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金貨の娘  作者: 之#u4e4b
第8章 泥濘の澱

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第8章 第1節 賓客の賜(第1項)

挿絵(By みてみん)



(くろ)(ねこ)のアルが()いた。



「ニクス。

 あなたどこを()てるの?」



サンサに()ばれ、

(かの)(じょ)(かお)(しょう)(てん)()わせた。



挿絵(By みてみん)



わたしは(うえ)()いて(くち)(はん)(びら)きだったので、

(うつ)ろを()ているとサンサは(おも)ったらしい。



パン()()(こな)()()らしたような――、

(くも)()()ばされた(そら)()()げながら、

わたしは(かんが)えごとをしていた。



(ひらめ)いたんだよ。」



()した(ほん)(かた)()けなさいよ。


 ルービィがこれを()たら、

 またわたしが(しか)られるわ。」



(しか)ってくれるひとが()るのは

 ()いことだよね。」



(かの)(じょ)(こと)()をわたしの便(べん)()(かい)(しゃく)すると

(ふか)()(いき)(かえ)された。



(きゅう)(よう)()(ちょう)(しょく)()



わたしは()(かげ)(にわ)のテーブルに

(しょ)(しつ)にあった()になる(ほん)(あつ)め、

()めるだけを(ひろ)げていた。



挿絵(By みてみん)



(だれ)(しょ)(しつ)(ほん)()まないし、

(ちゅう)(しょく)(まえ)には(ほん)(かた)()けるつもりでいた。



サンサもスーも(かた)()けないひとなのに、

(かの)(じょ)(ほう)から()(ぜん)(うなが)してきた。



サンサはここで(がい)(しゅつ)(よう)()(はじ)めた。



スーは(ちょう)(しょく)()えるとすぐに()()けて、

()(かげ)(にわ)はわたしだけになる。



(たい)(りく)(しま)(れき)()(しょ)ばかりね。


 今日(きょう)(さむ)くなるから、

 部屋(へや)()みなさいよ。」



(ふゆ)(ちか)()いて(かげ)(なが)()びてきたので、

()(かげ)(にわ)(てん)(がい)(はず)された。



(ふと)(もも)(うえ)()ている(しろ)(ねこ)のイオスが、

(おき)()()わりをしてくれる。



挿絵(By みてみん)



(にわ)()()ろす(かぜ)(つめ)たさに、

身体(からだ)(こま)かく(ふる)えた。



()()っている(あか)(いろ)(うわ)()でも、

(すそ)(みじか)くて(つめ)たい(かぜ)(とお)してしまう。



(ほん)()みたいのなら、

 (しょ)(しつ)()んだほうがいいわね。


 今日(きょう)(かぜ)()るわよ。」



(うわ)()(かた)にして(しょく)(しょ)(つな)()めて、

パイル()()頭巾(フード)宝飾巾(ヴェール)

(かぜ)(ふせ)いでいる。



()(わん)(うえ)にしたアームカバーも、

()(せつ)()わせて(あつ)()のものになっている。



「それで、なにが(ひらめ)いたの?」



(かの)(じょ)はいつもの(きた)(がわ)()()(すわ)り、

(つめ)たい(ぎん)(ひとみ)でわたしを()つめる。



「エリクと(はなし)をして()()いたんだよ。


 わたしはソーマの(もの)(がたり)()んでても、

 (しま)(れき)()()らないから。」



()(ぶん)()()()()くなんて。


 (かい)(だん)をさせた(せい)()ね。」



サンサの(とう)()(ふう)(じょう)(だん)(わら)わず(はなし)(すす)める。



(たい)(りく)()(ほく)()(にゅう)(しょく)()(ろく)に、

 (かん)()(しゃ)って()てくるよね?」



「えぇ。(きん)(そく)()()るわね。」



(せい)(とう)()()(かい)(ふか)める(ため)に、

サンサから(すす)められた(げん)()(ほん)にだけ、

(かん)()(しゃ)という(じん)(ぶつ)()てくる。



――(きん)(そく)()でソーマ(たち)(まえ)

  (あらわ)れたとされる(かん)()(しゃ)



