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金貨の娘  作者: 之#u4e4b
第4章 月夜の光

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第4章 第4節 金色の月(第1項)

「ほら、()(すじ)()ばして。

 (あし)(もと)()ない。


 (うで)()げてぇ、(あい)()()て。

 はい、()わせて。」



()(とう)(しつ)にサンサの(こえ)(ひび)く。



わたしは(かの)(じょ)(こえ)()きながら、

身体(からだ)(うご)きを()(しき)しても、

()(あし)(おも)(どお)りに(うご)かない。



(つね)(した)()ながら(あし)()(しき)しないと、

(ほん)(あし)(から)()って(ころ)びかける。



(まわ)りますよ。」と、レナタが(ささや)く。



()(まえ)(いっ)(しょ)(おど)っているレナタが、

わたしから()(はな)すと、(いきお)いで(かい)(てん)する。



(えん)(しん)(りょく)(かの)(じょ)(ぎん)(ぱつ)(ひろ)がる。



その(うご)きを(ちゅう)()してしまい、

(あし)(うご)かす(おと)()()

また()からなくなった。



()づけば(えん)(そう)()わり、

(ほか)のドレイプやフランジも(おど)りを()めた。



(かい)にある()(とう)(しつ)は、

(しょく)(どう)(よく)(じょう)()した(ゆか)(めん)(せき)(ひろ)()で、

いまは(ねっ)()()ちている。



挿絵(By みてみん)



(てん)(じょう)(もう)けられたガラス(まど)から

(ひかり)()(そそ)ぎ、(しつ)(ない)(あか)るく、(あつ)い。



()(とう)(しつ)では(おど)るひとだけではなく、

(いち)()のドレイプやフランジは、

それぞれの(がっ)()()にしていた。



(かっ)(しょく)(つや)(まぶ)しい(げん)(がっ)()は、

(ふと)さの(こと)なる(げん)(ふる)わせる(ため)

(さお)(うま)()(もう)()った(みじか)(ゆみ)使(つか)う。



挿絵(By みてみん)



テミニンの()()のひら(てい)()()(がっ)()は、

一人(ひとり)(おど)りながら(けい)(かい)()()らす。



挿絵(By みてみん)



(しょう)()という()(ごと)は、(きゃく)()び、

()(ぞく)(やかた)()ばれるという。



(しょう)()(きゃく)(たの)しませる(しゅ)(だん)(ひと)つに、

こうした(えん)(そう)(おど)りを(もと)められるので、

()(とう)(しつ)での(あそ)びは(けん)(さん)(つな)がる。



()(とう)(しつ)ではみんな、

(えん)(そう)(あし)(はこ)びに()(しょう)(しっ)(ぱい)があっても、

(たの)しく()き、(おど)ることを(じゅう)()していた。



メノーの(むね)()ての(けん)は、

オーブにいるフルリーンを()ぶことで、

(ひと)()(かい)(さん)になった。



(めん)(だん)(しつ)()ると、

()(ぱら)ったドレイプのミュパに(から)まれ、

わたし(たち)(ぜん)(いん)()(とう)(しつ)()れられた。



挿絵(By みてみん)



(あら)たな(さん)()(しゃ)(とう)(じょう)(がっ)()(かな)でられ、

サンサに()(なか)()されたわたしは、

こうしてレナタと(おど)ることになった。



わたし(たち)()れてきたミュパは、

(かの)(じょ)()よりも(なが)いクッションを()いて

(ゆか)()ている。



(かの)(じょ)()()たお(なか)

レデがタオルを()けていた。



挿絵(By みてみん)



(かべ)()()けられた姿(すがた)()()(がい)に、

()(とう)(しつ)(ごう)(しゃ)なものはなにもないけれど、

サンダルで(ゆか)()むと(かる)(おと)()(ひび)き、

(くう)(かん)には(おと)(いろど)りが()まれる。



「おつかれぇ。どうだった?」



(おど)()えたわたし(たち)をメノーが()(むか)えた。



(かの)(じょ)(ちゅう)(ぼう)から(りょう)()(さかづき)()っている。



(おど)りって(ちゅう)()(てん)(おお)くて、

 (ほん)()むより(むずか)しいんだね。」



(おど)()れたら、身体(からだ)

