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金貨の娘  作者: 之#u4e4b
第7章 群羊の空

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第7章 第3節 流水の渦(第1項)

サンサに()れられて()()(いん)()()し、

(かわ)沿()いの(かい)(どう)()た。



(かわ)()こうの(きた)(がわ)()(さん)(がい)()ばれる()()で、

(とお)()()ても(たか)(たて)(もの)(すく)なく、

(ちゅう)(しょく)(どき)(ため)(すい)(えん)(なん)(ほん)(のぼ)る。



(ふえ)(たか)()(いろ)(とお)く、

(たい)(がん)のこちらにまで()こえる。



(さい)(きん)(こう)()(すく)なく(かわ)(すい)(りょう)()り、

(きし)(ちか)()(しょ)(すい)(しん)(あさ)い。



(なが)れるゴミを()()っていると、

(なが)れに沿()って身体(からだ)(たお)れかける。



(すい)(りゅう)(とも)()(どう)していると(のう)(さっ)(かく)して、

()(もの)()いと(おな)じような(しょう)(じょう)()た。



水面(みなも)()かぶ(かも)

(はん)(しょく)(あい)()を求めて()()(ひろ)げる(さぎ)



挿絵(By みてみん)



わたしの(うで)(なか)

イオスが身体(からだ)(よじ)って()()そうとした。



(はる)(さき)(なが)めた(うん)()や、

(とう)から(なが)める(みずうみ)(くら)べて、

()るものが(おお)くて()(いそが)しい。



(あし)(もと)では(かめ)(きし)()かった(いた)()り、

(こう)()()し、(からだ)(あたた)めている。



挿絵(By みてみん)



(つみ)(いし)(じょう)になった(おや)()(かめ)



(わず)かな(あし)()(ほか)(かめ)(うえ)()り、

()()とされて(みず)()れても()()がってくる。



(とう)()らしていた(とき)(みずうみ)(かめ)(およ)姿(すがた)

()かけることはあっても、

こんなに(ちか)くで(うご)姿(すがた)()たことはない。



その(よう)()をしばらく()ていると、

(ふたた)(うで)(なか)でイオスが(あば)れて()いた。



「もう(まん)(ぞく)したかしら?」



「な…()ってたなら()んでよ。」



サンサが宝飾巾(ヴェール)(おく)

(こう)(かく)()げて()ていた。



()ずかしさが()()げてくる。



「レナと()わらないわね。


 (かん)(さつ)なんてしてたら()()れるから、

 もう()くわよ。


 (なが)(あめ)()わったのに、

 あそこでまだ(しゅん)(せつ)をしてるでしょ。」



(かわ)(じょう)(りゅう)になる西(にし)(がわ)は、

その(かわ)(はん)(ぶん)(いた)()()られて

(かわ)(はば)(ほそ)くなっている。



イオスがまた()いたけれど、

アルはサンサの(うで)(なか)(しず)かにしている。



(しゅん)(せつ)


 (てい)(ぼう)()(きょう)?」



(かわ)(ぞこ)(たい)(せき)(ぶつ)(はい)(じょ)して、

 (すい)(りょう)(すい)(しつ)(たも)()(ぎょう)よ。」



(かわ)(そう)()(しゅん)(せつ)って()うんだ。」



「あの()(しょ)(みず)()いて、

 (かわ)(ぞこ)()まった(おり)(さら)うのよ。


 (ひょう)(りゅう)(ぶつ)やゴミの(じょ)(きょ)(せい)(じょう)()()(ごと)ね。」



――(おり)



(かわ)には(むし)、お(さかな)などの(ちい)さな(せい)(ぶつ)()み、

()(みず)(くさ)(なが)れついた(えだ)()(から)まり、

(いし)()まって(そこ)には()(でい)(たい)(せき)する。



(かわ)(なが)れるのは(みずうみ)からの(みず)だけではない。



(あま)(みず)(せい)(かつ)(はい)(すい)()()(えだ)(どろ)

()てられた(ぬの)(よう)()()などのゴミが()ざる。



そんな(なか)でも(しろ)()()(おお)(がた)(とり)

