12、チームワークが無いなら、作ればいいじゃない
間空きましたが、今後ともゆるりとお付き合いくださいませ
お茶のカップを手に持ちながら、私はレン様の隣に、サッと腰を下ろした。
身体同士は決して触れていないけれども、何となく体温というか気配というかレン様の良い香りがスーハースーハー出来る、絶妙な位置に腰を下ろした。
小声で話しても会話出来る、実に効率の良い位置である。他意はない。
私が座っても、レン様もサッと私と距離を置き直すのに離れていない。
きっとオッケー範囲である。むふ。
ジッとレン様と他二人(例にもれず扱い雑)の会話に耳を傾けていると、先程のレン様の無茶な戦闘(聖女が敵に真っ向から突っ込んで行く)にも、理由があったのだと分かった。
3名で魔物と戦うのはコレが初。
戦い方もお互いの力量も、さっぱりわからないままの手探り状態。
王家からのサポートもあるわけではない。
そもそも未経験の学園生に、魔王討伐に行かせる事が無茶な話なのだ。
「俺らが仮に失敗しても、王家には影響ないからな。」
そう言うと筋骨隆々魔導師であるヴァンは、ゾッとする内容を、何でもない世間話のように、穏やかに言った。
「お互いに僕ら、名家の出ではあるけれど、後継ぎでもないし仮に死んでも、家に影響無いしね。」
やんごとなき雅な和風イケメン剣士リューイも、淡々と、美しく穏やかに、そう言った。
私はレン様を見た。
レン様は、「ニホン」時代に美術の授業で見たような、聖母像のような表情で二人の会話を聞いていた。
私は心が一瞬グシャッとなりかけたが、それでもレン様含め、他二人の表情は、
「だから死んだって、もうどーでもいいや。」
にはなっていない事に、ちゃんと気付く事が出来た。
大丈夫だ、この人達はきっと生き残れる。
根拠は無い。
完全に直感だ。
それでもこの人達はきっと死なない。
絶対に。
「相手の能力を測る『リサーチ』を、強化する必要があるわね。」
レン様が徐にそう言った。
「俺の魔法では、敵の属性探るくらいなんだよなぁ。」
筋骨隆々魔導師ヴァンは、そう言うと頭を掻いた。
私はチラッと、やんごとなき雅な和風イケメン剣士リューイを見た。
「リューイ、レン様の顔の怪我に塗ったその薬は、市販のものでは無いですよね?」
やんごとなき雅な和風イケメン剣士リューイは、懐から超和風な薬入れを出すと、それを手で弄ぶようにして私の問いに答えた。
「古くからある我が家秘伝の、治癒を促す塗り薬だよ。秘伝だから配合は秘密だけど、複数の薬草を組み合わせてある。」
「、、、組み合わせ。複数のものを組み合わせ、、、。」
私は瞬間、閃いた。
「私、私のカメラと、ヴァンの敵の属性探る魔法を、組み合わせてみませんか?」
レン様は、他二人と顔を見合わせ、そして私をジッと見つめると、美しく頷いた。
「やってみる価値はあるわね。」
「同意。」
「同じく。」
私は唇を噛みしめて、それから三人を準備に見つめ、こう言った。
「こう言うのを、効率の良い連携プレイって言います!」
「れんけい」
「ぷれい」
「初めて聞くわね。」
「やって行きましょう。やってやりましょう。連携プレイ!」
私はそう言うと、立ち上がり、たいして無い腕力の腕で
改良なら任せてよ!
私は「ニホン」人全開で、それに打ち込んでいった。
「チームワーク」が無いなら、作ればいいんだ。
私は心から、そう実感していた。
最初からポンとあるんじゃない。作るんだ。
私は私に出来ることを、全力でやるんだ。
そう心に誓った。
お読みいただき、ありがとうございます。




