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33 シズクの行方

 

「おまえらぁああ"あ"あ"!!」

 柳田 由美は王城の南門で激怒していた。


「ま、まて、落ち着け、柳田!」

「落ち着けだって?! 何言ってんの神田ぁ!

 こいつら、雫を犠牲にして逃げて来たって言ってんのよ!!」


「だからって、お前が本気でぶん殴ったら死ぬって!」

「知るか! この外道ども全員ぶっ殺してやる!! もちろん雫たちを囮にしたそこの第3王女も!!」



 第3王女、ウルミは『緊急撤退』発動後、宵闇の中を命からがら王城へと逃げ帰って来た。そこに、避難民を救って帰還して来た柳田達と鉢合わせたのだ。ウルミの一行にメイド達がいないことを不審に思った柳田が騎士を問い詰めたところ、悪びれもせずにウルミを守るためにメイド達を犠牲にしたことを語ったのだ!



 騎士達を全員馬上から叩き落としたあと、撲殺系魔法少女、由美の全身から必殺の闘気が立ち上る!!


 常人をはるかに超える殺気を当てられ、第3王女ウルミは装甲馬車の中でガタガタ震えていた。

 由美より立ち上がる闘気は大気を震わし、王城の石と鉄でできた巨大な門ですら振動により共鳴し、悲鳴のような音を上げていた。

 殺気に当てられ、衛兵たちは目の前での王女殺害宣言にも動くことが出来ない。



「お、、お待ちください! ユミ様!!」

 城の中から第1王女アリシアが飛び出してきた。


「あ”?」

 闘気で金色に光る瞳でアリシアを睨む由美


「邪魔すんなら、あんたもぶっ殺すよ、、」

「い、いえ、邪魔する気はありません!」


「そうかい、、、」

 そう言って第3王女の馬車へとツカツカと足を進める由美


「それよりも、救助隊の方が先ではないでしょうか?! ユミ様!」

「救助隊? 数十頭の魔獣の前に武器もなく放り出されたメイドたちが生きてられんの!」


「私は皆様を召喚いたしました! 亡くなられた方がいたら、、わかるはずです!」

「「「!!」」」


「アリシア、本当かそれは!」

「はいシュンさま、シズク ハルノはおそらく生きております、場所などを詳しく調べるためには国宝の魔石を使った特殊な探索が必要ですが、、」


「すぐに探索とやらはできるの?」

 少し落ち着いた由美が聞く。

「は、はいこの場で、、必要な地図と魔石も持ってきました」

「じゃあお願い、すぐに助けに行くから」


 魔石を握り、一心に祈りをささげるアリシア、

 アリシアの手の中で、パキン、と乾いた音を立てて魔石が砕ける。

[シズク ハルノ、の反応、南から右回りで探索、、、、、、

 いた! 南南西18キロメルタ!!]


「南南西、18キロメルタに居ます! 地図を!!」

「襲われた街道からはずいぶん離れていますねぇ、、森の中のようですよ、、」

「いや、まて尾崎君、ここはあの白い遺跡がある場所じゃないのか? 王都からも見えている冒険者ギルドの精鋭が撃退された城の様な遺跡だよ」

「神田君、、確かにそうですねぇ、、でも僕らも行ったことのない遺跡にずっと城から出たこともない春野さんたちが一体どうやって、、それも魔獣たちが闊歩する森の中を迷わずに、、」

 ハッと顔を見合わせる二人


「アリシア、、頼みがある」

「はい、シュンさま」

「タロウ タナカの位置を探索してくれ」

「え?」

「俺たちの考えが正しければ、、、彼はここにいる!」

 そう言って地図上、王都エオリアの南南西18キロメルタを指さす。


 新しい魔石を取り出して握り、祈りをささげるアリシア

[タロウ タナカ、の反応、南南西、

 いた! シズク ハルノと同じ場所に!!]


「いました!! タロウ タナカとシズク ハルノは同じ場所に居ます!!

 巨大な建造物の中心、二人は1メルタと離れていません!!」


「ぷっ、、、1メルタ以内って、」

「ククク、、、」

「ふ、、あーーはっはっは!!」


「え? み、みなさん?」

「大丈夫だアリシア、春野は白亜のお城の王子様に救われたみたいだ」

「ククク、そうでしたか、危険な森の中に突如現れた難攻不落の遺跡は、田中君の城でしたかぁ、さすがガテン系ヒーローです」

「なんだ、雫っち、タロちゃんと仲良くやってんじゃん、いいなぁ」




「よし! 尾崎君、俺たちはスタンピードから王都を防衛するための準備に取り掛かろうか」

「了解です、クラスメート達にも春野さんの無事を伝えなきゃいけませんしねぇ」

「そうね、敵の数は数万から数十万、対してこちらは勇者26名と騎士1000名に兵力5000、守るべき王都民および避難民は4万5千、さて頑張りますかぁ!」


「ところで、、勇者ユミに任務をお願いしたいんだが」

「なあに? 勇者シュン」

「明朝、もっとも機動力のある君に、南南西にある城へ共闘の申し出と、食料などの支援物資を運んでもらいたい」

「!!」

「かなり強い城らしいが、もし彼らも籠城戦になったら兵糧攻めだけはどうしようもないだろう」

「わかった、アイテムバッグ借りてくよ、携帯食を詰め込んで行くわ」

「リンゴの様に水分のあるものもいいんじゃないんですかねぇ」

「わかったよ、勇者タク 他の果物もいくつか入れてくよ」

「勇者タク! 初めて呼ばれましたねぇ」

「悪くないでしょ?」

「悪くないですねぇ、ありがとうございます、勇者ユミ」




 神田たちが去った後、アリシアは第3王女ウルミの馬車に歩み寄って声を掛けた。

「ウルミ、、」

「ア、アリシアねえさま、、ありがとうございました、、」

「今回のスタンピードが終わったら、、貴女は軍法会議にかけられます」

「お姉さま!!」

「援軍を頼みに行くのは軍事行動です、その中で貴女は指揮官として民間人を囮にする作戦を立てました。

 衛兵!!

 ウルミとその側近達を捕縛し地下牢へ!!」

「「「ハハッ!!」」」



「……バカな妹、、でも、、私もバカか、

 タロウ タナカに謝る機会があればいいのだけど、、」


お読みいただきありがとうございます。

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よろしければこちらもどぞ  すっぴん召喚のヤマナさん
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