(さぎ)(かわ)(ぞこ)(むし)(かい)()ようと、

(かわ)(ぎし)()って()(ぎょう)(いん)(たち)(よう)()(うかが)う。



「エルテルで()(さく)(つづ)けば、

 (ぶん)(すい)(がい)では(しょく)(りょう)

 ()られなくなってしまうもの。


 (だい)(すい)(がい)(きょう)(くん)

 (みん)(しゅう)から(ぜい)(あつ)める(こう)(じつ)(ひと)つね。」



「あ、『()(ぜい)』だね。」



(しい)()(ふだ)(あそ)びでも使(つか)われる(こと)()



(ほし)(ふだ)()(じょう)()せば、()された(あい)()

(ほし)(ふだ)(まい)(すう)だけ()()から(ふだ)(えら)んで、

()(ふだ)(くわ)えなければならない。



(しゅん)(せつ)()(ぎょう)()では

()(ども)(たち)(つる)(くさ)()まれた(かご)で、

(みず)(ふく)んだ(おも)たい(どろ)(はこ)んでいた。



(どろ)(よご)れたチュニックに()(つつ)み、

()(れい)か、()(さん)(がい)()かもしれない。



かれらを(かん)(とく)する()()けた大人(おとな)(たち)は、

()()った(よご)れのない(ふく)(こう)(しょう)して

(みち)(ばた)()(おんな)(うで)()()って(からか)う。



(らん)(ぼう)にされると(おんな)頭巾(フード)()れて、

(みじか)()られた(あか)(かみ)(あら)わになる。



(ひざまず)(おんな)姿(すがた)(おとこ)(たち)(ちょう)(しょう)する。



()(ぎょう)(すす)んでいないのも(こま)ったものね。」



「オレ、やってたぞ。あれ。」



グルグスが(しゅ)(ちょう)した。



「レナが()()って

 ルービィがあなたを()ったのよね。」



「お(じょう)(かん)(しゃ)してる。」



(かれ)()(はだ)(しろ)()()せて(わら)う。



グルグスという(たい)(りく)()()(らい)()(まえ)

ファウナが()うには、(ねこ)(くつろ)(とき)

()らす(のど)(おと)から()ているらしい。



「グルグスくらい(ゆう)(しゅう)(じん)(ざい)が、

 1,000(にん)()たら(おう)(ふく)ポンプが

 使(つか)えたわね。」



(ろう)(りょく)()()(づか)いだよ。」



サンサの(てい)(あん)には(そう)(ぞう)()いつかない。



(うま)なら(わず)か250(とう)()むわよ。」



「まだ(おお)いよ。」



(まち)(ちゅう)(しん)(つな)がる(ひろ)(かい)(どう)とはいえ、

(かず)(おお)さが(そう)(ぞう)()えてしまう。



(おう)(ふく)ポンプも()(あつ)使(つか)えば、

 (ろう)(りょく)()らせるよね?」



()(じゅつ)(どう)()()()だけではなく、

 ここには(けん)()(もん)(だい)(ふく)まれるわね。


 (かわ)(はし)(つく)ってお(しま)いではないもの。


 ()()(かん)(きょう)()()するには、

 (せい)()()かせない()(ごと)よね。


 (かわ)(かぎ)らず、(ゆか)(いし)(みち)(おな)じ。

 (すな)(はら)わなければ()もれていくのよ。


 (まち)(しょう)(ちょう)になっている(しょう)(ろう)

 (けん)(ろう)なあの(ぼう)(へき)も、()()れしなければ

 やがて(ふう)()していつの()(くず)れるわね。


 (せん)(そう)()きなくても、

 ()(ぜん)(ちから)には(あらが)えないものよ。」



(せん)(そう)…。」



(みなみ)のネルタと西(にし)のカヴァとの(なが)(せん)(そう)は、

ネルタの(めつ)(ぼう)という(かたち)()わった。



(ぶん)(すい)(がい)(みどり)(みず)(ゆた)かで(まい)(にち)(にぎ)わっていて、

(せん)(そう)(かん)(けい)のない(おだ)やかな(まち)()えた。



そんな(かんが)えに(ふけ)っていると、

(かみ)(みじか)(しょう)()(からか)った(ろう)(どう)(しゃ)