――(ほん)には(みん)(ぞく)(よう)姿()()かれず、

  (やく)(ほん)には(とう)(じょう)しないのよね。



――フルリーンの()んでいたオーブでは、

  (かん)()(しゃ)とニースを(こん)(どう)して()(けい)してる。



「この(しま)(さい)(しょ)から(うし)(ひつじ)

 (うま)()んでたのは、

 (せん)(じゅう)(みん)(はこ)()れて

 (かん)()してたからだと(おも)う。


 (にゅう)(しょく)(しゃ)(たち)(せん)(じゅう)(みん)

 ()(ぞく)()んでいるネルタの(みずうみ)

 (きん)(そく)()にした()(のう)(せい)があるよね。」



(かの)(じょ)(ぎん)(ひとみ)(ほそ)めて(わず)かに(くび)(ひね)る。



「ニクスはネルタに()(ころ)

 (だれ)から()(おそ)わったの?」



「え? ()(しょ)のひとだよ。」



()(しょ)(かん)? ()(まえ)(おぼ)えてる? ()(めい)は?」



「ゴレムって()んでた。

 ()(めい)までは()らないよ。」



挿絵(By みてみん)



テーブルに(すわ)ったアルが

サンサに()かって()く。



「ゴレム…。あぁ、ナルキック(ぞく)(もの)ね。

 (かお)()たことがあるわ。」



サンサは()()でアルの(ひたい)()でた。



「サンサってネルタに()たことあるんだ。」



「20(ねん)(まえ)()ったことがある、

 という(てい)()(くわ)しくはないわよ。


 (かれ)はあなたをなんて()んでたの?

 お(ひめ)(さま)? お(じょう)(さま)? ご(らく)(いん)?」



「そんな()ばれ(かた)はされないよ。


 そのまま『ニクス』だよ。」



(ゆう)(こう)(てき)なのね。


 (はなし)()れてたわ。

 なんの(はなし)だったかしら?」



「この(かん)()(しゃ)って(せん)(じゅう)(みん)だと(おも)う。」



わたしは(ひら)いていた(ほん)(がい)(とう)()(しょ)()せる。



「あぁ、その(けつ)(ろん)ありきの(はなし)ね。」



サンサはテーブルを(ゆび)(さき)()()いて、

(はなし)(つづ)ける。



(かの)(じょ)(ひざ)(うえ)()りたアルが、

わたしの(かお)(のぞ)いてきた。



「ゴレムは()(そう)()ではないわよね。


 ()(がく)の5(だん)(かい)(ほう)()べなさい。」



「なに、(とつ)(ぜん)…。


 (かん)(さつ)(すい)(ろん)()(せつ)…、(けん)(しょう)(こう)(さつ)?」



(しん)(ほう)(ちゅう)()()()()て、5()になる。



(れっ)(きょ)した(ない)(よう)にサンサも(うなず)く。



()て、()(そう)して、()(てい)()き、

(しょう)()()て、その()(じつ)(しめ)す。



これが()(がく)の5(だん)(かい)(ほう)として、

いまも(はば)(ひろ)(ぶん)()(のこ)っている。



()(だい)から(ひょう)(じゅん)(さだ)めて()()けした

(がく)(もん)のことを、(ひろ)くは()(がく)という。



(ひょう)(じゅん)とは(よう)(りょう)(じゅう)(りょう)(きょ)()(かく)()などの

()()めのことを(しめ)す。



()(がく)とは5(だん)(かい)(ほう)()(かえ)し、()(ろん)()け、

(げん)(しょう)(もの)()しや(てん)(びん)(おもり)といった、

(ひょう)(じゅん)(つく)ることにある。



(ひょう)(じゅん)(もう)けることで、

(きょう)(つう)()されて()便(べん)(せい)(こう)(じょう)させ、

(こう)(へい)(せい)()たせることができる。



(ぶつ)()(てん)(たい)(うん)(こう)()(もの)

(のう)(ぎょう)()(りょう)には(ひょう)(じゅん)がある。



(たましい)などの()(そう)(かん)(そく)(しゃ)(しゅ)(かん)(つよ)く、

(きゃっ)(かん)(せい)()けて、(ひょう)(じゅん)がないので、

()(がく)とは()ばれない。



(ほん)()(すべ)てではないわよ。


 (すい)(ろん)として(みちび)くにしても(けっ)(てん)ばかりね。

 (けん)(しょう)(こう)(さつ)もされてないもの。


 (せん)(じゅう)(みん)という()(せつ)()てたのは、

 あなたがネルタの(しゅっ)(しん)だからかしら。


 (もの)(がたり)として()いた(ない)(よう)

