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金貨の娘  作者: 之#u4e4b
第6章 暗晦の道(後)

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第6章 第5節 十二の歴(第3項)

()(きゅう)()()(ぐち)になっている(みなみ)(がわ)にも、

(とびら)(はさ)むようにして(ふた)つの()がある。



(ひだり)()には(ほのお)(つつ)まれる(いのしし)(かい)(ぶつ)

(みぎ)()には()()(きょ)(だい)蜥蜴(とかげ)(かい)(ぶつ)

(たたか)うソーマの姿(すがた)()かれている。



これはまだ(ほん)()んだことはない。



(りゅう)という(でん)(せつ)()(もの)です。」



(りゅう)(しん)()にも(とう)(じょう)する。



(しん)()(りゅう)は、(せい)(れい)(たち)(てい)(えん)()っている

100の(あたま)()(へび)姿(すがた)(せい)()にもある。



この(せい)()はゼズ(とう)からは(かん)(そく)できない。



(どう)(くつ)(こう)(そと)(うみ)には(りゅう)(そん)(ざい)して、

(がい)(てき)からゼズ(とう)(まも)っている

(しん)じられていた。



(じつ)(ざい)しない(そう)(ぞう)()(もの)だよ。


 (ほん)(とう)()()いたら

 (くちびる)火傷(やけど)するからね。」



スーの()(そく)にレナタが(そう)(ぞう)して(わら)っている。



「『()(しゃ)(ほのお)(あが)める』っていうよね。」



「ねえ、それ。


 (たし)(まえ)()いたけれど、

 『(けもの)()(おそ)れ、(けん)(じゃ)(ほのお)(あやつ)る。』

 って、こちらでは()わないの?」



わたしの(こと)()

スーとレナタは(かお)()()わせる。



(しま)(なん)()では()いますね。


 (ほのお)(あやつ)(りゅう)

 (かみ)(がみ)姿(すがた)()えられた(ばん)(ぞく)です。


 カヴァやオーブで(りゅう)(とう)(ばつ)したソーマが、

 ()()()(はい)したので(りょう)(しゅ)になりました。」



「カヴァは(おう)(さま)だね。


 (たい)(りく)では(どう)(ぶつ)(しゅう)()使(つか)うからかな。


 (なん)(ぽう)のクレワは(おお)鹿(じか)(つの)

 (ほっ)(ぽう)のソーンは(おお)蜥蜴(とかげ)


 (ちゅう)(おう)のラギリは

 (たい)(りく)()()(だい)(じゃ)。」



挿絵(By みてみん)



「エルテルは(いぬ)ですよね。」



(しゅう)()(たい)(りく)()(らい)だから

 エルテルは(ちゅう)(じつ)(ぼく)(よう)(けん)だね。


 (はん)(とう)のエンカーは()(がい)(こつ)


 メーニェの(しゅう)()はラッガだもん

 (とう)(いつ)はされてないね。」



スーの(せつ)(めい)にレナタは(うなず)く。



挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)



わたしは(しま)(れき)()(うと)く、

(おも)()かれた(どう)(ぶつ)(さが)して()(まわ)る。



ラッガは(ふね)(けい)(りゅう)したロープから

(ねずみ)(しん)(にゅう)(ぼう)()する(ため)(えん)(すい)(がた)(どう)()で、

(どう)(くつ)(こう)での(ねこ)(ぞく)(しょう)だと

ファウナが(せつ)(めい)してくれた。



(ねこ)姿(すがた)(へき)()()かれていない。




「あれ…?」



わたしは(しゅう)()()(わた)す。



「どうしたの?」



(きた)(がわ)(どう)(くつ)(こう)、ゼズ(さん)(みゃく)、メルセ(りょう)

(ひがし)にはエルテル(りょう)、オーブ(りょう)西(にし)(ぶん)(すい)(がい)

(なん)西(せい)にはカヴァ、()()(ぐち)(りゅう)()



半球形(ドーム)(みなみ)(がわ)には、

(てん)(がい)(さん)(うす)()かれている。



けれどその(ふもと)

ネルタの(みずうみ)()いた()はない。



「あれは…?」



わたしは()()(ぐち)(じょう)()()()した。



(はしら)から(ひかり)()たらない()(しょ)に、

(まっ)(くろ)なモザイク()()められている。



(ひかり)()(げん)(うす)()()(はい)って()えた。



「あれも()なのかな?


