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〜リーゼロッテさんはひきこもりたい! Reboot(異世界で優雅なスローライフを目指すのです!)〜  作者: 柚亜紫翼
番外編2 いだいなじょうおうさま(Side-95)

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EX2-01 - ついとうしき -

EX2-01 - ついとうしき -



こんにちは、リーゼロッテ・シェルダン95歳です。


ここは王城にある謁見の間、奥の広間が開放されてこの国の主要な貴族家当主が集まっています。


今日は先代の女王陛下、この国初の女王だったリィンフェルド・フェリス・ローゼリア 第32代ローゼリア王国国王の追悼式が開かれるのです。


彼女が亡くなって200日目のこの日から2日間、国全体が休日となり今日は追悼式典がお城で行われています。


私は、第33代国王陛下・・・リィンちゃんの息子である現国王が開催の宣言をしている姿を魔法騎士団の制服を着てチベットスナギツネのような表情で見ていました。


本当は来たくなかったのですが名誉近衛騎士団員として騎士団に所属している事もあり、95歳のいい歳をして子供みたいに泣いて嫌がる事もできず仕方なくこの場に居るのです。


リィンちゃんは200日前、眠るように息を引き取ったそうです、「そうです」というのは亡くなったのを知らされたのが2日後だったのです。


知らされたというのも正確ではないです、国から国民に発表という形で新聞に掲載されているのを見て初めて知ったのです。


リィンちゃんは以前から身体の具合が悪く、転移して会いに来るのは遠慮してくれと言われていた事もあってしばらくお見舞いに行っていませんでした。


「何で?、私聞いてない!」


「王族の人達も私が親友だって知ってる筈なのに!」


急いで王城に駆けつけたのですが女王崩御の非常事態なのでと言われ中に入れて貰えませんでした。


騎士団員としてなら・・・と思い、騎士団本部にも顔を出したのに「上からの命令で」と繰り返すばかりでどうしてもリィンちゃんの遺体に会わせて貰う事ができません・・・。


この時点で私の王国への不信感は頂点に達したのです。




リィンちゃんのお葬儀の後もうすぐ王に即位する王太子殿下呼ばれました、謁見の間の大臣や高官達が大勢いる前で、知らせなかったのは母・・・リィンちゃんの希望だと聞かされたのです。


そして私に向かって名誉騎士団員ではなく近衛魔法騎士として自分に仕えろ、逆らう事は許さないと言われました!。



私はリィンちゃんだけの魔法騎士だったのに!。


その時の私の表情はとても恐ろしかったと思います、魔力も怒りでダダ漏れていたのです。


普通なら臣下が国王の命令を拒否する事は出来ないのですが私はリィンちゃんの父親・・・統一国王陛下から貰っていた「王命の拒否権」を行使して王城を後にしました。


後で聞いた話だと私が歩いた後は壁に亀裂が沢山入ってたそうです。



「あの子は何を考えているのでしょう・・・」


昔はよく遊んであげたしあんなに高圧的じゃなかったのに・・・そんな理不尽な国への怒りとリィンちゃんが亡くなった悲しみでお家に引き篭もりました。


5日くらい泣き続けたと思います。


それからしばらく経ってまた陛下から呼び出されました、正直面倒くさかったのですが再び拒否権を行使しても波風を立ててしまうと思った私はお城に行きました。



・・・


・・・


王族のプライベートなお部屋に通されると国王になりたてのカイゼル君、妻のエルフェン王妃様、それから2人の王子様とその子供達が並んで立っていました。


「せーのっ」


エルフェンちゃん・・・いえ、王妃様が小声で呟いた言葉はしっかり私に聞こえました!。


「「「リゼお姉さまごめんなさい!」」」


お部屋に入って立ち尽くす私と整列して深く頭を下げる王族一家・・・とてもシュールな光景なのです。


「えと・・・頭を上げて貰えるかな?」


「はいっ!」


私の言葉で全員頭を上げました、これでいいのか?、超大国の最高権力者・・・。


「座ってもいいです?」


立っているのは疲れるので座っていいか尋ねます。


「もっ・・・もちろんですリゼお姉様っ!」


私がソファに座ると王族一家も座ります、王妃様が手際よく美味しいお茶を淹れてくれました。


リィンちゃんが長く女王として君臨していたので息子のカイゼル君は髪に白いものが目立ち始めています、もちろん妻であるエルフェンちゃんも幼い頃の美貌はそのままで上品なマダムという佇まい・・・。


「お話というのは何かな?、カイゼル君専属の近衛騎士になれってお話をまた蒸し返すなら怒るよ」


「いえ・・・まずは誤解を解こうと思いまして」


「誤解?」


「母から弱っていく姿をリゼお姉様に見せたくないと頼まれていたのは本当です、亡くなってすぐお姉様に使いの者を出したのですが誰かに邪魔をされたようで・・・」


「・・・私だけ除け者にされたのかと思っていたのです」


「そんな事あるわけ無いですっ!、母の親友でいて下さった事は王家一同感謝しているのです」


なるほど・・・誰かが私と王家の関係に亀裂を入れようとしているのですね・・・。


「誰が邪魔したのか分かるのです?」


私の問いにカイゼル君は目を逸らしました。


「宰相をはじめその派閥の高官達です、強大な力を持っているリゼお姉様が国の為に貢献していたのは親友の女王陛下が居たからで、その鎖が切れたら国に牙を剥くのではないかと・・・」


「そんな事するわけ無いのです!」


「知っています、ですが化け物には鎖を付けろと宰相がうるさく・・・それなら近衛騎士として私の近くに置いておけば文句は出ないかな・・・と」


「・・・カイ様っ!、お姉様を化け物なんて失礼よ!」


だんっ!