()(えい)とのあいだで(けん)()(はじ)まった。



「ニクス。()くわよ。」



サンサの()()けにイオスが()いた。



(たい)(よう)はまだ(たか)()()にあり、

(まち)(なん)(ぼく)()かつ(かわ)(みぎ)()(まえ)にして

ドレイプ姿(すがた)のサンサの(うし)ろを(ある)く。



(おお)(おとこ)のグルグスがついて(ある)くので

わたし(たち)()(せん)(あつ)まる。



(ぶん)(すい)(がい)(ひがし)(がわ)(きた)(がわ)(はさ)んで(なが)れる(かわ)

()(さん)(がい)との(きょう)(かい)



(じゅう)(たく)()(せい)(じゃく)と、(かい)(どう)(はし)()(しゃ)(きし)み、

(ろう)(どう)(しゃ)(たち)(けん)(そう)()()じる。



「わたしから(はぐ)れると、

 (まっ)(くろ)(ふく)()たひと(たち)

 (まっ)(くろ)(ふくろ)()れられて

 (まっ)(くら)()()()れていかれるわよ。」



(くろ)(いろ)のキャシュクとスラックスを()いた、

オーブの(くろ)(しょう)(ぞく)姿(すがた)(にん)(げん)(かお)()ける。



頭巾(フード)宝飾巾(ヴェール)(かお)(かく)したひと(たち)



