アメイジング・ウィザード
ある日高校生のカヤはペンケースの中に見慣れない1本のペンを見つける。それはとてもきれいなペンでアメイジングウィザードという魔法のペンであった。
そのペンを手にしたとたん頭が冴えわたりどんな問題もスラスラと解けてしまう。常にテストは最下位争いだったカヤだがこのペンを手にしてからは一気にトップ争いとなる。称賛する友人や家族だがカヤは何か心のどこかで違和感を感じ始める。エンターテイメントショートショート。
「さて宿題を片付けようかな?あれ?」
高校生のカヤはペンケースの中に見慣れないペンを見つける。
「なんだこのペン?私のじゃないな。カナコがいたずらで入れたのかな?」
そのペンはとても綺麗な刺繡が施してあり、アメイジングウィザードと書いてある。
ペンを持った途端頭が冴えわたるカヤ。どんなに難しい問題も簡単に解けてしまう。宿題とドリルがすべてスラスラ。あっと言う間に宿題が終わってしまった。
「難しい問題がスラスラ解けてしまうなんて、このペンすごいな?まさに魔法のペンだ」
翌日の教室でカナコにペンを見せても自分は知らないという。
突然チート級の武器を手に入れたカヤ。
テストのたびに100点が続く。
授業は寝ていてもテストは満点ばかり。鼻高々となっているカヤ。
中間テストの結果上位10名が廊下に張り出された。
学年1位 天川カヤ 総合得点500点
英、数、国、社、理、どんなテストもすべて満点。
常に最下位争いをしていたカヤだったが、一気にトップ争いの中心となる。
称賛する友人。
そんな毎日が数か月続いた。
「すごいじゃんカヤ!アンタ本当は努力してたんだね?」
笑顔のカナコ。
ズキ
「全教科満点なんて大変だったでしょう?」
労う担任の先生。
ズキズキ
カヤは母親に中間テストの結果を報告した。
「学年1位なんて親孝行な娘だね。お母さん鼻が高いよ」
とても喜んでくれた。
ズキズキズキ
あのペンを使えばなんでも満点をとれてしまうのに、心のどこかが
ズキズキと痛む。この違和感はなんだろう?当然思い当たる所は1つだけ。
「・・・・・。私はこんなものに頼っていたら大バカ者になってしまう。家族や友人に噓をついてるんだ。ダメだ、もうやめよう!」
期末テストの前日の夜、カヤはアメイジングウィザードをへし折った。
くずかごへ捨てた。
そして期末テスト返却日。
「カヤ、テストの結果どうだった?また満点でしょう?」
「ふっふっふ」
ニヤリと笑いながら答案用紙を見せる。
赤い文字で10点とある。
「ええ!?10点?」
「私は自分に勝ったんだ!すごいでしょう?」
「やばい!カヤがおかしくなっちゃった。よし、保健室へいこう」
翌日
カナコの部屋。
椅子に座り軽く伸びをする。
「さあ今日も宿題を片付けようかな」
カナコはペンケースを開ける。
「あれ?このペンなんだろう?見たことないや」
ペンには綺麗な刺繍が施してある。
そこにはアメイジングウィザードと記されていた。
おしまい