「ぐっ!」


王妃のエルフェンちゃんが慌ててカイゼル君の足を踏みました、痛そうです。


「それは宰相が・・・(ぼそっ)」


「言い訳しないっ!(ひそっ)」


どうやらカイゼル君はエルフェンちゃんの尻に敷かれているようです。


「失礼しました・・・」


「私が化け物なのは事実だから別に気にしないのです・・・でも専属の近衛騎士になるのは面倒くさ・・・いや、忙しいのでお断りです」


思わず面倒臭いって言いそうになりましたぁ!。


「はい、近衛騎士の件は諦めます・・・実は昔からお姉様の事は可愛いと思っていまして、側に置いて抱きしめたり時々頭を撫でたりできるかな・・・と」


「そんな事まで言わなくていいのです!」


正直過ぎる王様もどうかと思うよカイゼル君・・・。


「それにリゼお姉様が王命の拒否権を持っているとは知らず、お姉様を激怒させてしまった事を報告したところお祖父様・・・統一国王陛下に叱られてしまいました・・・」


「リィンちゃん・・・うっかり伝え忘れてたのかな?、ちゃんと知らせておこうよ・・・」


「とにかく我々王家一同はリゼお姉様に害意は全くありませんのでっ!」


「分かったのです・・・余計な事をした宰相の件は任せていい?」


また目を逸らされました!、どうやら宰相は結構な権力を持っているようですね・・・。




宰相や高官の言いなりではないですか、この子・・・リィンちゃんに似てポンコツな上に昔から気が弱いし周りに流される性格でしたが、こんなのが王様でこれから大丈夫なのでしょうか?。


そわそわ・・・


カイゼル君が私をチラチラ見て落ち着きがありません、この子がこういう仕草をする時は・・・。


「もしかして私に何かお願いがあるのです?」


私の察しが良くて嬉しいのか表情が明るくなりました・・・こいつ!。


「実は今の宰相や一部の高官がリゼお姉様に対して悪意を持っているのです、なのでお姉様に逆らうと恐ろしいという事を彼らに見せつけてほしいのです、ちょうど200日後にお母様の追悼式典が・・・」


「王様なんだから宰相くらい自分でなんとかしようよ・・・」


フルフル・・・


私の言葉でカイゼル君が涙目になります・・・だから国王陛下がそんな頼りなくて大丈夫なのです?。


「分かったのです・・・リィンちゃんの追悼式典で何かすればいいのです?」


こくこく!


カイゼル君が激しく頷いています。


「追悼式典で恐ろしい魔法を派手に披露すれば宰相も少しは怖がると思うので・・・遠慮なくやっちゃってくださいリゼお姉様!」


あの涙目は演技でしたか・・・このクソガキ、知らない間にいい性格になりましたね・・・。








・・・


朝から続いていた追悼式典は日が暮れてからも続き、最後の最後、リィンちゃんの親友である私が彼女を追悼して大魔法を放つ時が来ました。


王族が新年の謁見をする王城に面した広場には沢山の王国国民が集まっています。


・・・緊張するのです!、あのクソガキ・・・じゃなかった国王陛下から頼まれたド派手な魔法陣は私が50日かかって作り上げた傑作なのです!。


私にとっても息子のようなカイゼル君から頼まれたとはいえ、リィンちゃんの魂を送る為に私は心を込めて細部に渡ってこだわり抜き、一切の妥協をしないで完成させたのです!。


天国に居るリィンちゃんに「今まで楽しかったよ、こんな私の親友でいてくれてありがとう」って伝えたいのです!。




魔導ラディーオから王国すべての国民に向けてこの様子が実況中継されています、実況はリィンちゃんが生前生放送番組をやっていた王城に作られたスタジオからの生配信です。


「それでは王国民の皆様、最後にリィンフェルド女王陛下の親友である白銀の大魔導師様による追悼魔法をご覧ください」


「リィンちゃん・・・」


私は魔法陣を構築します、急激に魔力無くなっていく感覚・・・これから誰もやった事がない規模の大魔法陣を起動させるのです!。


「ありがとう・・・さようなら」


私は魔法陣を起動しました、王国の紋章をモチーフにした美しい無数の魔法陣が夜空いっぱいに広がります。


私の設計が間違っていないのならこの白銀の魔法陣はローゼリア王国全土、そして遠く離れたギャラン・ローゼリア王国の領土全ての空を覆っている筈なのです。


泣かないように下唇を噛んでいたのですが・・・片方しか出ていない私の目から涙が一筋流れました。


魔法陣からサラサラと白く輝く光の粒が王国全土に降り注ぎ、辺りが真昼のように明るくなります。


これは前世で見た仕掛け花火、ナイアガラを真似て私がアレンジしたオリジナル魔法なのです、中には大聖女様の治癒魔法を真似た魔法陣が組み込まれています。


擦り傷の痛みが和らぎ肩こりや腰痛くらいなら楽になるでしょう・・・。


「ぐっ!・・・い・・・痛いのです!」


魔力切れが近いのか、私の身体の中で押さえつけていた呪いが暴れ始めました、身体の中を沢山の虫が這い回るような気持ち悪い感覚と激痛・・・。


これ以上は耐えられそうにないのでこの辺で終わりましょうか。


私は魔法騎士団の正装であるローブを纏い王城のバルコニーに集まった王国民の皆様の前で魔法を披露しているのです、無様に倒れるわけにはいかないのです。


「・・・」


私は大歓声の中、バルコニーに背を向けて王城に用意されている自室にふらつく足取りで向かいました。

読んでいただきありがとうございます!。

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