 ()(ぜん)(うご)いて(たの)しいものよ。」



(はじ)めてにしては上手(じょうず)ですよ。


 スーなんて(ひど)かったんですから。」



レナタは()って一人(ひとり)(うなず)く。



「レナを()(まわ)してたものね。」



(しん)(がた)いけれど、(そう)(ぞう)できる…。」



「ニクスはこれ()き?」



メノーが(もく)(せい)のお(さら)をわたしに()()した。



(さら)(うえ)には、(うす)()()りにしてから

(よん)(とう)(ぶん)()られた真赤(まっか)なネイプの(うえ)に、

(しろ)いソースが()けられている。



「レナタも()べる?」



「あっ。これは()べません。」



レナタは(いち)(べつ)して、

メノーの()(もの)(きょ)()した。



(ぶん)(すい)(がい)のネイプって、

 (くせ)がなくておいしいのにね。」



挿絵(By みてみん)



()(ちく)(えさ)とも()ばれるネイプは

スープにもよく()れられている(こん)(さい)



(やかた)()すネイプは()(ごた)えがよく、

(とく)(ゆう)(あお)(くさ)さがないので()べやすい。



――レナタの(きら)いな()(もの)

  でもないよね?



()(もん)(いだ)きながら、

ネイプを(つま)んで(した)()せた。



ソースの(あま)さが(くち)(ひろ)がり、

()めば()()ちのいい(おと)()る。



「かっ…なに…これ?」



()んだ()(たん)にソースが(から)(かん)じ、

(した)(くう)()()れると(から)さが()す。



(あま)いソースの(なか)に、(かく)された

(こう)(しん)(りょう)(した)(さき)()(げき)して、(かみ)()(あな)が、

(すべ)(ひら)くような(かん)(かく)(おそ)われる。



「あははっ。おかしいわねぇ。」



(あか)ネイプの()()けは()らなかったの?


 ニクスは(から)()(もの)は、

 まだ()べられないのね。


 スパイスティーもダメだったわね。」



メノーとサンサ、(ほか)のドレイプも

わたしの(はん)(のう)(たの)しんでいる。



(わら)っているメノーが()っていた(さかづき)

わたしは()にし、(いそ)いで(くち)(なか)(なが)した。



「あーニクス! ダメよっ。」



()(さかづき)()たされた(はち)(みつ)(いろ)(えき)(たい)は、

(くち)(ふく)んだ(しゅん)(かん)()(にお)いが()(くう)(ひろ)がり、

(こう)(ない)(にが)()()(はい)される。



挿絵(By みてみん)



「わっ、うぇ…。」



(にが)()(くち)(なか)だけに(とど)まらず、

(のど)(はな)()()からも(くせ)(のこ)

(さけ)(しゅう)()(じゅう)(まん)する。



身体(からだ)(はん)(しゃ)(さけ)(きょ)(ぜつ)して、

(くち)()けた(じょう)(たい)で、(えき)(たい)

(ゆか)()()してしまった。



「メノーってば、

 お(さけ)(わた)してはダメよ。」



「えぇー?

 だってぇこれ、サンサのお(さけ)

