22 村人奪還作戦、その2
「おい、双剣のリャントウ達が帰ってこないぞ」「なんだと? あそこには追加の人員も投入したはずだ、そんなに手こずっているのか?」
夕暮れ時、5台の馬車の横で冒険者たちが話し込んでいた。
「いや、犬獣人たちの集団だ。ランクBのリャントウが負けるとは思えんが、、強力な魔獣でも出たか?」
「いずれにしてももう日が暮れる。犬獣人たちのところ以外へ向かった連中は全員帰ってきた。野営の準備だ。明日の朝までに帰ってこなければリャントウたちを置いてサウザーラへ帰還する」
「「「了解!!」」」
街道脇の草原で、冒険者たちは馬車とその外に繋いだ人たちを囲むように6箇所で焚き火をして警戒していた。
最後にシメた、分厚い鎧と盾の戦士がこの集団のリーダーかな?
さて、どうやって攻めようか。その前に、、少し黒っぽい土を探して水にとき、顔と胴体に塗っておく、ガテンやってると、腕は日にやけるけど、胴と足は白いままだからな。下半身は腰ミノあるからバッチリですよ。
さて、、日も沈んだし、行きますか、、
冒険者たちは夕食の準備で鍋を見ながらガヤガヤ話している。そんな中、草に隠れながらソロソロと近づいていく。
ん? なんか一人の冒険者が下卑た笑みを浮かべながらネコミミの少女を抱えて幌馬車の中に入っていった、ネコミミ少女はブンブン首を横に振ってイヤイヤをしているように見えるが、、これは許してはいかん!
高い素早さを生かして四つん這いでシャカシャカとヤモリのように馬車に近づき、スルリと中に入り込む!
冒険者は少女の服を脱がすのに夢中で俺に気がついてない、後ろから近づき素早く口の中に拳大の石を突っ込み、脇腹をぶん殴る! 口の中に突っ込まれた石で声を上げる事のできない冒険者を引き倒し、トドメのボデーブロー、よし、白目をむいて気絶した。
「きゃ、、、、」
おっと、、右手で少女の口を塞ぎながら、左手で、口の前に一本指を立てる。
「君たちを助けに来た、、ちょっと静かにしててね?」
無言で首を縦に降るネコミミ少女、
「いい子だ」
そう言って、ネコミミ少女の耳と頭を撫でてノビた冒険者を肩に担いで幌馬車を降りる。
あ、昼間の冒険者が手をワキワキさせながらターニャのお母さんに近づこうとしてる!
このヤロウ! そのまま冒険者の方へスタスタと歩いていく!
「なんだ、テメー!」
「あらぁ? タロウ様?」
前蹴りで冒険者をぶっ飛ばす!!
バゴ! ゴン、ガン、ゴロゴロ、、ガンッ!
あ、、先に腕折るの忘れてた、、冒険者は50mぐらい転がって木にぶつかり、止まって動かなくなった。それにしてもお母さん、結構余裕ありますね?
そして、肩に担いでいた、ネコミミ少女を襲った冒険者を、リーダーっぽい鎧の戦士に向かってぶん投げる!!
「武技、シールドバッシュ!!」
バガン! バサァッ! ゴロゴロ、、
盾に弾かれた冒険者は、焚き火に突っ込んで火のついた薪を散らかしながら転がり、動かなくなった。いや、仲間なら優しく受け止めてやれよ、、今ので死んだんじゃないのか? そいつ?
範囲内に冒険者がいないことを確認してターニャのお母さんを中心に『安全帽』発動!!
よし! さらわれた人たちの安全は確保した!
焚き火の炎が周りの枯れ草に燃え広がり、黒い土で隈取をした俺の姿を闇夜に浮かび上がらせた。
「……お前、何者だ、、」
「ここから北にある、白い館のあるじ、とでも言えばいいか? 友人達を取り返しに来た」
もう隠さなくてもいいや、この外道ども、全面的にぶっ潰す!!!