 ()(じつ)ではないわね。


 (こん)(きょ)もなしに(ねつ)(ぞう)された(れき)()

 (がん)(ぼう)(そう)(さく)よ。


 ニクスは(こん)()、わたしの(げき)(じょう)

 ()(きょく)でも()いてみる?」



――(たし)かに、これは(がん)(ぼう)だわ…。



――(かん)()(しゃ)(たい)(りく)()(ほく)()(にゅう)(しょく)()(ろく)()(がい)

  ()(じゅつ)されてはいなかった。



――()ってたはずの5(だん)(かい)(ほう)()()して、

  (あい)(まい)(そん)(ざい)(かん)()(しゃ)なんてものに

  ()(ぼう)(いだ)いてしまったのね…。



()(てき)()ずかしくなって、

イオスを()()げて(かお)(うず)めた。



(ちゃく)(がん)(てん)(ひょう)()(あたい)するわね。」



(なぐさ)めの(こと)()をかけたサンサが、

アルの(まえ)(あし)()るとミャオと()いた。



(つぎ)(ほう)(れき)()でも調(しら)べてみたら?


 ソーマの()(しょう)()(ろく)

 ()らし()わせる()(ぎょう)(たの)しいわよ。」



「ソーマって(じつ)(ざい)するの?」



(にゅう)(しょく)(まつ)わる(ほん)()(ちょう)(ひょう)(げん)(おお)く、

(げん)(じつ)(ばな)れした(ない)(よう)(じつ)(ざい)(かん)(うす)れた。



(にゅう)(しょく)()(ろく)(しん)()でもないし

 ソーマは(かみ)でもないわよ。」



(ほう)(りつ)(たな)にある(ほん)

 (むずか)しそうで()んでなかった。」



()らないものがあるのは()いわね。


 なにも()らない(じょう)(たい)(たの)しめるのよ。

 (うらや)ましいわ。」



(かの)(じょ)はファウナと(おな)じことを()う。



「わたしはこれから(げき)(じょう)

 ()(たい)(じゅん)()()()けるから。


 ()(きょく)()()があるのなら

 ()れて()ってあげるわよ。


 テーブルを(かた)()けたらね。


 スーのベッドみたいにしないでよね。」



()ってらっしゃい。」



サンサの(さそ)いを(ことわ)ると

(きた)()(ぐち)から(やかた)()たはずの(かの)(じょ)が、

また()(ぐち)から()(かげ)(にわ)(もど)ってきた。



(はや)かったね。」



「ねぇニクスっ。

 ルービィってば(ひど)いのよ。」



(こん)()はなにをやらかして(しか)られたの?」



(いきどお)った真似(まね)をした(かの)(じょ)は、

二人(ふたり)(しょう)(じょ)()れてきた。



()()(いん)から(あず)かってきたから、

 (やかた)(あん)(ない)しておいてなんて、

 これから()()けるわたしに()うのよ。」



「あぁ、(せん)(こう)(かい)の…。」



一人(ひとり)()(おぼ)えがあった。



()()(いん)(せん)(こう)(かい)(さい)()(えら)んだ、

(とげ)(とげ)しい(ふう)(さい)のある(あか)(かみ)(しょう)(じょ)

トリンが(くら)()でわたしを()る。



挿絵(By みてみん)



もう一人(ひとり)(くろ)(かみ)()は、

ずっと()(がお)()やさずサンサを()ている。



(あか)るい(かっ)(しょく)(ひとみ)(かがや)かせているこの()は、

(よる)(やかた)(あこが)れを(いだ)()()(いん)()()ではない。



(くろ)(いろ)(しつ)()(うわ)()とチュニック、

(むな)(もと)には(きん)()(しょく)(しょ)(わた)らせて、

(かの)(じょ)(こう)()()(ぶん)(しめ)していた。



「ニクスに二人(ふたり)(まか)せてもいいかしら。」



「…(きょ)()する(けん)()()いもの。」



「ふふっ。(たの)むわね。」



()()(いん)(せん)(こう)(かい)