 ニクスが()って()ったのよ?」



「ジュースでは、ないの…?」



メノーがよく(くち)にしているバイテスに、

クァンを()ぜたジュースと(かん)(ちが)いして、

(あやま)って(さけ)()んでしまった。



(はな)(なか)()(おく)(とう)(ちょう)()()(いた)み。



(さけ)とも()べない(えき)(たい)(はな)から()れて、

後から(はち)(みつ)(にお)いが()(くう)(ひろ)がる。



「こちらで()いてください。」



「ルービィに()(けん)したら、

 また(いん)(しょく)(ぶつ)()()みを、

 (きん)()されてしまうわね。」



サンサが(わら)う。



――また…。



レナタの()によって、

わたしは(がん)(めん)(ぬの)()かれる。



(さけ)ってこんなに(にが)いんだ…。


 もう(ぜっ)(たい)()まないわ。」



「あなた(たち)(せい)(ねん)(むか)えれば、

 きっとまた()むわよ。」



「お(さけ)()んで(おど)ると、

 景色(けしき)()わって()えて(たの)しいよ。」



「メノーはしばらく

 ()むのは()しなさいよ。」



「はぁい。」



メノーが(さけ)(くち)にしている姿(すがた)は、

わたしは(いち)()()たことがない。



「サンサも、(さけ)()むんだね。」



わたしが()(ちが)えた(さかづき)をサンサが()にした。



(つき)()いで()(とき)もあるわよ。


 10(ねん)(まえ)ならエルテルで、

 あの()(ぱら)いに()けたくなかったから、

 お(しろ)(ちょ)(ぞう)()くすくらい()んだわよ。


 わたしはいくら()んでも()わないもの。」



サンサは(さかづき)(なか)()をひと(くち)()()した。



「おいしいものなんですか?」



()()はひとそれぞれよ。


 ()んでもいないレナが、

 ()むひとを()(てい)できないわよ。」



「えぇ…でも…。」



レナタは()(せん)()げて(こう)(てい)できずにいる。



()(ぢか)()(ぱら)いが()るんだから、

 ()(かた)がないわよ。


 ニクスも(めい)(わく)してるのよねぇ。」



()(ぱら)っていたハーフガンを(しめ)し、

メノーに(どう)()(もと)められている。



「お(さけ)(はん)(だん)(にぶ)らせ、

 (にく)(たい)(せい)(ちょう)()(がい)するけれど、

 それが(げん)(いん)(むかし)から(きん)じられても、

 (した)しまれるだけの()(ゆう)があるのよ。」



「サンサはあいつに(あま)いわよねぇ。」



メノーやレナタは()(まん)()せ、

(おこ)っているようにも()える。



「そのひとは、

 ()えて(はん)(だん)(にぶ)らせたいから()むの?」



「ふぅん。

 (さっ)しが()いのも(かんが)えものね。」



(かの)(じょ)はわたしを(よこ)()()(うなず)いた。



(しつ)(ない)では(ふたた)(えん)(そう)(はじ)まる。



「レナ、もう(おど)らないの?」



「ちょっと(つか)れてしまいました。」



レナタは(ゆか)(すわ)って、

わたしの()()した(さけ)()

(どう)()()(かえ)す。



「ニクスはサンサと(おど)ってあげて。」



「えぇー。」



「なにが()(まん)なのよ。


 ほら、いくわよ。」



サンサに()()られるわたしを()ると、

レナタの(くち)(もと)(ゆる)んでいた。



()(とう)(しつ)(ちゅう)(おう)でサンサと()()う。



(はな)れないで、身体(からだ)()せて。」



(たが)いのお(なか)()()(きょ)()になると、

(あし)(もと)()えずに(うご)(かた)()からなくなる。



(かの)(じょ)(こし)()(なか)

