転生の魔女ベルリエナ

　ありふれた事故で死んだその娘は転生し、常人では持ち得ない力を得た＿＿ただし、忌むべき『異形の魔女』として。
　
　人を癒し、守る力を得た彼女が処刑台に追いやられた事に、大した理由はない。
　
　ただ産み落とされた場所が、様々な人の思惑から成り立つ『本物』の世界であったというだけの話だった。

　＿＿これは、身に余る力を得てしまった一人の転生者が、己の生かされている意味を掴み取る為に足掻く……『とある帝国』の歴史に刻まれた事件の裏に隠された、小さな冒険譚である。