わたしがトリンを()したこともあり、

(てき)(にん)ではなくとも(せき)(にん)(かん)じて(りょう)(しょう)した。



サンサは二人(ふたり)()(かげ)(にわ)(のこ)し、

(あらた)めて(やかた)()ていった。



「わたしの()(まえ)はニクスよ。


 こちらは部屋(へや)()ってるイオス。


 ちなみにサンサが(かか)えてた

 (こん)(じき)()をした(くろ)(ねこ)

 アルというわ。」



イオスを()()げると、ビャオォと

(かす)れた(こえ)()いて()()(しょう)(かい)をする。



「みなさん、()(がみ)(さま)のお()(まえ)ですわね。」



チュニックの(しょう)(じょ)(じょう)(ひん)(はつ)(おん)する。



わたしは(よる)()(がみ)、イオスは(あかつき)()(がみ)



(よう)(えん)(だい)より(むかし)

()(だい)(しん)()()(しき)がなければ()()けない。



ただし(かの)(じょ)(かん)(ちが)いしている。



アルの()(まえ)は、

(しゅ)(りょう)(てい)(けつ)()(がみ)()(らい)ではない。



(よう)(さい)(まち)()()する()(だい)()()(らい)

サンサは()っていた。



()(だい)()(かん)する()(りょう)(しょ)(しつ)()く、

(しょう)(じょ)(けん)(かい)をわたしは()(てい)できない。



二人(ふたり)(たが)いを

 ()ってるでしょうけれど、

 (あらた)めて()(まえ)(おし)えてくれる?」



「トリン。16(さい)。」



――もう(せい)(ねん)なのね。



()()(いん)()られるのは

(せい)(ねん)になる16(さい)までで、

()()されてすぐ(せい)(ねん)になった()(あい)でも

(おん)(じょう)で1(ねん)(かん)(ゆう)()(あた)えられる。



(かの)(じょ)はなにか()(ゆう)があって()()(いん)(はい)り、

その(ゆう)()()(かん)にフランジに(えら)ばれた。



オーナーのルービィが()()(なか)から、

(せい)(ねん)(かの)(じょ)をドレイプにする(ため)

(ゆう)(せん)させた()(じょう)(そう)(ぞう)できる。



(わたし)()(まえ)はムネモスです。

 ()(がみ)(さま)(おな)()(まえ)ですが、

 (けん)(のう)()たないただの14(さい)です。」



「あなた、(とし)(した)だったの?」



ムネモスは()(くろ)(まゆ)(ほそ)(なが)(くちびる)で、

トリンに()(しょう)してえくぼを()せる。



挿絵(By みてみん)



ムネモスはトリンに(くら)べ、

(にく)()きも()くて()(たか)いので、

わたしよりも(とし)(うえ)()えた。



ムネモスも()(おく)(つかさど)()(がみ)()(まえ)で、

(りょう)(しゅ)(むすめ)であれば(かの)(じょ)はその()()()う。



(わたし)はまだ()(じゅく)

 ()()かない(てん)があると(おも)いますが、

 ご()(どう)のほどよろしくお(ねが)いします。


 お(ねが)いしますね、ニクス(ねえ)(さま)。」



(ねえ)(さま)?」



(おどろ)くわたしに、

ムネモスは(まばた)きをして、(ふか)(うなず)く。



トリンからも(うたが)いの()()けられる。



「わたしはあなたの(あね)ではないわ。」



「お(たが)いに(しょう)()のお手伝(てつだ)いでしたのなら、

 ()(まい)(かん)(けい)ではありませんか?


