覇王忍者はやはりブレなかった!
そんなこんなでヴァールやシャルロットさんとも途中で別れて無事、お家に帰ってこれましたよ。わーい晩御飯だー。
ただいまーってして、おかえりーってなって。荷物とかもないんでさっさと着替えだけ自室から持ってきてお風呂に入って。今回はアイも一緒だ、お互いに温かい湯船に浸かってはふうとなって。
そんでもって風呂から上がったらちょうど夕食時だった。
今日の晩御飯はスコッチエッグ。ゆで卵が丸々入ったハンバーグみたいな見た目をしていて、たまーに出てくるんだけど結構好きな料理の一つだよ。
そこに生野菜サラダと味噌汁なんかもつけちゃって、白米で美味しくいただければご機嫌な晩飯の完成だった。
リビングはテーブルにて、ところ狭しと家族が椅子に座る。父ちゃん母ちゃんに俺と優子ちゃん、そしてリーベとシャーリヒッタにアイ。
いつもながらの山形ファミリー、今日も問題なくみんな揃って食事ができるのが一番素敵なことだよね。
「いやあ美味しそう。今日も何やかやいろいろあったからお腹ペコペコだよ、いただきまーす!」
「こっちもですー! おかし三人娘との話が思いの外楽しくて、つい話し込んじゃいましたー。いただきますー!」
「いただきますだぜ! へへへリーベ、お前さんめちゃくちゃ意気投合してたモンなァ。あっ、父様お疲れ様です、どうでしたかアーデルハイドとかって三代目聖女、どんなやつでしたか?」
「三人とも、毎日何かしら忙しいねー」
「きゅう」
ニコニコ顔でさっそく食べ始めちゃうよ。なんだけどもテーブルを囲むリーベとシャーリヒッタがいつもよりテンション高めでいることに気づく。
そういえばこの二人、今日はおかし三人娘にいよいよインターフェイサーのことについて相談と提案を持ちかけに行ったんだったな。外部協力者にならないかという提案と、ことと次第によっては世界の真実について話すかってあたりのお話だ。
聞くに、特にリーベが張り切って話していたみたいだけど……結局どうなったのかな?
夕食時にすべきか微妙なところだけど、あまり話が長くならないように要点だけは聞いておこうか。その前にシャーリヒッタからの質問にも答えつつ、俺は口を開いた。
「アーデルハイドさんはすごい人だったよ。あとで詳しく話すけど、ヴァールやマリーさんにも物怖じせず面と向かって意見できる強くて聡明な方だった。俺の正体を知っても、真っ向から御自身のお考えを伝えてきてくださったからね」
「はー、やっぱ聖女ってのはみんな精神が強ェんですねェ……エリスはもちろん神谷もシャルロットも、アレクサンドラですらある意味メンタルガッチガチだったんだぜ」
「そのくらいじゃなきゃ、ダンジョン聖教のトップなんて務まらないってことなんだろうなあ。ところでリーベもだけど、そのおかし三人娘との話し合いはどうなったんだ? こちらもあとで詳しく聞くから、今は顛末だけ教えてほしい」
「はい! えーと結論から言うと、無事にあの三人もインターフェイサーに協力してくれることになりましたー。それに伴い公平さんや私達のことも、包み隠さず話していますー」
「そっか」
スコッチエッグに齧りつきながら──ジューシーな肉の味わいとゆで卵の弾力ある歯応えがマッチして美味い! ──おかし三人娘についてを思う。
知ったか、チョコさんにガムちゃんも。アメさんは元より始原達から聞かされていたから知っているわけだけど、これで三人全員がシステム領域について知ったことになる。
元より協力をお願いすると決めた時から、これで良いのだとは思っている。とはいえ一抹の心配はあるよね、これで俺と彼女らとの関係性がどう転ぶかってところに。
これまではちょっとだけ先輩のほぼ同期なパンピー探査者山形くんだったのが、いかにも厳つい因果律管理機構コマンドプロンプトでしたーなんて、戸惑わないわけもないんだよね。
あるいはこれまでのように、親しげにしてもらうわけにはいかないのかもしれない。アーデルハイドさんじゃないけど、得体の知れない化物みたいに見られちゃうまであるかもね。
それはそれで仕方ないし、むしろ隠しててごめんとしか言えないけど……もしもそうなったら、やっぱり寂しいかもだ。
「その……今回初めて知ったガムちゃんやチョコさんは、どうだった? 急にわけのわからない話で、混乱させちゃったろうけど」
「いえ? 普通にふんふんなるほどなるほど、へーっ! で済ましてましたよー? 特にガムちゃんなんか目を煌めかせて、公平さんに今度会ったら全力で絡んでくって宣言までしてましたー」
「そっかあ、いやなんで!? あのへんの話聞いてそんなリアクションなんで!?」
「"ずいぶんなネタを隠し持ってたシャイニングパイセンプロンプトには覇王忍者として全身全霊を込めたダル絡みしてやります"とかなんとか言ってたんだぜ! アイツマジで覇王なんだぜ、チョコは大分慌てふためいてたのにまったくブレずに鷹揚に笑ってたんだぜ」
「えぇ……?」
意を決して聞いたところ、意外極まりない反応だったことが分かって思わず呻く。
チョコさんはともかく覇王忍者ガムちゃん様、もろもろ聞いての反応が俺へのダル絡みで良いのだろうか? あと山形ですけど。いろいろなあだ名をまぜこぜしないでほしいんですけど。
いや、もちろんいつもどおりらしいのは嬉しいんだけどね? それはそれとしてどんだけの器だよと呆れるやら感心するやらだ。
俺もまたぞろ彼女達にご挨拶しなきゃだけど、その時にマジでダル絡みしてきたら覇王忍者の大器ぶりを認めざるを得ないだろうね。
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