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推しのフィギュアが尊すぎて、推し活できません!  作者: 夜月黎


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閑話 ただいま

昼過ぎ頃、私は家に着いた。


ガチャっとドアを開ける。


「ただいま」


静かに声をかける。


なんか、一晩出かけてただけなのに、奏に会うのが緊張する。


「おかえり」


リビングのテーブルに座り、奏は優しい笑みで迎えてくれた。


その顔を見て、なぜか私はホッとする。

さっきまでの緊張が溶けてなくなる感じがした。



私は荷物を軽く片付け、部屋着に着替えてから、奏の待つリビングに座った。


その手には、もちろん、ホットコーヒー。


コーヒー飲むと、体の力が抜けて落ち着くんだよね。


それから。


「はい」


奏の前に、紙袋を置く。


「?」


奏は不思議そうに私を見上げた。

ふふっと笑って奏に開けるように促す。


奏は紙袋の入口から中を覗き込む。


「……これ、俺に……?」


驚いた表情の奏。

ぽかんとした表情が可愛い。


中から引っ張り出したハンドタオルを奏は嬉しそうに撫でた。


私も思わず、笑顔になる。


「あんまりいいモノじゃないけど」


「いや、手触り、最高」


ふわふわしたタオル地に包まる奏。


「奏、よく寝てるでしょ?布団代わりにいいかなって」


少しだけ、いい値段の物を選んだ。


「奮発したよ?」


そう言うと、奏はまた笑った。


……もう、その笑顔が最高過ぎて……。


私は、帰ってきたなぁと実感する。


私はもう一度、言った。


「ただいま」


奏ももう一度返す。


「おかえり」


その声は、今まで聞いたどの声よりも優しかった。

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