わたしはサンサの(じょう)(だん)()()けず

(だま)ったまま(うし)ろを(ある)く。



(かの)(じょ)(ひと)(さら)いに()()てたひと(たち)は、

マルフの(かい)(しゃ)(せい)(じょう)()(じゅう)(ぎょう)(いん)だった。



かれらは(かい)(どう)(ある)き、(うま)(わす)(もの)(ひろ)い、

(こう)(きょう)()(あら)(じょ)()(よう)(ぶつ)()()る。



()()(ひろ)(あつ)めたり

(しょく)(ぶつ)()()れを(おこな)うので、

かれらの()(ごと)のおかげで

(まち)(けい)(かん)(たも)たれている。



「ニクスに(こわ)いものって()いのかしらね。」



サンサやスーが(この)んで(はな)すような

()()からの(しん)(にゅう)(しゃ)(ひと)(さら)い、(そう)(ぞう)(りゅう)など

(はなし)(なか)(そん)(ざい)(こわ)がってみせたところで、

(あい)()(よろこ)ばせるだけでそこには(まな)びがない。



(よる)()()(みず)()(じゅ)(えん)での(どく)といった

(きょ)(こう)()ぜた(えん)(きょく)(くん)()とその(こう)()よりも、

わたしは(こう)(しょう)(かん)(しん)(いだ)く。



(ろう)(そく)(かた)めた(つばさ)(そら)()んだ、

ヴィカロスの(はなし)がその(ひと)つだった。



「レナなんて(こわ)がって、

 ()いて(よる)まで()きついてたのよ。」



わたしもいまのレナタもそんな(はなし)()いて、

(だれ)かに()きつく(ねん)(れい)ではない。



「…それ、(おお)(むかし)(はなし)だよね?」



(おお)(むかし)ではないわよ。(さい)(きん)よ。


 レナが4(さい)くらいね。」



「6(ねん)(まえ)(さい)(きん)でもないよ。」



()()(こわ)いって()いてた(はなし)()きたい?」



「またレナを(だま)して(からか)ったの?」



レナタは律儀(りちぎ)(せい)(かく)(わざわ)いして

サンサに(だま)されてしまう。



「わたしは(だま)して()いわよ。


 そう()って(だま)したのはノーラよ。


 あの()(じゅん)(すい)さに、

 わたしは()(あん)じてるくらいよ。」



()(しょう)するサンサの(こと)()(しん)じず、

わたしは()(なが)した。




 ◆




わたしの(えら)んだ()()(たち)は、

どこかフランジやドレイプと

()(かよ)って()えた。



(やかた)()んでいる(かの)(じょ)(たち)()まりがあり、

(しゅつ)()()わず、(おお)くを(しゃべ)ったりはしない。



スーのように

()(ぞく)のお(じょう)(さま)(しょう)する()()る。




(やかた)()まりを(やぶ)るのはスーか、

(どう)(くつ)(こう)(こう)(ちょう)(むすめ)(しょう)したファウナになる。



「メノーが()めるから(あつ)めるから、

 フランジを()やすんだよね。」



()めて(こう)(じょう)(はたら)いたり

 (じゅう)(ぎょう)(いん)(えら)()(たち)()るけれど、

 ()()(ねん)に2(かい)だけ

 (せん)(こう)(かい)をして()れるのよ。


 (なつ)(ふゆ)では

 (しょく)(ちゅう)(どく)(びょう)()になったりするもの。


 (けん)(こう)()(えら)ぶのはむずかしいわね。」



(かの)(じょ)(ろう)(じん)(びょう)()んでしまった

ウラのことを()っている。



(せん)(こう)(かい)()()をフランジにする(もく)(てき)で、

 ()()(いん)から()ってるんだね。」



「なにを(かん)(ちが)いしてるの。

 ()ってはいないわよ?


 この(まち)(ほう)(りつ)では

 ()()(いん)()(ども)()ってはいけないし、

 ()(ども)()ったりもできないのよ。」



「オーナーが

 あの()()(いん)(けい)(えい)しているわけ

 でもないんだよね?」



「ルービィは()()(いん)(うん)(えい)

 (くち)()しはしていないし、

 (えん)(じょ)(きん)()(はら)っているだけの

 ただの()(えん)(しゃ)


 ドレイプになりたがる()()(たち)の、

 (こう)(けん)(にん)になっているのがナルキア()よ。」



()()(いん)()(ども)()ってはおらず、

()()(いん)()(えん)(ほう)(しゅう)()(ども)()ている。



「それって…(かく)(にん)するけれど

 (なか)()(おな)じだよね。」



わたしに()(わく)をかけられても、

(かの)(じょ)()(なお)(うなず)く。



(ふくろ)()えただけね。


 (ほう)()(みち)


 西(にし)(れん)(ちゅう)とは(ちが)って、

 (みち)(はず)れてはいないわよ。」



「それってユヴィルのこと?」



「ふふっ…。

 それに()()(いん)(いち)(ばん)(おお)くの

 (えん)(じょ)(きん)()してるのは、

 (ぎん)(こう)()のオーネック・マイダスよ。」



(ぎん)(こう)が? お(かね)(かん)()するのに?」



(かれ)(かね)()(れい)だなんて

 (あざけ)られているものね。


 ()()(いん)(えん)(じょ)する(かれ)()(ぞく)のあいだで

 (とく)()()なんて()ばれたりするのよ。」



「それ(ほん)()んだわ。


 ()(ぜん)()(ぎょう)っていうの?」



わたしの()(もん)(かの)(じょ)(かた)()らして(わら)う。



「ふふふっ。

 ないわね、そんなものは。


 (きょ)(しょく)使(つか)(かた)()(だい)よね。


 (ぎん)(こう)()(まい)(とし)

 ()(ども)()(あつ)めてるのよ。」



(ぎん)(こう)が?」



(しょう)(かん)(ちが)い、()()(ぎん)(こう)(むす)びつかない。



(なん)(ぜん)()()(きゃく)(かわ)()()すのに、

 (すう)()(とく)()()(なん)(びゃく)(まん)(かい)もの

 (けい)(さん)(どう)()にさせるの。


 (けい)(さん)(あやま)ちがあれば

 それは(ぎん)(こう)(そん)(しつ)になるし、

 (しん)(よう)(そん)じるものね。」



(かい)(すう)(すう)()だけで()いそう。


 それだけ(おお)くの(けい)(さん)ができるのなら、

 (ぎん)(こう)なら(しい)()(ふだ)()(かた)も、

 (はん)(だん)できたりするのかな?」



(しい)()(ふだ)(あそ)びは

(あい)()()せる(ふだ)()(そく)して(しぼ)っていき、

(さい)(しゅう)(てき)(あい)()より(ゆう)()(ふだ)(なら)べる。



一人(ひとり)25(まい)(ふだ)でも、

(ふだ)()()わせは6(ばい)()(じょう)にもなった。



挿絵(By みてみん)



