから、使い手を排除する」

という対処法だ。


つまり峯田の個性は、

出力では突破できない

“状態異常系”。


もし峯田が冷静で、無口で、任務遂行型だったら。

正直、敵に回したくない。


ギャグ要員で、

スケベで、

情けないから、

世界が助かっている。


だから思う。


ヒロアカ、

峯田最強じゃね?


最強って、

一番強いことじゃない。


一番負けないことだ。


そう考えると、

峯田は最初から最後まで、

一度も負けていない。


そしてそれは、

この物語が一番最後にたどり着いた

「ヒーローの形」なのかもしれない。


「最強」って言葉は、便利だけど曖昧だ。


一番派手な技を持っていること。

一番強い敵を倒したこと。

一番多くの人を救ったこと。


どれも最強っぽい。


でもヒロアカを最後まで見ていくと、

物語が本当に問いかけているのは

そこじゃない気がしてくる。


壊れないこと。

折れないこと。

負け続けないこと。


それを考えると、

峯田というキャラクターは、

とても静かで、

とても強い。


前に出ない。

目立たない。

情けない。


でも、

自分を過信せず、

役割を見失わず、

最後まで立っている。


ヒーローとして、

それは十分すぎる資質だと思う。


このエッセイを読んで、

「いやいや、さすがに言い過ぎだろ」

と思う人もいるだろう。


それでいい。


ただ、次にヒロアカを見直すとき、

ほんの一瞬でいいから

峯田の動きに目を向けてみてほしい。


派手じゃないところで、

ちゃんと物語を支えているキャラクターが、

確かにいる。


最強かどうかは、

もうどうでもいい。


ただ一つ言えるのは、

峯田は、最後まで負けていない。


それに気づいた時、

ヒロアカという作品が、

少しだけ違って見えた。


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