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推しのフィギュアが尊すぎて、推し活できません!  作者: 夜月黎


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39.推しのライブ参戦問題、再び

ライブの先行グッズも届き、次のライブも差し迫ってきた。


『NOCTIS 10th ANNIVERSARY TOUR FINAL DOME 2DAYS』


NOCTISのデビュー十周年を記念したツアーのファイナル。


2日とも参戦出来るのは、最高に嬉しい。

ただ、ひとつ問題が残ってる。


私は目の前の奏をチラッと見る。


腕を組んで私の方をじっと見つめてる。


「俺は絶対に行くからな」


そう言って譲らない。

私は頭を抱える。


絶対無理。

今回、葵さんも一緒なんだよ?

二日間も!


バレないわけがない。


「だからー、今回葵さんも一緒なの!バレたらどうすんの!?」


テーブルの上の椅子に座った奏は脚を組む。


「別に、バレてもいんじゃね?」


軽く言う。

私は手元をわしゃわしゃと動かす。


「良いわけないじゃん!」


すると奏は灰色(グレー)の目を細めて私を見る。


「……っつーかさ、そんなに信用出来ない人なワケ?」


「えっ?」


私は不意打ちを突かれる。


信用、出来ない?


「……そんなワケ……ないじゃん……」


零れるようにでた言葉。


奏の目が、ふっと柔らかくなる。


「なら、いいだろ?バレたって」


確かに、葵さんならバレても他の人には絶対に言わない。

なんなら、一緒に楽しんでくれそう。

でも。


なんだろう?

この心の中のもやもや。


奏が葵さんと楽しく話してる姿を想像する。


葵さんは朔推しだけど、奏は葵さんのこともあんなふうに煽るのかな。

煽られた葵さんは、奏のこと、どう思うんだろ?


ぐるぐると思考が巡る。


「なぁっ」


奏の強い声が私を引き戻す。


「あ、ごめん」


呆れたように奏は溜め息をつく。


「夕莉が信用してんなら、悪いことにはなんねぇだろ?」


奏はなんでもないことのように言う。


「うん……でも、奏のこと、知られるの、ちょっと嫌かも……」


思わず口をついて出た言葉だった。


「は?」


奏は驚いたように顔をあげた。

ハッとして私は慌てて手を振る。


「いやっ、今のはっ……」


ふっと奏が笑う。


「……独占欲……」


「なっ!?」


私の顔に血が上る。


「ちがっ……そんなんじゃないからっ!!」


奏はにやにやして私を見ている。

灰色(グレー)の瞳が楽しそうに淡く輝く。


「へぇー?」


「わかった!!わかったから!!連れてくから!」


私はそう叫んだ。


「……言ったな?」


奏のその言葉を聞いてから、しまった!!と思った。

しかし、既に遅い。


「いや……取り消し……」


「ちゃんと聞いたからな?」


煽るような奏の声。


私は言葉に詰まる。


「楽しみだな、夕莉?」


笑顔で言う奏に、私は肩を落とした。


やっちまった……。



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