 13(まい)()? なにかしらね。」



「あ、もしかして、

 (ほし)(どり)()れですか?」



と、レナタが(すい)(ろん)(くち)にした。



そんな(はなし)(かの)(じょ)()(ぜん)したことがあった。



(きん)(そく)()よ。」



(しん)のある、(かす)れた(こえ)()(きゅう)(ひび)いた。



わたし(たち)(そろ)って(うえ)()ていると、

(しょう)(めん)(しょ)(ろう)(おんな)のひとが()っていた。



「わっ!」



(おどろ)いたレナタがわたしの(うし)ろに(かく)れる。



「こんにちは。アイリア。


 (らい)(きゃく)(ちゅう)だったから、

 こっちで()たせてもらってたよ。


 あれが(きん)(そく)()?」



(はく)(はつ)()じりの(あか)(がみ)()つアイリアは、

(あお)(むらさき)(いろ)()められたキャシュクを()る。



挿絵(By みてみん)



(たい)(へん)(なが)らくお()たせしました。」



わたしくらい()(がら)なアイリアは、

(ふか)(あたま)()げてさらに(ちい)さくなる。



二人(ふたり)(しょう)(かい)するね。

 こっちは(わたし)(どう)(しつ)のニクス。


 と、こっちの()はイオスね。」



イオスがビャオと()いて(あい)(さつ)をしたので、

わたしは(せま)(ひたい)(ゆび)()でる。



「この()()ってると(おも)うけど、

 メノーの部屋(へや)のフランジで。」



「はっ、はじめまして、アイリア()(こう)


 (ほん)(じつ)は、()(ちょう)なお()(かん)をいただき、

 ありがとうございます。


 (やかた)のモザイク()をずっと()(そだ)って、

 それから、()(じゅつ)(かん)(しん)(さく)があれば、

 (かなら)()()きます。


 あの、お()いできて、(こう)(えい)です。」



「…レナタね。」



(かの)(じょ)()()(しょう)(かい)から

(ひと)()(きゅう)()いてスーが(つづ)けた。



レナタは(ゆか)(かた)(ひざ)()いて、

(こうべ)()れる()(だい)(あい)(さつ)姿()(せい)から

(うご)けずにいた。



(しょう)(かい)()()んだ(しっ)(たい)()()いたレナタは、

わたしを()(かお)(あか)くする。



「へぇ、(たて)(もの)(なか)

 こんな(さく)(ひん)があんのか。」



アイリアの(うし)ろに(ぎん)(いろ)(おんな)()つ。



「フルリーン?」と、わたしが()(まえ)()ぶ。



アイリアも(おどろ)いて()()いた。



フルリーンの(うし)ろで(こま)(がお)のマーリャが

また(ふか)(あたま)()げている。



挿絵(By みてみん)



オーブ(りょう)(しゅ)(そく)(じょ)

(くろ)(しょう)(ぞく)姿(すがた)のフルリーンが()(きゅう)(あらわ)れたので

わたしも(おどろ)いていた。



「スーとニクスだ。


 (げん)(かん)()(おぼ)えのある

 (たい)(りく)(じん)()(えい)()たからな。」



「アイリアの(せん)(きゃく)って

 フルリーンだったんだね。」



アイリアの(きゅう)(らい)(きゃく)とは(かの)(じょ)のことだった。



今日(きょう)もフルリーンは

(ぼう)(しゃ)(りん)()けた(りょ)(こう)(かばん)()いている。



「いえ…。その…。」



アイリアは()()らして(こと)()(にご)す。



「あたしが(きゅう)(たず)ねてきたんだよ。


 (こう)(ぼう)使(つか)ってる(どう)()()たくてな。


 あのテーブルを(つく)った()(こう)だろ?