「!! あの突如現れた白い城のか!!」
急に構えを固め始める鎧の戦士、20数名の冒険者達が俺を囲むように半円状に陣形を組む!
「サウザーラの冒険者は俺に喧嘩売ったって事でいいんだな?」
「くっ、、殺れ!!」
「武技、ファルコンアロー!」「ファイアボール!」「アイスジャベリン!」「ロックバレット!」
ピュピュン! ゴゥッ! ズドドド!
矢と火球、氷柱に岩石が襲い来る!
「でやぁぁあああ! 武技、ベアースラッシュ!」「うおぉぉぉお! 武技、爆砕槌!」
ガガギギギン! ゴゴン、ガガ!
遅れて戦士達の剣、槍、ハンマーが襲い来る!!
攻撃による水蒸気や土煙が止み、、
だが無傷!!
もちろん『安全靴』は発動済みである。
「く、、化け物め、、」「この高い防御力、、あれか? あの腰ミノなのか?」「で、伝説級の腰ミノ、、」
……腰ミノに防御力はありません。
「こんなもんか? この程度の奴らが俺の友達に手ェ出したのか?」
ドガゴガガ!!
一瞬で前に出ていた冒険者達10名あまりを殴り飛ばす!
「で? どうしたの? 部下にだけ突っ込ませて、お前はかかってこないの?」
鎧の戦士に向き直って問いかける。
「う、、うわあああ! 武技、チャージドランス!」
光る槍で突いて来たのでひょいと避け、掴んで握り潰す!
「武技、シールドバッシュ!」
ガィィイイン!
左手で盾による体当たりを止める。そして力づくで盾をもぎ取る。
「で? もうないの?」
「ひぃ! ぐ、、ぎゃあ!!」
貫手を鎧の隙間に差し込む。ありゃ、肋骨が折れたかな?
ボギン、ゴキ、ゴキン!
鎧が壊れないよう、慎重に関節部分を折り曲げていく。
「あが、が、、ひゃ、」
数秒後、そこには人体ではあり得ない角度に手足の関節が曲がった鎧が転がっていた。
「さて、こいつらどうしようかね?」
「ひ、ひぃぃいい!」
一人の弓使いが弓を放り出して逃げ出した、がすぐに正面に回り込む。素早さSSの俺から逃げられるわけないでしょ? 走る弓使いの真正面からラリアットをかますと、逆上がりをするように空中で一回転して、、いやグルングルンと伸身で三回転ほどしてドサッと落ちて動かなくなる。
「バーミリオンレイ!!」
魔法使いが杖を前に出し、赤い魔法陣を展開すると、その中心から朱色の真っ直ぐな光線が飛び出して来た!
アチっ! 右肩に当たったけど熱かったぞ! 思わず左手を出して防ぐと、左手の手のひらから六角形の光るタイルが数枚現れて俺の前で光線を受け止める! 光線は光のタイルを避けるように6本の光になって曲げられ、周囲に着弾した。玄武様の加護かな? この光のタイルは、
「そ、そんな、、俺の『バーミリオンレイ』は水竜の鱗も貫いたことがあるんだぞ!!」
「知らねーよ」
「ひっ、」
バグン!
一瞬で魔法使いの前に移動して、顔面をぶん殴る、もちろん手加減付きで。うん、取り敢えず歯をあらかた折っておけば魔法も唱えられんだろう。
「こ、降参する」
そう言って武器を捨て、両手を上げる冒険者達
「降参しても僕はあなた達の安全を保証しないよ? 君らを裁くのは彼らだから、それでもよければ、武器を全て捨ててここに座って。逃げようとしたり、立ち上がったら、、容赦しないから」
「了解した、、、」
村人達を助けられたのは良いんだが、、犬人意外にも猫人とかやたら美形な細身の人たちとか、背の小さくて太めの人たちとか、、総勢50名あまりの人たち、どうしよう?