(かい)(ふだ)(ぜん)()紋標(スート)()()えて(かぞ)えれば、

()()わせはさらに()える。



「25(まい)しかないのに

 あれで10(じゅん)(ふだ)(なら)べれば、

 10(おく)()(じょう)(ぶん)()ができるんだよ。」



(ふだ)を2(まい)ずつ10(かい)(のぞ)いていくと、

(ぶん)()は10の9(じょう)(かる)()える。



(きょう)(こう)(ふだ)(ふく)めた(とき)の0の(しょう)(にん)(ふだ)や、

宝飾巾(ヴェール)した(ふだ)(かい)(しゅう)もあって、

(けい)(さん)(ふく)(ざつ)になってしまった。



(さい)(きん)ずっと(しょ)()(ばん)(かさ)ねて

 なにか(けい)(さん)していると(おも)えば…。


 (つぎ)(てん)(たい)(ぶつ)()(けい)(さん)でも

 (はじ)めるつもりかしら。


 (ねこ)にでも(そう)(だん)したらどう?」



アルとイオスが(じゅん)()いた。



(ぶん)(すい)(がい)にはそんな()(まわ)しがあるの?」



「ふふっ。

 (そう)(だん)すれば

 (あん)(がい)それで(ひらめ)くかもしれないわよ。」



サンサがアルやイオスに

(はな)()ける姿(すがた)をよく()た。



(からか)(かの)(じょ)のそんな(はなし)を、

わたしは()()けるわけがない。



()()(いん)への(えん)(じょ)(きん)()()いても、

 (ぎん)(こう)(ゆう)(しゅう)()(あつ)められるから

 (けっ)()として(もう)かるのよ。」



「まだ(みの)っていない(はたけ)を、

 ()()ごと()うんだね。」



(けい)(やく)()みの(はたけ)よ。

 ()うのは(なえ)ね。」



「それも(こと)()(あそ)びだよね。


 (えら)ばれなかった()はどうなるの?」



()(めい)ね。

 あなたは()かってるのに

 (こた)えから()(そむ)けているのよ。」




サンサの()(けん)(ただ)しい。



()()なわたしの(かんが)えは、(すい)(ろん)()ぎない。



(せい)(ねん)になれば(いん)()()されて、

 (しょう)()になるんだね。」



「なにかしらの()(ゆう)()()されると、

 (おん)(じょう)で1(ねん)(かん)(ゆう)()(あた)えられるわよ。


 それでも()(さき)(かぎ)られるわね。」



(おんな)では()(しき)()(じゅつ)があっても

()()がなければ、レナタのように

()(こう)(せい)()になるのも(むずか)しい。



(しょう)()(ひつ)(よう)なものはなにかしら?」



「…(ふく)?」



()(もん)(ふく)まれるわたしの(けん)(かい)に、

サンサは(はな)(わら)って(かえ)す。



身体(からだ)()るだけなら

 (ふく)だけでも(じゅう)(ぶん)よね。


 あそこに(たい)(しゅう)(よく)(じょう)があるでしょ?」



(かお)()けた(かわ)()こう(がわ)



(きた)()(さん)(がい)に、

(たか)(えん)(とつ)()っている。



そこがサンサの(しめ)した(たい)(しゅう)(よく)(じょう)だった。



「ひとは()(せん)(しょく)(ぎょう)(かか)わらず

 (しょく)()(けん)(こう)(ひつ)(よう)になるわね。


 パンとお(さけ)で4ルース。

 お()()は8ルース。


 これだけでは

 ()きていけないわね。」



()(なん)(じょ)()るとして、

 お(にく)とお()(さい)?」



サンサはまた(はな)(わら)った。



(ぶん)(すい)(がい)(がい)(しょう)として(はたら)くには

 ()(ぶん)(しょう)(ひつ)(よう)で、それを()るには

 (ぜい)を3,600ルースは(おさ)めなくてはいけない。


 (いち)(にち)あたり10ルースが(ぜい)ね。


 (きゃく)(がい)(しょう)()(はら)(さい)(てい)(げん)(ほう)(しゅう)は、

 22ルース()(じょう)(まち)(ほう)(りつ)