 こんなのも(つく)ったのか。」



()(きゅう)(ない)()(はじ)めて()たフルリーンは、

(ほのお)(つつ)まれる(いのしし)()(こう)(ふん)する。



「…ニクス、あちらはどなたですか?」



()(げん)(かお)()かべるレナタが

わたしに(みみ)()ちする。



「レナタも()ってるフルリーンだよ。


 オーブのサンサだって。」



「サンサ?」



(かの)(じょ)(まばた)きを()(かえ)した。



(せん)(せん)(だい)(りょう)(しゅ)グレイに()()けられた。


 (せい)(しき)()(まえ)はオーブ・ネク・サンサだが、

 いまはフルリーンを()()ってる。


 あんたは?」



「あっ。あの…。」



レナタはわたしの(うし)ろで(おび)えている。



(かの)(じょ)はレナタよ。

 わたしと(おな)(やかた)のフランジ。」



(しょう)(かい)(わす)れられたイオスが(こう)()()いた。



「この()はイオスね。」



「よろしくな。


 ニクスと(おな)(しょう)()()(なら)いか?

 また、さらに(ちい)さく()えるな。


 (ぶん)(すい)(がい)(まず)しいのか?」



(かの)(じょ)はまだ10(さい)だもの。


 あなたの(はつ)(いく)()さと

 (くら)べてしまうのは(だれ)だって(こく)よ。」



レナタは10(さい)でも、メノーの部屋(へや)

フランジだけあって(はつ)(いく)()(ほう)だった。



(よう)(へい)(あい)()でも(もの)()じしないフルリーンが、

まだ16(さい)という(ほう)(しん)じられない。



「へぇ。10(さい)で? 10(さい)…?」



(かの)(じょ)(たず)ねて(くび)(ひね)ると、

(りょう)(うで)()んでレナタを()つめる。



「…なんでしょうか?」とレナタ。



レナタはドレイプの(なか)でも(さい)(ねん)(しょう)なので、

いまも()(ぶん)(しん)(ちょう)(なや)んでいる。



(はなし)()れてるよ。」と、スーが()(てき)する。



「あ、あの()(はなし)ね。」



キャシュクを(つか)んで(おび)えるレナタの

(まえ)()ってわたしは(くろ)()()()した。



「それでアイリア。


 どうしてあそこだけ(まっ)(くろ)なの?」



「なんだあれ?」



(きん)(そく)()だって。」



スーは(ぶん)(すい)(がい)(かこ)(ぼう)(へき)より(みなみ)

(きん)(そく)()()ぶ。



(ぼう)(へき)より(みなみ)のネルタで(そだ)ったわたしは、

(てん)(がい)(さん)(ふもと)(ふか)(もり)(きん)(そく)()()んでいた。



「あぁ、それなら(らい)(てい)か?」



フルリーンの(こと)()

アイリアは(くち)(もと)(ゆる)ませて(ふか)(しわ)(つく)った。



「はい。(らい)(てい)です。」



(らい)(てい)? …って(しい)()の?」



(のこ)り3(まい)()(ふだ)で、

 100を(つく)ることだね。」



スーがレナタにも()かるように(せつ)(めい)した。



(しい)()(ふだ)(あそ)びで()(ふだ)(のこ)りが

(まい)(とき)に、

100の(あたい)(つく)って()(ふだ)()くすことを

(らい)(てい)()ぶ。



(はじ)めて(しい)()をした(とき)(らい)(てい)(つく)ったのに、

スーには00の2(まい)(かい)(じょ)されて、

()ちが()()されてしまった。



(かの)(じょ)はさらに(ただ)しい(せつ)(めい)をした。



(きん)(そく)()()()んだソーマは

 (らく)(らい)()って()んだ、

 とする(せつ)があるんだよ。


 それを(らい)(てい)って()んだんだって。」



(きゅう)(でん)()()でもしたのかしら…。」



(つぶや)きながら、わたしはどこかで()いた

()たような(はなし)(おも)()そうとしたけれど、

()(まえ)()()()まれていった。



「…(たし)かに(あお)(じろ)(すじ)()えるね。」



(くろ)(いろ)のガラスはやや(あお)く、

()()(つな)がっていて(ひかり)(すじ)()かぶ。



(かみなり)()()みは(ほん)()んだことがある。



(くも)(なか)(あつ)まった(みず)(りゅう)()()えて(こお)り、

(ひょう)(しょう)(どう)()(こす)()うと(らい)()()()む。



(あつ)まった(らい)()(くう)()(ねっ)し、

(きょう)(れつ)(はっ)(こう)をする(げん)(しょう)(かみなり)()ぶ。



(くも)(なか)(ほう)(しゅつ)された(らい)()が、

(あつ)(ひく)()(めん)へと()びると(らく)(らい)になる。



(らい)()(ほう)(しゅつ)(しゅん)()(ねっ)せられた(くう)()

