御堂先生によるクラン講座、はーじまーるよー
予定していた探査はひとまず明日にでも回して、興味深い相談ごとを持ちかけてきたガムちゃんに応じる形で全探組の談話室へ。
相変わらずほどほどの盛況ぶりだけど席は空いていて、比較的人の少ない隅っこのほうに三人、陣取ることにした。
なるべく目立たないようにという配慮での座席選択ではあるんだけど、それでもやはり人目につくのは主に俺と香苗さんだからだろう。
昨今変に目立ってるやつと、派手に目立ってる伝道師だものなあ。なんなら香苗さんに至っては以前はこの談話室にて、宥さんとダブルで伝道行為に及んじゃったりした始末だもの。
注目を浴びないわけがないよね。
「お、救世主に伝道師だ。また伝道リサイタルするのかな?」
「そんな空気でもなさげだぜ、構わんとけ。ほら、もう一人は最近期待の新人トリオの一人だ」
「また女侍らせ散らかしてんのかあの救世主、羨ましいもんだぜ。俺にも美女の10人20人いてくれたならなあ」
「ふーんぶち殺すよ女好き。私一人で美女1000万人分くらい言いなよ」
「救世主様バンザイ! 救世主様バンザイ!! 救世主様バンザイ!!」
怖ぁ……今日はまだ何もしてないのにこの注目されっぷりである。もはや俺と香苗さんの組み合わせってだけで伝道リサイタルを警戒して身構えられてるじゃん。なんならバンザイ三唱してる人すらいるし。
あと地味におかし三人娘が期待の新人として扱われだしてるのは個人的に嬉しいというか、喜ばしい話だ。
最近俺以降にデビューした、俺以上にフレッシュな新米さん達が関西圏においてかなり目立ってきているってのは俺の耳にも入っている。
だってほぼ全員身内だもの──リーベにシャーリヒッタ、ミュトス、神奈川さんにおかし三人娘。みんなこの近辺で活動を開始しており、それぞれ他とは違う一点もののスキルやら戦闘スタイルやら何やら抱えてるってんで噂されてるんだよ。
目の前のガムちゃんがパーティを組んでいるおかし三人娘も、始原の四体との《武装化顕現》を得てからの活躍ぶりは時折耳にしているよ。
やっぱり支援というかお手伝いさせてもらった人達がその後も順調にやってるのはホッとするよね。
そんな期待の新人のうち一人、ガムちゃんこと新潟花夢さんは少しお茶を飲んでから、ふうと一息いれた後に改めて切り出してきた。
「……でまあ本題なんですけど、さっきも言ったとおりに三つのクランから勧誘されていまして」
「関西若手探査者の集い、日ノ本ダンジョン探査団若手支部、そしてシーマキャラバンですね。特にシーマキャラバンに至ってはあの里見先生自らスカウトに来たとか」
「そうなんですよー。なんですけどぶっちゃけ、私ら誰もそれぞれのクランがどうなのやらって知らなくて。教官の人達にそのあたりの説明とかお聞きしたくて今日、ここまで来たらパイセンと御堂さんにお会いしたのが今なんですよね」
「なるほど。たしかに俺もそのへんぜんぜん知らないし、新米探査者は揃ってそんなもんなんだろうね」
何やら有名だったり注目だったりするクラン、三つからのスカウト。しかもうち一つは国内11人しかいないS級の一人がわざわざやって来るほどの熱の入れようだ。
とはいえガムちゃん達からすればそもそも、各々のクランについての情報が決定的に足りてないわけで悩む以前の問題なのは自明の理だろう。
大体、新人さんがそんなクランごとの特色とか知ってるわけもないからね。俺もなんにも知らないし。
新人同士、うーむと唸る俺とガムちゃん。そこに我らが香苗さんが、探査者としてはるか先にいる者としての優しい微笑みを浮かべてそういうことならと仰ってくれた。
「公平くんにも良い機会ですし、おかし三人娘のことは私もそれなりに目をかけていますのでここは僭越ながら私が知る限りのことをお伝えしましょう。ええとクランという制度自体については、お二人はご存じですか?」
「まあ、一応ひととおりは。複数のパーティで形成される団体で、パーティ間の相互補助とか連携、あと情報共有や大規模探査の際の協力関係なんかも構築してるんですよね」
「俺達が以前参加した探査者ツアーの参加者も、アレから参加者のみで構成したドラゴンバスターズ!! ってクランを立ち上げたって聞いてます。でも、逆に言えばそれくらいですね」
「なるほど。概要は合っていますね……それでは少しばかり、クランについてお話させていただきましょうか」
さすがは香苗さんだ、スーツ姿も相まってなんだか先生っぽく見えるよ。
クランについて、もっと踏み込んだところは俺としても興味があったところだ。良い機会だしこの際、みっちりご教授いただくことで今後の探査活動に何か活かせるものがあるかもしれない。
ガムちゃんについても当然ながら、言い出しっぺだし悩みごとへのアドバイスでもある。いつものいたずらげな表情から真面目なものに切り替えて、居住まいを正してノートとペンを用意していた。
というわけで心して傾聴の姿勢を取る俺とガムちゃん。香苗さんも満足げにうなずき、それではと解説を始める。
御堂先生のクラン解説講座の始まりだ……!
「大ダンジョン時代クロニクル」
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第二部・第二次モンスターハザード後編─犯した罪に、等しき罰を─
連載中!よろしくお願いしますー
「大ダンジョン時代ヒストリア」100年史完結しました!
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攻略! 大ダンジョン時代 俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど
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二巻
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三巻
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