17 白亜の城
築城10日目(サバイバル14日目)
築城も10日目、
南、東、西側の城壁は完成した。
北側は、、遠くから見える部分は手を付けず、空堀や門など、低くて見えにくい部分だけを完成させてある。
今日は昼間ぐっすり寝て体力は万全、日も暮れた!
マイスコップも淡く光を放ちやる気十分!
よし! 一気にやるぞ!
ザッ、ズン! ザッズン! ザッ、、、、
城壁となるところに土を積む、
スコップで掬った大型トラックの様な大きさの土がどんどん積まれていく
シャーーー、シャーーー、、
『安全帯』の能力で空中に停止しながら、積んだ土の壁面をスコップの背で均し、コンクリート化していく。壁面作業で足場いらないって、超便利!
ポイッ、ペタッ、シャーーー
城壁のデコボコな所に、粘土の高い土を張り付け、表面を均す
よし、、一辺200mの城壁の形が完成した。仕上げに、、
シャーーー、シャーーー―
空中を歩きながら漆喰を塗るイメージで城壁の表面をスコップでなぞっていくと、、表面が真っ白に変化していく。
次に城壁内へと入り、残っていた丘の部分の城壁より高いところを削って一辺50mの建物の様な形に見せかける。削った土は更に積むと、高さ20mほどになった。
ここまで作ったところで、東の空が白み始めてくる。
幅30m、深さ5mの空堀に囲まれた、200m四方、高さ30mの城壁、
そしてその内側のさらに高いところに作られた白い構造物。
遠くから見ると、二段構えの白い大きな建物があるように見えるだろう。
ここはエオリア王都より高いところにあるから、城壁の内側は見えないはずだ。
俺みたいに空からくる奴は例外だが、、飛べる奴居るのかな?
さて、、仕上げだ、、
城門は見せかけの形しか作って無く開くことはできないので、北側の城壁から『安全帯』で空堀を飛び越え、目の前の森の前に降り立つ。
「木さんたち、、ごめんよ」
スコップを水平に構える、そして右から左へと一閃!
ズ、、、ゴゴゴゴゴゴ、、、、、
城壁前に立っていた数百本の大木が、根元から切られ一気に倒れた。
タロウ タナカ
レベル72
職業:ガテン系
HP:5359/5359
MP:1357/1357
攻撃:SS
防御:S
魔力:A
素早さ:SS
ユニーク武器:スコップ(熟練度S)
スキル:鑑定A 弓術G ネコA 土魔法A 木魔法C
安全第一B(安全帽 安全帯 安全靴)
◇◆◇◆◇
「陛下! 大変です!!」
「何事じゃ、、朝から騒々しい、、」
エオリア国王、オーリ8世は、寝所に駆け込んできた宰相に寝ぼけまなこで対応していた。
「み、南の!! 南側の窓をご覧ください!」
「なんじゃというのじゃ、まったく、、」
寝巻の上から白いファーのついた真っ赤なコートを羽織り、窓を開くオーリ8世、
朝日がキラキラとまぶしい、
まぶしさに目が慣れてきたころ、、
「んが! なんじゃあの白く輝く馬鹿でかい建物はぁ!」
その目には、遥か遠く山と空との境目、その場所に突如現れた、朝日を浴びて真っ白に輝く城が映っていた。
その日、王都エオリアは朝から蜂の巣をつついたような騒ぎになっていた。白く輝く城は、王都よりも高地にあるため、いろんなところから見ることが出来たからだ。
王都にある冒険者ギルドでも、白い城の話題で持ちきりだった。
「おい、聞いたか、あの城のために調査隊が組まれるらしいぞ」
「だがあそこは、ランクBのモヒカンベアの縄張りだって話だろ? 他にもランクBが、うようよいる別名『魔獣の森』だぞ」
「ああ、だからこの国で最高ランクのBランク冒険者を中心に、Cランク冒険者を加えてパーティが組まれるそうだ。王城からの依頼らしい」
「かぁー、王城からの依頼って言えば報酬がいいらしいが、俺はパスだな。命が惜しいわ」
「いやいや、おまえEランクだからそもそもこの依頼受けられないだろ? 荷物持ちでもD以上らしいぜ」
「それは言わぬがハナちゃんってやつだぜ。おっ、噂をすればBランク英雄様のお通りだ」
その男が入って来た途端、ギルドにいた全ての冒険者の視線がそちらに注がれた。
「ギルマス、あの城の調査指示が王城より出たって?」
「ああ、ソリアン、ここから見るとズダ豆ほどの大きさにしか見えんが、距離を考えるとそうとうでかい城だ。動き出した古代の遺跡と言う話もある、」
「いいねぇ、城自体がアーティファクトか、、中身は、、期待できそうだな!」
「ああ、よっぽど危険なものでない限り、見つけた奴の手柄だからな、しっかり稼いで来い!」
「はっは、この『黒槍のソリアン』にまかせな! 稼ぎたい奴はついてこい! 出発は明日早朝だ!!」
「「「「おおーー!!」」」」
こうして冒険者たちを筆頭に、一獲千金を狙う者たちが、突如現れた城を目指して続々と王都エオリアを出発していった。
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