(なべ)(ぞこ)()(あわ)のように(きゅう)(げき)(ぼう)(ちょう)し、

(おと)(なみ)(つく)って(みみ)へと(つた)わる。



フランジはこの(おと)

(りゅう)()(ごえ)()んで(おび)えていた。



「あれが()えません…。」



(つぶや)くレナタ。



わたしと(たい)()のない(しん)(ちょう)(かの)(じょ)でも、

(とびら)(うえ)(しろ)(すじ)()えない(たか)さでもない。



「ほいよ。()えるか?」



「わっ! あの! ちょっと?」



レナタはフルリーンに(りょう)(わき)(つか)まれて

()()げられた。



この(こう)(けい)(たま)(いし)(にわ)()(おぼ)えがある。



「あった! ありましたよ!

 もう()えましたから()ろしてください!」



「フルリーン。

 (とつ)(ぜん)そんなことやったら(おどろ)くでしょ?」



(かの)(じょ)(おな)じことをレナタにしたスーが()う。



「そっか。(わる)かったな。」



「いえ。」



(かの)(じょ)はドレスを(なお)(うご)きで(かん)(じょう)(しず)める。



「レナタ。なにがあったの?」



「セリーニです。セリーニ。」



(こう)(ふん)()()()うレナタ。



(くろ)(いろ)のガラスを()ただけの(かの)(じょ)が、

なにを()いたいのか()からない。



「セリーニって、

 (つき)()(がみ)()(まえ)だよね?


 それがどうしたの?」



()(がみ)(やま)()(にん)(げん)()れて、

 そいつを(ねむ)らせて()(ろう)()()

 しちまう(はなし)だったよな。」



「そんな(こわ)(はなし)だったかしら?」



「なんだか(ちが)いますけれど…。」



(つき)()(がみ)セリーニは、()れた(おとこ)

寿(じゅ)(みょう)(かぎ)られた(にん)(げん)であることを(なげ)き、

(かみ)(ちから)でその(おとこ)()(ろう)()()(あた)える。



しかし()(ろう)()()にした(だい)(しょう)で、

(おとこ)(えい)(えん)(ねむ)りについてしまう。



この(しん)()がオーブ(りょう)では、

(かみ)(そん)(ざい)(おそ)れさせる(はなし)へと(かわ)わっていた。



レナタの(はっ)(けん)(うなず)くスーは()かった(よう)()で、

わたしもフルリーンもスーの(かお)()た。



(ふた)(かさ)なった(まる)だね。」



スーは(りょう)()()()()()()(つく)って、

それを(はん)(ぶん)ほど(かさ)ねる。



(たい)(よう)()らされる(つき)()(よう)


 これを(つき)()(がみ)のセリーニっていうの。

 (しゃ)(りん)って(せつ)もあるね。


 (きた)(かわ)()こうには

 セリーニの(しん)殿(でん)もあるんだよ?」



「メノーのモザイク()や、

 ()(かげ)(にわ)のテーブルにも

 (はい)ってるんです。」



()らなかったわ。


 ガラスの(おく)になにか()いてある

 とは(おも)って(まい)(にち)()てたのにね。」



「わたしも(さい)(きん)になって

 サンサから(おそ)わりました。


 アイリアの(さく)(ひん)に、

 (すべ)(はい)っているという(はなし)

 (ほん)(とう)だったんですね。」



アイリアはレナタの(こと)()()(がお)()ける。



(めい)にしたってネルタの(しゅう)()だろ?


