24 太郎の決断
あの後、犬獣人と猫獣人、エルフとドワーフの4つの村の人たちは、2日をかけて俺の城までやってきた。今まで犬の人という事で犬人と自分の中で読んでいたが、この世界では犬獣人と呼ぶらしい。
そして各種族ごとに城壁内に町を作ることになった。ただし、猫獣人達はまだ幼いもの達が多いため、犬獣人達と一緒に暮らすことになった。
まずは現在唯一開いている南門の周りにみんなの家を建てた。これは、俺の居城の近くは恐れ多いということと、南門の近くであれば、城外への出入りも便利で侵入者に対応しやすいとのことらしい。
あれからひと月ほどたった、城の最上階の展望台で、
「どうだ、シウバ、ターニャ、異常は無いか?」
「タロウ兄さん、360度、異常なしです!」「いじょーなし!」
タシッと可愛らしい手で敬礼をする兄妹達
「あと、ガルドワンさん達が無事帰還したようです」
「おお、そうか、ありがとう。この子達にも見張りの任務を教えてやってくれ、ああ、これ差し入れの果物だ、みんなで食べろよ」
「「ありがとー!」」
そう言って猫獣人の子供達を紹介する。
「交代で見張りの任務を頼んだぞ」
「「「「はいっ!!」」」」
城を出たところで、帰還したガルドワンたちと出会った。
「おう! タロウ! 今日はこんなに食べ物が採れたぞ!!」
ガルドワンが連れていた一行に視線を移すと、女達はカゴの中の山菜やキノコ、芋を、男達は担いだ棒に吊るした魔獣数頭を嬉しそうに見せてきた。
「おお! すごいな! ミーシャ、それは魚か?」
「うん、ガルドワンさんたちが守ってくれるから、魚も芋も、安心して沢山採れたにゃん! 今日は久しぶりにお魚が食べれるにゃん!」
「そうか、よかったな、ガルドワン達もお疲れ」
「へへ、タロウのお陰で俺たちもレベルが上がったからな、そこいらの魔獣にゃ負けねえよ、武器や防具もいいもんつけてるしな」
ガルドワン達がつけている剣や鎧は、冒険者達から鹵獲したものを、ドワーフ達に仕立てなおしてもらったものだ。
夜、居城の2階にある自分の部屋でラワ草を編んだむしろの上に座り、一人考える、、
奴隷狩りの冒険者との戦闘では、俺のレベルは上がらなかった。やっぱり相手とのレベル差があると、経験値は入りにくいようだ。逆にガルドワンたち犬獣人の戦士たちは一気に5つもレベルが上がったって喜んでいたが、それだけアイツらが苦戦していたってことだろう。で、、今の自分鑑定した結果がこれ。
タロウ タナカ
レベル84
職業:ガテン系
HP:11512/11512
MP:2623/2623
攻撃:SS
防御:SS
魔力:A
素早さ:SS
ユニーク武器:スコップ(熟練度S)
スキル:鑑定A 弓術G ネコA 土魔法A 木魔法C
安全第一A(安全帽 安全帯 安全靴)
[ ]
加護:玄武
スキルでガチガチになっていて、ただでさえ減りにくくなっているHP、これが1万以上も削られることはあるのだろうか?
玄武様の加護も付いているし。
そういえば『バーミリオンレイ』だけはHPが減ったな、確か3だけ減ったはずだ。てことはあれを4000発食らえば、もしくはそれに匹敵する一撃を食らえば、俺でも倒れるということか、、
そして空きスロット、、レベル40で安全第一を取る時からずっと考えていたスキルが一つあった、
正直、、こんなスキルを取ってもいいものかと非常に迷っている、使い方も間違っているんじゃないかと考えている。
この世界に合わせてなのか、『ネコ』も『安全第一』もかなり誇大に解釈されたスキルとなったが、、このスキルはさらにロクな事にならないと思う。
でも、、俺には守るべき人たちが増えた。今日見たみんなのあの笑顔を曇らせるようなことはしたくないし、それをする奴は絶対に許すつもりはない。みんなを守るためには俺の力を超えるような相手でも戦わなきゃいけない、そして絶対に勝たなきゃいけない!
……何度も迷い、考えたのちに決断する。空きスロット、選択、、、
[スキルスロット、職業固有のスキルを取得し登録することが出来る スキルを取得しますか? はい/いいえ]
[はい]
[選択できるスキルが有りません。スキルを作りますか? はい/いいえ]
[はい]
[あなたの職業にあったスキルを作成します。スキル名とスキルを思い浮かべてください]
『ハツリ』
[スキル名、『ハツリ』を登録しました。次に機能を思い浮かべてください]
……
[スキル、『ハツリ』の機能を登録しました、登録が完了しました]
[スキル:ハツリ 消費MP500 制限時間60秒 あらゆる物を破砕する人間削岩機となる その拳は巨大な岩山を粉々に砕き、その脚は大地の岩盤をも穿つ]
お読みいただき、ありがとうございます。