 ルービィも()っていました。」



オーナーの()(まえ)()されると(あさ)(にく)い。



(ねん)(れい)(ちか)()(おお)いと()きましたから

 (こころ)(づよ)いですね。」



()()ばかりなんだから、

 ()(まい)でも()(ぞく)でもないわよ。」



トリンは、ムネモスなど()にせず()(はな)つ。



トリンの()(けん)(どう)()しかけ、

わたしは(こう)(てい)(いた)らない(せつ)(めい)をした。



(しょう)()ではなくてドレイプと()ぶべきね。


 わたし(たち)はそのドレイプの手伝(てつだ)いをする

 ただのフランジよ。」



(いぬ)尻尾(しっぽ)()んでしまったんですね…。」



ムネモスが()(みょう)()(まわ)しで、

わたしを(いぬ)(たと)えて(しつ)(れい)なことを(つぶや)く。



「フランジのあんたは

 なにをしてるの? ここで。」



トリンはわたしの(うし)ろにある、

テーブルに()んだ(ほん)()ている。



(れき)()(ほん)(べん)(きょう)をしていたのよ。


 (そと)(さむ)いからこれからの()()

 (しつ)(ない)()むべきね。」



()(だん)、この(やかた)でなにをしているの?

 って()いたつもりだけれど。」



(かの)(じょ)()(もん)(くび)(たて)()る。



(しゅ)(こう)したものの、

わたしは()()(いん)から()たフランジとは(ちが)い、

(やかた)(おく)れて(はい)って(たい)(りょく)()(しき)もないので、

まともな()(ごと)(あた)えられていない。



――なにもしていないとは()えないわよね。



「なにか、(わたし)にできる

 お()(ごと)はありますか?」



ムネモスは(うわ)()(そで)(まく)り、

(ろう)(どう)()(よく)()せる。



「え? …()いわよ。」



(かの)(じょ)(そう)(ぞう)している(した)(ばたら)きの(ろう)(どう)は、

ドレイプを()()して(はたら)くフランジには

(もと)められていない。



「メグ。」



トレイに(さかづき)(かめ)()って

()(かげ)(にわ)にやってきた、

(じゅう)(ぎょう)(いん)のメグを()んだ。



(ぎん)(ぱつ)()(なか)()けて(ひたい)()すメグは、

わたしに()ばれると、(うれ)しそうに(ちか)()く。



挿絵(By みてみん)



「なぁに? あぁ、(あたら)しい()ね。

 (せん)(こう)(かい)の?」



メグの(くち)(もと)(かく)せないほど(ゆる)んでいる。



「トリンとムネモスよ。


 (あたら)しくフランジが(はい)ることは、

 もう()ってるのかしら。」



「オーナーから()らされてるわよ。


 これから()()(しょく)(にん)()るから、

 キーアとナディが(かた)()けに

 ()()かってるわ。


 ()(ごと)部屋(へや)()りもサャーミ、スレマ、

 カサドラの(はる)の3(にん)()めてたわよ。


 8(にん)()るなんて(にぎ)やかになるわね。


 みんな(たの)しみにしてるのよ。」



わたしがなにかを()うまでもなく、

メグは(あたま)(ふか)(てい)(ねい)()げて、

(しょく)(どう)(はい)っていった。



(みず)(はい)った(さかづき)二人(ふたり)(わた)す。



「ニクス(ねえ)(さま)は、

 この(やかた)(えら)いひとなのですか?」



「メグはオーナーが(やと)ってる

 (やかた)()(じゅう)(ぎょう)(いん)よ。


 わたしは二人(ふたり)(おな)じフランジ。」



「でしたら使()(よう)(にん)なんですね。」



使()(よう)(にん)でも()(れい)でもないわ。


 ここの(じゅう)(ぎょう)(いん)()(ごと)()まってるから、

 (めい)(れい)してはいけないわよ。


 それにここで(はたら)くひとは、

 ドレイプ()(がい)(しょく)(しょ)()らさないの。


 ()(ごと)(さまた)げになるものね。


 フランジもしないわね。」



「それは?」



わたしの(おび)(ひも)(むす)んだ

(せい)(どう)(かぎ)()()したトリン。



「これは(しょく)(しょ)ではなくて、ただの(かぎ)(ひも)よ。


 ドレイプの(ふく)をしまっておく()(しょう)(しつ)を、

 わたしが(かん)()させられてるの。


 (こと)()(せつ)(めい)するよりも

 (じっ)(さい)()たほうが(はや)いわよね。


 ついでに(かる)(やかた)(あん)(ない)するわ。

 まだ()てないでしょ?」



(おき)()()わりのイオスを()(はこ)び、

二人(ふたり)(やかた)()せることにした。




 ▶

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