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そうして俺達は、決別した

まず初めに

今回のカーラは、前もってのプロットでした

ユヅキが過去へ後悔し。カーラは未来(今)へ後悔するってな感じでした

ですがユヅキの回に評価を頂き、カーラもわかり合える展開が望ましいのではと考えました


結果、4回ほど書き直しましたが自分の中にあったカーラのキャラを変える事が出来ず、このような内容になります

ユヅキの回を評価して頂いた方は嫌悪するでしょうがご容赦ください


あ、ザマァ的なモノは次回です

書き直しに時間を取られ申し訳ありません

生まれ育った、我が家。

だが、その中にはどうやら異物が入り込んでいるようだ。



狭い村だ。

点在する家屋から人々が現れ、俺達を指差している。

リンジンの話からして、ろくでもない事を言われてるんだろうな。



(…酷い、な)



家の隣には、ボロボロではあるが納屋がある。

その中に、俺の思い出が詰まったモノっ達が、無造作に投げ込まれていた。

表札も、乱暴に外してある。



「妾はここで待っておく、2人で話してくると良い」


「…すまない、ヴァリアリ」



本来であれば一緒に墓参りをして、ラプターウルフ討伐に手をつけたかったのに。

俺はそのまま、無言でドアを開けた。



「…誰よ?ノックしないで入ってくるんじゃ…」


「俺の家だからな、必要ないだろ」


「はぁっ!?…え、あ、グラッデン?…あんた、生きて、たの?」



家の中が薄暗いため、あちらからは逆光で見え辛いのだろう。

慣れるにつれ、目の前の女の目が、徐々に見開いていく。


爪に塗料を塗っている最中だったようだ。

女の後ろでは、赤い髪が生えそろった赤ん坊が、寝息を立てている。

…母親と同じ髪の色なら、疑われはしない、か。



女は…昔の面影はあるし、肩まで伸びた赤い髪は、間違いなくカーラだ。

ただ…全体的に化粧が濃く、ケバい。

香水臭く、着ている服も高そうだ。


…変わったな、見た目は。



「ドキュンに聞いたか?この通り生きてるよ。早速で悪いが出ていけ」


「ちょっ、ま、待ってよ!ねぇ!まずは私の話を聞いてよ!ほ、ほら!子供も寝てるんだし、ね?」



謝罪もせず、まずは話を聞けと来たか。

ついでに赤ん坊を盾にしやがったな。



(…いや、落ち着け、俺)



ユヅキ同様、カーラにも何かしらの事情はあるはずだ。

あの時は俺にも非があったし、互いにあいつ等の被害者でもある。

なら、まずは話を聞き、理解しなければならない。



「わかった。…まず、どうしてお前がココにいる」


「えっと、数ヵ月前、ドキュンとの愛の巣に憲兵隊が押し寄せて来て、何故か神殿に連れて行かれたんだよねー」



俺達があいつ等を捕まえた時か。

というか、こいつドキュンとまだ続いてたんだな。



「でね、私、一度子供堕ろしちゃったから神殿に破門されてるの。だから居心地悪くて逃げたのよ」



被害者と思われ、保護されただけなのにな。

…神殿から破門されれば、冒険者の身分ははく奪される。

つまり、冒険者という夢は不要になったか。



「別の所で仕事しようにも子供が邪魔だし、私は何故か避けられるし嫌がられるし…、屑ばかりよね?で、昔あんたが言ってたココに来たって訳よ。ホント何も無いわね、つまんない」



実物は見た事ないが、カーラの映った映像も出回っている。

あいつ等が捕まった後、不幸にも一般人レベルで話が広がってしまったからな…。

カーラは自分の映像が出回ってるのを知っ…らないんだろう、この様子じゃ。

それが幸運か不幸かは判らない。



「ほら、子供もいるし働くのも嫌じゃない?だからあんたを悪者にして食料せしめてたのに…あーぁ、なんで生きてるのかなぁ」



そんなくだらない事で、俺の思い出が詰まった場所を踏み荒らしたのか。

…ダメだ、コイツはユヅキとは違う。

自分は常に正しいと、信じ切ってやがる。



「…そうよね、別に出て行かなくてもいいじゃん!ねぇ、グラッデン、私ね、えらーい貴族様と知り合いなの?だから、痛い目見たくないなら、消えて?」



ははは…、そのえらーいお貴族様は、もはや粛清されてるかもな。

しかし、良く喋る女だ…、こんなんだったか?



「ふふっ、ドキュンもあの方達の力で無罪になってるはずだし、迎えに来させなきゃ。でも、何したのかしらあの人…ほら、さっさと帰りなさいよ、負け犬。次はサオヤックに殺されるかもよ?」



…こいつの中では、俺は泣きながら逃げた敗者、なんだな。

いや、それは事実だしどうでも良い。

ただ、少し気になる事がある。



「どうやって貴族様と仲良くなったんだ?良ければ聞かせてくれないか?」


「ふふっ、羨ましいの?ドキュンと一緒にね、身寄りのない女の子を紹介してあげたの。なんでも教育して仕事を与」


「…クズが」



つい、昔の様に声を出してしまった。

思わず殺気も滲ませてしまい、寝ていた赤ん坊が大声で泣きだす。



「ちょ、いきなり何よグラッデン!あー、もううるさいわね!静かにしろよガキがぁ!」


「お前は、自分が何をしたのかわかってるのか…?」



こいつが言った娘たちは、とある貴族の地下牢で物言わぬ肉塊となっていた娘の事だろう。

そうか、こいつが…あの娘達を…!


