第5話 醜いアヒルの子
神兵試験・第2試験。
フィールドは神界郊外に広がる戦闘訓練区域。
起伏のある地形、配置されたターゲット。
そして――
何もない。
真「……またかよ」
周囲を見渡す。
他の受験者たちは、自分の神器を構えている。
剣、槍、弓、魔導具。
対して――
真は、素手。
「終わってんな」
「またあいつかよ、しゃもじ侍」
ヒソヒソと聞こえる声。
真(くそっ……!だがあいつらはたかが強化型ってとこだろ)
⸻
◆ 試験開始
試験官の声が響く。
「制限時間内にターゲットを破壊しろ。手段は問わん」
同時に――
ドンッ!!
一斉に攻撃が始まる。
爆発。
斬撃。
魔法。
次々とターゲットが破壊されていく。
真「……やべぇ」
完全に出遅れた。
(何か……何かないのか……!)
必死に探す。
だが、何もない。
整備されすぎたフィールド。
神器真型が使えない。
真(終わりかよ……)
⸻
◆ 視線
観客席。
アレスが腕を組んで見ている。
アレス「……どうする」
トールは無言で見下ろす。
トール「……つまらん」
その一言が、真に刺さる。
⸻
◆ 見つけたもの
その時。
足元に、何かが引っかかった。
錆びついた金属。
壊れた――ホースリール。
真「……これ」
ただのゴミ。
誰も気にしない。
でも――
真(……俺には、これでいい)
⸻
◆ 神器真型
ギュッ――
握る。
ドクン。
心臓と同じリズムで、何かが脈打つ。
キィィィィン!!
ホースがほどけ、伸びる。
黒金の光を帯び、鞭のように変形する。
真「……きたきたきたかたかたかたああうあああ!!!」
その瞬間。
周囲の空気が変わる。
「は?ゴミから?」
「またあいつ……」
アレスが小さく笑う。
アレス「それでいい」
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◆ 反撃開始
真「いくぞ……!」
振るう。
ビシュッ!!
遠距離のターゲットを一撃で貫く。
『ターゲット破壊』
真「当たった……!」
もう一度。
ビシュッ!!
連続で破壊。
周囲がざわつく。
「なんだあの武器!?」
「鞭……いや違う、形変わってる!?」
真は走る。
地形を利用し、角度を変え、連続で叩き込む。
『破壊』『破壊』『破壊』
真(いける……!!)
さっきまでの焦りが嘘のように消える。
体が動く。
感覚が繋がる。
⸻
◆ 評価
試験官が記録を確認する。
「……合格ライン到達」
ざわめき。
リア「……嘘でしょ」
トールが初めて、興味を示す。
トール「ほう……」
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◆ 視線の変化
さっきまでの嘲笑が消えていた。
代わりにあるのは――
困惑と、警戒。
「ゴミを武器にしてる……?」
「いや、あれはもう神器だろ……」
真は息を切らしながら立ち止まる。
真「はあっ……はあっ……」
手に残る感触。
確かな手応え。
真「……やれるじゃん、俺」
⸻
◆ ラスト
観客席の奥。
フードを被った男が、小さく呟く。
「……創神型」
その目が細められる。
「やはり存在したか」
闇が、静かに動き出す。
⸻
真の戦いは、まだ始まったばかりだった。




