45 勇気とは
窓を開けると朝日が差し込んでくる。新しい朝が来た、、、
トランクス一枚で腰に手を当て、外を見る。新鮮な冷たい風が部屋に入ってきて心地よい。
「ん〜、、」
毛皮にくるまりながら冷気から守るように体を丸くする雫に目をやる。
シズク タナカ
レベル32
職業:空拳の勇者
HP:465/465
MP:158/158
うん、昨日の夜起きたことは夢ではありませんでした、、
「おはようございます、陛下、お水をどうぞ」
メイド長のモニカさんが水差しとコップ2つを乗せたお盆を持って部屋に入ってきた。
俺はいそいそとトランクスの上から腰ミノをつける。
「おはよう、モニカさん。早いね、ちゃんと休んでる?」
「はい、御心づかい、ありがとうございます。交代で休んでいますので大丈夫です」
「モニカさん、ちょっと教えてほしい事があるんだけど、、」
「はい、陛下、何でしょう?」
「ちょっと、こっちで、、、」
雫が起きないように静かに廊下へ出て部屋の扉をそっと閉める。
「この世界の結婚についてだけど、、」
「まあ! ついにシズクと!」
「シー、声が大きいって、そうじゃなくって、モニカさん鑑定使えるよね。この世界って結婚すると名前変わったりするの?」
「す、すみません、陛下。名前が変わるのは、苗字を持った貴族の場合になります。私ども平民は苗字などありませんので」
「そっか、、でステータスの名前が変わるタイミングだけど、、」
「はい、一般的には、教会などへ行き、神職を通じて神様の前で互いに夫婦を認め合う宣言をすることによって変わります」
神職、、、
あ、、俺、四神神社の神職か?
雫を嫁と認める宣言で、、
「タロウ陛下」
うわっ、モニカさんが急に顔を近づけて話しかけてきた。
「は、はい、何でしょう、モニカさん」
「タロウ陛下はシズクの事をどう思っていますか?」
「いや、そりゃ可愛いし、しっかり者だし、いい子だし、、俺なんかにゃ勿体無くって、、」
「ちゃんと伝えてあげてください。あの子は、陛下のお言葉を待ってるんです。いじらしくって見ているこちらが切なくなるぐらいです」
「……わかったよ、モニカさん、ありがとう」
そうだよな、、
ちゃんと、伝えなきゃ、、
◇◆◇◆◇
「わあ、いつ来てもすごい景色、、」
朝食後、俺は雫を誘って城のてっぺんの展望台に来ていた。見張りの子達にはちょっと外してもらっている。
やばい、震えてきた、、
今まであったどんなことよりも、、
怖い、、
勇気を出せ! 俺!
「雫、、」
「なあに? 太郎さん?」
「あのね、俺、、」
頑張れ、俺、ちゃんと言うんだ!
「俺、雫の事が好きだ」
「……はい、私も好きです!」
震える足で雫へと一歩進みでる。
「俺、、雫の事を愛してる」
「はい、私もです! 太郎さん」
震える両手を広げると、ポロポロと涙を流した雫が一歩前に出て来る。
「俺と、、一緒に生きて欲しい。結婚してくれ、雫」
「はい、はい、太郎さん」
想いを伝え切った俺は、そっと雫を抱きしめた。雫は泣きじゃくりながら俺に体を預けてくる。
手の震えは、、いつのまにか止まっていた。
ああ、
この時間が永遠に続けばいい、、、
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