第三話
―時は昼休み―
この学園の昼休みは二時間もあるんだ。
長すぎるよな。うん。
俺も外部入学してきた初日は長すぎだろ…って。
流石に1年もここで暮らしてたら慣れるもんだな。慣れって…こわいね!
まぁ、生徒会の仕事とかで忙しい俺らにとっては、有難い事なんだけどさー…。
最近は会長達が、転校生くんにベッタリで、全く仕事しないし!
そのせいで、俺が毎日どれだけ苦労してるか…知らないだろうなあいつらは!
俺の机の上は、生徒会役員全員分のプリントやら何やらで、今にも崩れそうなくらい、グラッグラしているんだぞっ!
王道的には良いんだけどね…?
まさか自分がこんな立場になるとはね…。
せめて仕事はしてほしい。うん。
だって!
俺のネットサーフィンの時間が減るじゃないか!
リア充爆発しろ!
…ちょっと、古い…?
いやね?今さ、俺がこんなにも困っているのにも関わらず、俺の隣で彼女とTELでイチャついてるやつがいて!
「えー、ほんとー?
ハハッ!また会いに行くわー!
はいはい~またな!愛してる!チュッ」
あームカつく。
特に最後のキス。
あり得ないわ…。引くは…無いわー。
ベシッ
「あだぁ!?何すんのー!?ゆずるっ!」
「…なんかムシャクシャした」
お前に涙目で見下ろされても萌えねーよ。
可愛い奴がやれば…背の低い奴が涙目で見上げてきたら萌えるんだけどねっ!
「ゆずる!聞いてんの?」
「…何が」
「はぁ…やっぱり。だから、このまま進むと壁に…」
ドンッ
やばっ!コケる!
次におこる事態を予想して目を瞑ったのだが…。
「…痛く…ない?」
「大丈夫か?」
ん?この声ってまさか…。
「風紀委員長!?す、すいません。」
俺を受け止めてくれたのは、風紀委員長の
紅 晶先輩。
生徒会長の紅 暁先輩とは、義理の兄弟らしい。
「お前は…確か生徒会書記の…桜木 ゆずるだよな?」
「あ、はい。知っていてもらえて、光栄です。」
「お前は生徒会の中で、今きちんと仕事をしているしな。それに結構有名だぞ?」
「俺が…有名?」
「あぁ。外部入学生で、学年首席。容姿端麗で運動神経抜群。そして生徒会書記だろ?生徒達の注目の的だ。」
「はぁ…」
俺ってそんな事言われてたのかぁ…。
全く気付かなかった…。
容姿端麗?あり得ない…!
俺が容姿端麗だったら会長達はどうなるんだぁぁぁあぁぁぁあ!
神か!
ネ申なのか!!!!!
「あ、申し訳ありません、委員長。ちょっと今日はこれから用事があるので…失礼します。」
「あ…。あぁ、わかった。またな」
「さようなら。…行くぞバカ」
「ちょっ!?バカってなに!バカはないでしょぉぉぉおぉぉぉぉおぉ!」
うるさい友人を連れて俺はその場を後にした。
―委員長side―
「…あいつが、桜木ゆずるか…。」
最初見たときの印象は冷たい感じだった。
周りからクール眼鏡と言われるだけあるな。
「…面白い奴」
利用できるものは利用しないとな…。
―委員長side end―
主人公総受けも好きですが、主人公総攻めも好きなのでいつか書いてみたいです!