「な、何よ怖い顔して!だってドキュンが大丈夫って言ってたし!慈善事業だって」


「カーラ=ガーラ、お前を重要参考人として王都へ連行する」



ユヅキと和解した事で、俺はいつかカーラとも和解できると信じてた。

けど、コレは…ダメだ。

まずは、自分のやった事を教えないと…!



「はっ!あんた何様よ!負け犬のくせに強がっちゃって、無様ね」


「俺はドラッケン帝国の第七皇女直属特務隊に所属してる。今回の件に限って、そう言う権限を持ってるよ」


「…は?え、え?帝国の…?あの、ドラゴンも跨いで逃げるって言う!?ちょ、待って!」



俺は泣き続ける赤ん坊を腕に収め、ヴァリアリを呼ぶために玄関を開けた。

俺を見る為か、ヴァリアリを見る為か、村中の人間が居るのかってくらい、人だかりができている。



「あぁ、ニムバス。お主の不名誉は妾が晴らしてやったぞ。ふむ、その子がお主の隠し子か」


「茶化すなよ、あと、有難う。後ろの女性は重要参考人だ、王都へ連れて行く」


「であれば、まずは墓参りを済ませよう。…その女を連れてな」


カーラも?

俺は首を傾げるが、ヴァリアリが言うには何かあるんだろう。

カーラが更に慌て始めた。



「ね、ねぇグラッデン、すこし時間をくれれば出てくから!そ、それか一緒に、住む?住んじゃう?」



嫌な予感がした。

俺は赤ん坊をリンジンへと預け、カーラを引き摺り両親の墓場へ向かう。


そこには、掘り返された荒れ地が広がっていた。

父さんの形見である、装飾が施されたナイフ。

母さんの、瑪瑙の腕輪。

…どちらも、無くなっている。

ただ、墓石前に献花してあるのが救いか。



「村の者から聞いた。慰謝料、だそうだ。そこの女がここを掘り返し、村を訪れた商人に売ったらしい」


村の皆は咎めなかったんだろうか?

…いや、無理だったんだな。

咎める必要無しな程俺を極悪非道に仕立て上げたのか、こいつがお貴族様を匂わせたのか…。

でも、両親の為に花を置いてくれる人が居るだけ、良かった。



「… … …なんで、お前はこうなったんだろうな、カーラ」




ユヅキは、自分がした事を後悔し、謝罪し、俺の事を許してくれた。

だが、カーラは…どうして…!

別に、あの時の事へ謝罪して欲しいなどは無かった。

ただ、話が出来ればよかったのに…どうしてこうも、自分の事しか!



「い、いいじゃない!死んでる人間には勿体無いわよ!あんたの両親も私に使って貰って喜」

「黙れよ」

「っひぃ!?」



…あぁ、久々の感情だ。

当時はこの位、こいつ等を殺したいと願っていたな。



「ニムバス」


「解ってる、すまない」



だけど、今の俺には仲間が、ユヅキが、ヴァリアリがいる。

彼女達と同じ時間を進むと決め…ん?



「こんな時に。ヴァリアリ、ラプターウルフだ!数32…いや、33!一匹だけ大きいぞ」


「はっはっは、多いな!妾は村の者を守ればよいか?」


「あぁ、任せた!」



約、500メートル。

銀色の毛を光らせるラプターウルフの群れが、こちらへと疾走している。


カーラをヴァリアリに預け、俺は魔導袋から弓矢を取り出した。

まずは矢の先に匂い袋を付け、遠く目掛けて…射る。


数秒後、ラプターウルフの眼前で紫色の煙幕が巻き上がり、敵の動きが鈍った。

後はただ、狩るだけ。

2匹ほど通してしまったが、ヴァリアリが何とかしているだろう。



(ラプターウルフの肉と素材は、お詫びとして村に譲るか)



そう考えながら村へ戻ると、広場は騒然としていた。

半狂乱で口を動かすカーラと、泣きじゃくる赤ん坊。

ラプターウルフの死骸が1…、離れた所にもう一匹か。



「お疲れ、ニムバス」


「有難う、2匹逃がしたが問題なかったか?」


「大ありだったよ」


俺の言葉に、ヴァリアリが珍しく嫌悪感を露わにした。



「そこの女がどさくさに紛れて逃げようとしてな、ラプターウルフを誘ってしまった」


かたまっている獲物より、はぐれた獲物…そりゃ、そっちに行くか。


「…で、自分の赤子を投げつけて、囮にしようとした」


…もう今更驚かない自信はあったのにな。

俺はカーラを見たが、自分でも驚くほど冷めたモノになっている。

神殿で…クレリックとして、命の尊さを学んだはずだろうに。

もう、和解どころではなく、カーラと解り合おうとする気持ちは無くなっていた。


「何よ!私の子供なんだからどう使おうと勝手じゃない!別に私は欲しくなかったし!ドキュンがどうしても生んでくれって言うから!」


「俺があの時逃げなければ、変わらなかったのかな、…とりあえず、戻るか」


「あぁ、サイドカーの用意をしてくる。…ニムバス、お前が責任を感じる必要はない。ただ、あの女が選択を間違えただけだ」



俺は村人たちに事情を説明し、村を発つ。


あぁ、疲れた。


なぁ、カーラ、お前気付いてるか?

お前、一度も、誰にも謝ってないんだぞ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 顔の形変わるまで殴らな
[気になる点] この状況で「お主の隠し子か」は笑えないは馬鹿にしすぎている。
[一言] 最低最悪レベルで現在、処刑実行中の凶悪犯罪者と 無実の人間を平気で貶め窃盗するゴミクズ 犯罪者との間に出来た子ですね 子供の将来は凶悪犯罪者ですね 遺伝子が両方とも最悪すぎる 孤児院かなん…
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