 (さだ)められてるのよ。」



(しょう)()(しゅう)(にゅう)(はん)(ぶん)(ちか)くは(ぜい)(きん)という。



「そんな(ほう)(りつ)(したが)えば、

 (さい)(てい)(げん)のお(かね)しか()(はら)わないよね。


 (よる)(やかた)は?」



(よる)(やかた)(こう)(しょう)(かん)とも(ちが)うわよ。


 いまは(さい)(てい)でも

 10,000ルースくらいかしら。


 ここでの(もん)(だい)(やかた)(ぞく)さず、

 部屋(へや)()たない()(りゅう)(がい)(しょう)よね。」



()()いて(しょう)()(たち)(けん)()()ても、

(きょ)()(はな)れてしまって(よう)()()からない。



(ぜい)(きん)()(はら)(ため)

 みんな(はたら)いてるみたい。」



(げん)(ろう)(いん)(こう)(しょう)(かん)から(ぜい)(しゅう)()

 ()(ふく)()やしたくても、

 (がい)(しょう)()(じょう)()やして

 (ふう)()までは(みだ)したくない。


 (きん)(こう)(たも)たなければいけない。」



(きん)(こう)って(じゅ)(よう)(きょう)(きゅう)とか、

 (ぜい)(しゅう)()(あん)(てん)(びん)だよね?


 この(まち)(そと)(しょう)()(がい)(しょう)ををやるとか?」



(しゅう)(にゅう)()(しょう)されなくなるわね。


 (ほう)(しゅう)(さだ)められていなければ、

 22ルースの(はん)(ぶん)()(はら)われないのよ。


 (まち)西(にし)(がわ)なんて(ほう)()(とど)かないもの。


 ()(さん)(がい)()(がい)(しょう)(あい)()には

 (きゃく)(しつ)(わる)いのだから、

 5ルースさえも()られないでしょうね。


 (かせ)げないからという()(ゆう)で、

 (ふく)(すう)(にん)(どう)()(あい)()する(がい)(しょう)()るわ。


 それに()(えい)(やと)えないから

 (ほう)(しゅう)()(はら)われずに()げられたり、

 (なか)には(ころ)されてしまう()()る。


 ()(あん)(きゃく)(そう)(もん)(だい)もあって

 (にん)(しん)すると(はたら)けないわね。」



――ドレイプと(しょう)()(ちが)い。



「あ、だから(しょう)()ではなくて、

 ドレイプって()()ってるの?」



――(なか)()(おな)じで(ふくろ)()える。



宝飾巾(ヴェール)(おく)でサンサが(わら)った。



「ドレイプなんて()()ってるけれど、

 (しょう)()の100(ばい)(ぜい)()(はら)ってるわよ。」



()(ゆう)()からずわたしは(くび)(ひね)る。



(こう)(しょう)(かん)(しょう)()(かぎ)らず、

 (かっ)()にドレイプなんて

 ()()られたら(めい)(わく)だもの


 ドレイプは(よる)(やかた)のみの、

 ()()ある(そん)(ざい)であるべきなのよ。


 ユヴィルの(しょう)(かん)でも

 (やみ)(やかた)としか()()れない。


 それに()()(いん)()(ども)をフランジと()んで、

 (しょう)()()(ごと)手伝(てつだ)わせてるのだもの。


 ()(かい)(だま)って(もら)うには、お(かね)(いち)(ばん)よ。」



「それって…。」



(しん)(よう)はお(かね)(かい)(けつ)するのよ。


 (ぎん)(こう)()もやっているもの。」



(こう)(どう)(しめ)すものではないの?

 (しん)(よう)って。」



()(ぜん)、サンサが()っていた(こと)()なのに、

(こん)(かい)(ちが)(ほう)(ほう)(しめ)していた。



「みんなで(わる)さをすれば、

 なにも(もん)(だい)にはならないのよ。」



(じゅう)(ざい)(にん)(きょう)(はん)(しゃ)()やしてる…。」



――サンサはこんなひとだったわ。



わたしは(ひと)()(いき)()いて、

また(かの)(じょ)(うし)ろを(ある)いた。




 ▶

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