 なんでそんなの()れてんだ?」



フルリーンは(とう)(ぜん)()(もん)(つぶや)く。



ネルタが(かか)げていた(なら)んだ()(しゅう)()

セリーニの()(よう)()()(がら)で、

(こう)(だい)(みずうみ)(かたち)()(らい)だと

()(しょ)(かん)のゴレムから(おそ)わった。



挿絵(By みてみん)



(つき)()(がみ)との(かん)(けい)()いたことがない。



(かの)(じょ)()()(こし)()ろし、

(おだ)やかな()調(ちょう)(かた)る。



(はじ)めて()ったのは10(ねん)(まえ)なのね。


 この(めい)にしている()(がら)

 ネルタの(みずうみ)ではなくて、

 わたしが()っていたお(まも)りなのです。」



「お(まも)り?」



()(さん)(がい)(はたら)(しょう)()(たち)に、

 (つき)()(がみ)()いてたんですよ。


 (ほか)にも(やす)()(がる)()けて()れる

 (ふた)つの()()いただけの()(がら)が、

 いまのわたしの()(めい)になりました。


 その(ころ)かしら。


 (おっと)のマルフを(つう)じて

 サンサから(こえ)()かってね。


 それも5(ねん)(まえ)になるわね。


 『()れない(はな)()かせたい。』

 なんておかしなことを()うものだから。


 (むかし)からおかしなひとよね。」



()れない(はな)…ですか?」



「メノーの部屋(へや)のモザイク()のことよね。」



()れない(はな)』を(なぞ)()きと()(かい)して、

(かの)(じょ)(つく)ったメノーの(へき)()(おも)()かべた。



「あの()が、()れない(はな)なんですか?」



レナタが(おどろ)き、わたしに(たず)ねてきた。



「だって(やかた)にある(へき)()は、

 メノーのモザイク()しか

 ()たことないもの。」



アイリアはわたしの(けん)(かい)

(くち)(もと)(ゆる)ませる。



「サンサの()(てき)(ひょう)(げん)なんて、

 (きょう)(よう)()いわたしには

 ()からなかったの。」



()(しょう)するアイリアに

レナタも(かわ)いた(わら)いを()かべる。



「ガラス(いし)使(つか)った()(がら)

 (つく)った(けい)(けん)があったけど、

 モザイク(へき)()()(らい)なんて

 (いち)()もなかったのよ。」



アイリアの(はなし)に、

(こん)()はレナタが(やわ)らかな(ほお)(ふく)らませて

(ちから)(づよ)(うなず)く。



「あの(へき)()(かん)(せい)した(とき)

 サンサが(はな)った(こと)()を、

 いまでも(おも)(かえ)すわよ。


 それこそ(らい)(てい)よ。」



(かの)(じょ)(ひょう)(じょう)(あか)るく、(こえ)(はず)んでいる。



「サンサのことですから、

 (ひど)いことを()ったんですね?」



「『あなたの()(いろ)()がないから、

  (しょう)(かん)には()()わないわね。』


 なんてね。」



「サンサってばダメよっ!」



(いきどお)ってみせるレナタ。



(ほん)(とう)(ひど)かった。」わたしも(あき)れた。



()()(まわ)っていたフルリーンも

(はなし)(みみ)にして(おく)(こう)(しょう)する。



それも()()(はなし)(いち)()()ぎない。



アイリアは()にもせずに(つづ)ける。



()(ゆう)(たず)ねたのよ


 『あなたの()には()(ひん)があるから、

  (かた)()きに(かん)(けい)なく(ひょう)()されるわよ。』


 なんて()うのだから(おどろ)いたわ。」



「あの()(にん)()()たんだもんね。」



スーの(こと)()(かの)(じょ)(おも)()して、

(くち)(もと)(かく)して()(きざ)みに(かた)()らした。



「『もっと(いろ)(いろ)(ほん)()めば、

  (そう)(ぞう)(ひょう)(げん)(ふく)らむわよ。』

 って、(ほん)まで()()けてきてね。


 おかげでこの(さく)(ひん)(かん)(せい)したわ…。」



(かの)(じょ)()()(すわ)ったまま、

()(きゅう)(なか)(かざ)られたモザイク()

(とお)()(なが)めた。



それから()(せん)(もど)した。



「ソーマは(ほん)(とう)(かみなり)()んだのかしら?」



アイリアはわたし(たち)

(ひと)つの()(もん)()げかけた。




 ▶

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