1-01 - はじめまして -(挿絵あり)
2023年に投稿を開始した初小説「〜隻眼の令嬢、リーゼロッテさんはひきこもりたい!〜」の加筆修正Reboot版です。
1-01 - はじめまして -
「・・・痛い・・・やめて・・・」
「$*&!¥%$#、&&#!+^>?」
どんっ!、ぐしゅっ!・・・
「いやぁぁ!」
・・・
ちゅん・・・ちゅん・・・
「・・・またあの怖い夢・・・空港で・・・空港?、空港ってなんだっけ?・・・」
「おはようございますお嬢様」
「わぁっ!・・・びっくりしたぁ・・・じぃじ、おはよ・・・驚いたから少しおしっこ漏れちゃったのです」
「替えの下着でございます、どうぞ」
「・・・ありがとう」
「また怖い夢を?」
「うん、男の人が私を囲んで・・・」
「旦那様に相談された方がよろしいのでは?」
「お父様に心配かけたくないの・・・お願い、お父様には言わないで」
「ですが・・・」
「じぃじ、心配してくれてありがと、そういえばお外が暗いね、雨が降りそう、天気予報はなんて・・・あれ?」
その事に初めて気付いたのは4歳を過ぎた頃、私が「じぃじ」と呼んで懐いている執事長さんとの何気ない会話でした。
最初は小さな違和感、私の知っている物が現実には無い、よく考えたら何でそれがあるって思ったんだろう・・・気のせいかな・・・そんな感じ。
自然と口に出る知らない言葉、物、道具、食べ物・・・日を追うごとに強くなる違和感、両親からはまだ幼いのに言動が大人びているとよく言われました。
そして私が5歳になる頃には全てを思い出していました。
「お腹すいたのです、ラーメン食べたいなぁ」
私の名前はリーゼロッテ・シェルダン。
どうやら前世の記憶を持って今住んでいる世界に転生したらしいのです。
前世の名前は田中理世、長い黒髪に貧相な胸、地味で目立たない・・・ナメクジのように陽の当たらない場所が好きなインドア派の女性でした。
異世界小説のように転生特典でチートな能力を貰えたかもって期待してたのに・・・死んでから出て来る筈の怪しい神様には会ってないしお友達になってくれる精霊さんや神獣も居なかったのです!。
・・・
「あぅ・・・痛い・・・」
朝、私はいつものように悪夢と激痛で目が覚めました、大好きなじぃじはもうこのお屋敷に居ません、私が11歳の時に持病の痔が悪化したらしく故郷に帰ってしまったのです。
じぃじのかわりに執事長になったセバスチャンさんが用意してくれた濡れタオルで顔を拭き、左目に眼帯をつけて身支度を整えます。
「・・・おかしなところは無いかな?」
鏡に映る自分の姿を見ながら私の背後に立っているセバスチャンさんに尋ねます。
「はい、お綺麗ですよお嬢様」
・・・
とてとて・・・
長い廊下を歩き食堂に着きました。
ガチャ・・・
ギィ・・・
「おはようございます、お父様、お母様・・・」
「あぁ、おはようリゼたん、今日もかわいいね」
「リゼたんおはよう、新しいお洋服よく似合ってるね」
食堂には既に私の両親が居て食事を始めています、自分の席に座ろうとしていたら入り口のドアが勢いよく開き銀髪の美少女?がお部屋に入ってきました。
「ご・・・ごめんなさいっ!、寝坊しちゃった・・・おはようございます、お父様、お母様、お姉様」
「おはようコナンザ、お腹すいたぁ・・・今日の朝ごはん美味しそう」
食堂に集まっているこの人達は私の両親と弟です。
「コナンザは寝坊かい、朝弱いのは相変わらずだね、寝癖が付いているぞ」
上品な仕草でお皿に乗った分厚い肉を切り分けているのはお父様、アーノルド・シェルダン、39歳。
身体が大きくて筋肉モリモリマッチョマン、未来から送られて来た殺人マシーンのような佇まい、とてもお顔が怖いです。
「ふふっ、今日はいいお天気ねぇ、お散歩でもしようかな」
優雅に食後のお茶を飲んでいるのはお母様、マリアンヌ・シェルダン、37歳貧乳。
冷酷そうな鋭い目つきに妖しく濡れた薄い唇、悪人顔で冷たい印象のある美女、私が成長するとこんな感じになるかも・・・。
「あぅ・・・寝癖・・・どこ?」
寝癖で跳ねた髪を気にしながら涙目で椅子に座ったのは私の可愛い弟、コナンザ・シェルダン、10歳。
長髪にしているから女の子にしか見えない美少年、お母様や私によく似ていてまだ幼いのに冷たい印象を与えます。
そう、私の家族は全員お顔がとても怖いのです!。
「お嬢様どうぞ」
気配を全く感じさせずに私の背後から料理をテーブルに置いたのは執事長のセバスチャン・アッツーシー、前の執事長、じぃじの息子さんです。
長身で美形、まるでヴィジュアル系のバンドで歌ってそうな容姿、笑顔なのに目が笑ってなくてお顔が怖いです・・・油断してると血を吸われそう。
「・・・ありがとう」
みんな笑顔で和やかにお食事をしている筈なのに容姿のせいで絵面が凄い事になっています・・・。
「このお部屋に居る全員極悪人にしか見えない・・・」
「何か言ったかい?、リゼたん」
「・・・ううん、なんでもないよ」
私の住んでいる国、エテルナ大陸北部にあるローゼリア王国の筆頭貴族・・・シェルダン家の朝は今日も穏やかに過ぎていくのです。
「リゼたん、今日は先生のところに行くのかな?」
子供が見たら泣き出しそうな鋭い目をして食後のお茶を飲み終わったお父様が私に尋ねます。
「うん、今日はお勉強で明日は研究のお手伝いなの、明後日はお休みだよ」
無表情で薄気味悪いと貴族達の間で評判の私が淡々とした口調で答えました。
「そうか、じゃぁお父様と一緒に行こうか」
「うん」
お父様はうちの国の宰相補佐なので毎日王城でお仕事をしています、私は師匠の下で魔法のお勉強をしていて授業のある日はお父様と一緒に馬車でお城に向かうのです。
田中理世さん
田中理世さん(眼鏡)
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