5の世界:嵐、来たる
あれから、数日経ったある日。
今日も僕はルーティーンを欠かさずにやっていた
そう。筋トレである。
今では、かなり筋力もついてきたし、スライムやゴブリンくらいなら余裕で倒せるようになった。
それもこれも、すべてはレオナのおかげである。
「おっ!今日もしっかりやっているな、少年。今、何回目だ?」
「ぬぬぬ.....1.....9....9....です。」
「おお!自己ベストじゃないか!」
レオナは満足そうに頷いた。
「200!」
「とはいえ、まだまだだな。どれ、少しステータスを見せてみろ。」
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種族:人
名前:鮫島 港
レベル:3
HP:132 DEF:41 SP:54 STM:139 STG:105 MP:38
スキル:辟。髯占サ「逕、鑑定
ジョブ:異世界転生者
称号:なし
武器:なし
装備:混紡のジャケット、革のベルト、混紡のズボン、ウールの靴下、革のローファー
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レベルが上がったことで鑑定で見えるものが少し増えた。
「ほう、悪くはないな。数日くらいなら生きられるんじゃないか?」
「褒めたと思ったらすぐそれだ。最後に必ず一言余計ですよね!?」
「そうか?私は、本音を言ってるだけだ。」
「ひどい師匠だなぁ……」
レオナは笑う。
その瞬間だった。
ザァァァァァ.....
一陣の風か森を吹き抜ける。
さっきまで鳴いていた鳥たちが、一斉に飛び立った。
森が静かになる。
「....いきなり、強い風ですね。」
「....少年。」
「はい?」
「筋トレは終わりだ。」
「え、なんで....まだメニューは.....」
レオナは空を見上げる。
その視線を追う。
雲が、不自然なほど速く流れていた。
いや──流れているんじゃない。
渦を巻いている。
「し、師匠?」
レオナは険しい表情のまま呟く。
「嵐が.....来る....!」
「嵐...?」
嵐って....天気のことか?
でも、その程度でレオナは筋トレをやめさせない。
つまり
もっとやばいなにか....
「少年、先に逃げな」
「へ?い、いや!僕も残ります!」
「いーや、逃げろ。というか、あっちに行ってろ」
「な、なんで....」
「はっきり言おう。邪魔なんだ。お前がいると本気が出せない。」
「......わかり....ました.....」
「振り返るなよ?そして、もう二度とここには戻ってくるな」
「........はい....」
僕は駆け足で森の奥へと入っていく。
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「....行ったか」
風だけが、レオナの周囲を吹き抜ける。
レオナは拳を握り締め、何もない空間へ向かって拳を放った。
レオナの拳は空を切る。
「姿を隠す必要はない。」
「おやおや、レオナ。いきなり殴りかかるとは、野蛮ですね。」
「あ?なんだのっぺら野郎。」
「ひどいですねぇ。ちゃんと呼んでくださいよ。フェイスレスって」
「嫌だね。」
「相変わらず、意地っ張りですね。」
「お前にだけは言われたくねぇよ。元魔王軍幹部のお前にはな」
「ははは、違いますよ。あの人は魔王としての器が足りなかった。それだけのことです。」
「で、今日はなんなんだ。まさか、今更和解しようっていいに来たんじゃねえだろうな」
「そんなわけないでしょう?」
フェイスレスは、微笑しながら応える
「人類の守護者たるあなたに、喧嘩を売った時点で私は世界の敵ですよ。」
フェイスレスは、ニヤリと不気味な笑みを浮かべた。
「でも、安心してください。あなたのその重い肩書も、今日で降ろして差し上げましょう。」
「へぇ、私と戦うって?」
「えぇ、そうです。そのために来たのですから。それにしても....驚きました。あなたが師匠だなんて。そんな器じゃないでしょう」
「こっちにも事情があんだよ、事情が。」
「そうですか。べらべらと喋っていては時間の無駄ですね。」
そう行って、レオナに向かって飛びかかった。
「っ!っぶねぇな」
レオナは軽々と避け、カウンターを打つ
ガンッ!
まるで金属を殴ったような音がする
「お前の体は、金属かなにかか?」
「えぇ。あなたを殺す。そのためだけに!捨てましたよ。人間を!」
「けっ。こりゃもうただのバケモンだ。」
「あなたのせいでしょう!あなたが....あなたが私をあんな状態にしたから!こうするしかなかったんですよ!」
「あっそ。どうでもいいね!」
激しい攻防が始まり、先手を加えたのはレオナだった。
強烈なアッパーが決まり、フェイスレスの体がくの字に曲がる。
しかし、効いているようには見えない。
「...っ!....硬すぎだろ。」
レオナの拳は真っ赤に腫れ、ところどころに血が出ていた。
「アダマンタイト合金で作られた肉体ですから。甘く見ないほうがいいですよ」
「お前が武装してるんなら、私も武装していいよな?」
レオナはポケットからメリケンサックを取り出し、装着した。
「おらっ!」
ガンッ!ギンッ!
金属が触れ合う音が森に鳴り響く
嵐が、始まった。
嵐が....始まった




