ルカの最期
ルカが連れて行かれた町は重々しい雰囲気で覆われていた。町と呼ばれてはいるが、異様に静かで無機質だ。魔女狩りの集団は皆ルカを異形を見るような目で見つめていた。ルカに話し掛けようともしなかった。ルカは手錠を掛けられ、俯きながら歩いていた。
今吸血鬼の力を解放してあの男達を殺して逃げればいいのではとルカは考えた。だが、それでは自分がベルモンドと同じになってしまう。ルカはそう踏み留まって自分が死ぬのを待っていた。
ルカは最初町にある処刑台で処刑される予定だった。ところが、誰もルカを見届けないという理由で、誰も寄りつかない荒れ地に移動させられたのだ。とても良いとは言えない馬車に乗せられ、ルカは旅立つ。
そして、ルカは荒れ地に降り立った。そこには、処刑台がある。ルカは鎖を着けられ、そこまで歩いた。
「死ぬ前に言い残す事はあるか?」
ルカは何も言わなかった。いや、本当は一目リュウとケインに会いたかったのだが、そんな我儘は言うべきではないと思った。
ルカは生きたまま火炙りにされた。熱いというだけでは到底済まされるようなものではないが、ルカは何も言わなかった。ただ、静かに自らの死を見つめていた。
自分が今までやって来た事は間違っていたのだろうか。ルカは人々を救う為に吸血鬼退治をしていたつもりだった。実際、ルカによって助けられた者は少なくなかった。
だが、吸血鬼の血を受け継ぐルカは人間とは受け入られなかったようだ。自分達と異なる存在、魔女狩りに目をつけられたルカは処刑されてしまった。
ルカはそうして何も残さずに死んでしまった訳だが、一つだけ魔女狩り達に感謝しようと思った事があった。ルカは吸血鬼化が進行していた。このままではルカもベルモンドのように凶悪な吸血鬼になっていた。それが、魔女狩りに処刑された為にルカは人間のまま死を迎えたのた。
丸焦げになったルカはその後棺に入れられ故郷に送られた。無慈悲な魔女狩り達にも多少の人間の心はあるのだろうか、吸血鬼退治で凶悪なベルモンドを倒したのを認めて、立派な墓に入れる事にしたのだ。
その後、魔女狩り達はリュウとケインを探した。特にケインはルカと同じ吸血鬼の血を持っていた為、懸賞金を賭けられ、血眼で捜索された。だが、誰も二人を見つけられなかった。
二人は魔女狩りの集団が解散するまでジェイムズの手を借りて行方を晦ましていた。ルカの墓参りにも行きたいはずだが、捕まるのを恐れて近寄らなかった。
その後、リュウとケインがどうなったのか、知る者は居なかった。辺境の地で生き残っているという噂も立ったが、それは確かなものではなかった。




