目が覚めたら、知らない天井だった
ゲラダの髪と目の色を、青から緑に変更しました。
目が覚めたら、知らない天井だった。
……とは言っても、真っ白い訳ではない。いや、召喚されて直であの部屋だったので、ライトノベルでよくある空間を、恵は経由していないのだが。
話を戻すが、皇宮では恵は天蓋付きのベッドで眠っていた。
しかし今、見慣れた天蓋はない。けれど朝の光が射しこむ部屋の、ふかふかのベッドで恵は眠っていて――しかも気づけばセーラー服から、寝間着らしい白のワンピースに着替えていた。
「えっ!?」
驚いて飛び起きて、壁にセーラー服がかかっているのを見てホッとする。けれどすぐに、誰が着替えさせたのかと再び焦った。
(仮にも王だから、あの魔王って人? ではないと思うけど……と言うか私、気絶したの? も、申し訳ない……意識ないと、重かったよね!?)
そこまで考えて頭を抱えた恵の耳に、ドアが開く音が聞こえた。
「……失礼致しました。おはようございます」
「え……あ、おはようございます!」
入ってきたのは、緑の髪をした小柄な老婆だった。ただし、執事服姿である。
魔族の特徴は、髪や目の色――ではなく、尖った耳だ。魔王は髪を下ろしていたので隠れて見えなかったが、現れた女性は髪をキッチリ結い上げているのでその特徴が解る。
解るが、そもそも緑の髪からして恵の感覚だとコスプレイヤー(スマートフォンは与えられていたので、SNSで見かけたくらいの知識だが)なので気にならない。しかも老婆は、律義に挨拶をしてくれたので恵も慌てて挨拶をした。
そんな恵に、女性は軽く髪と同じ緑の瞳を見張り――次いで、胸に手を置いて礼をし自己紹介を始めた。
「初めまして、聖女様。執事の、ゲラダと申します……連れてきたのはぼ……魔王様ですが、着替えさせたのは私ですので、ご安心下さい。眩暈などはないですか? 飲み物などお持ちしましょうか?」
「あ、はい……いえ、だいじょ……」
……ぐうぅ~っ!
「ぼ」と言いかけたのが気になったが、それよりもゲラダの問いかけに答えようとして――同じく返事をするようにお腹がなったのに恵は真っ赤になり、恥ずかしさに涙ぐんで俯いた。
「聖女様は一昨日の夜にここに来て、丸一日、眠っていたのですよ。飲み物と、朝食を用意します。あ、洗顔などお手伝い致しましょうか?」
「い、いえ! 場所を教えて貰えれば、自分でっ」
「かしこまりました。では、ご案内致します」
「はい!」
そんな恵に優しく目を細めて、ゲラダが話しかけてくる。さらりと流してくれたことに感謝しつつ、恵はゲラダの後について洗面所などの場所を教えて貰った。
そして、その流れでトイレを見て――思わず、大きな声でゲラダに尋ねていた。
「え? どうしてウォシュレットなんですかっ!?」