わたしは(りょう)()()えさせられた。



チュニックを()(かの)(じょ)身体(からだ)は、

メノーに(くら)べて(ほそ)(ひか)えめと()えるけれど、

()()れると()()よりも(こし)(まわ)りは(ひろ)い。



「どうせ()えないから、(あし)()ない。


 わたしを(おとこ)(そう)(てい)して、

 (しょう)()みたいにもっと()()せて。」



(おど)(にく)くしないでよ。


 わたしは(しょう)()ではないんだよ。」



「わたしも(しょう)()ではないわよ。


 (おど)りというのは(あい)()()(うご)く、

 (こと)()(かい)さない(たい)()なのよ。」



(おと)(ふし)()わせ、

サンサの身体(からだ)(うし)ろに()く。



サンサの(うで)()(なか)()かれたわたしは、

(かの)(じょ)()の、()(さい)(ちから)()(げん)()わせて、

(じゅう)(しん)(いっ)(たい)にして(まえ)(あし)(はこ)ぶ。



サンサが()(せん)()えて(こし)(ひね)れば、

(つぎ)にどちらに(うご)くのか()かった。



()えないけれど(かの)(じょ)(あし)(うご)きは(するど)く、

(ゆか)()めば(えん)(そう)()わせて(けい)(かい)(おと)()る。



サンサの(おど)()(たい)が、

(ひと)つの(がっ)()(えん)(そう)になっていた。



上手(じょうず)になってるわね。」



「わっ。()(ちが)えた?」



(しっ)(ぱい)しても(あし)()めず、

 ()(しん)()って(おど)りなさい。


 ただの(おど)りなのだから、

 (そう)(しゃ)(いっ)(しょ)(たの)しめばいいのよ。


 (しょう)()(だん)(おんな)のように(いさ)ましくね。」



()らないよ。」



()()()()うと、サンサは(かお)()せる。



「レナに()()られたわね。」



(かの)(じょ)(おど)りながらわたしに()()ける。



レナタより(とし)(うえ)のわたしは、

フランジの()(はん)になる(かの)(じょ)から、

(しつ)(ぼう)されないように(つと)めた。



わたしの(なか)にある()(そう)からは(とお)く、

わたしは(じゅう)(ぜん)ではなかった。



レナタに(おし)えられた()(ごと)(まん)(ぞく)にできず、

(ほん)(まな)んだことを()かせることもできない。



「どうかな? あれ。」また(あし)()(ちが)えた。



「あの()(まも)ってあげてね。」



「レナタはそんなっ、

 (おさな)()(ども)ではないよ。」



スーが()(ぜん)、わたしに(たい)して使(つか)った(こと)()を、

(こん)()はレナタに(たい)してサンサに(つた)えた。



「わたしにそんな(ちから)()いし、

 わたしより律儀(りちぎ)にしてるもの。


 わっ。ちょっと?」



「ふふっ。

 わたしもルービィと(おな)じね。


 わたし(たち)からしたら、

 あなたもスーもみんな(おさな)()(ども)よ。」



「レナタの()(えい)ならグーグスとか。あっ。」



「グルグスよ。」サンサが(てい)(せい)する。



「グゥグス…。」(ただ)しく(はつ)(おん)できない。



(たい)(りく)()(まえ)(はつ)(おん)(にく)いわよねぇ。

 わたしも(さい)(しょ)()(ろう)したわよ。


 (なん)()(こと)()のせいかしらね。」



「ハーフガンって、ひとに(たの)んだら?


 ()(えい)ではないって()ってた、けれど。」



()(ぱら)いは()(えい)ではなくて()()よ。


 ()()というのはエルテルの(りょう)(しゅ)から、

 ()()(あた)えられた()(ぞく)(かた)()きね。」



「それなら、どうして、あ。

 あのひとは、こんな(やかた)に、()るの?」



(しゃべ)りながら(おど)るのは(むずか)しい。



サンサの(うご)きに()わせることで、

(はじ)めてのわたしでも(おど)っていられる。



(りょう)(しゅ)エリクの()いつけだもの。


 ()()(がた)いのか、()()()なのか。


 10(ねん)もこちらに()ないで、

 (かえ)ればいいのに。」



「それならサンサは、どうしてここに?

 なにか、(もく)(てき)があるの?」



「…ふぅん。それは、

 (おさな)()(ども)(しょう)(らい)(ため)ね。」



()って(ぎん)(いろ)()(つめ)たく(わら)う。



サンサはわたしから身体(からだ)(はな)し、

その()(かい)(てん)すると(えん)(そう)()わった。



「あら、なんなのその(かお)


 ニクスはわたしを(しん)じてないのね。」



サンサの(こし)()れていた()(ぶん)()()て、

()(とも)()(せん)(おろ)ろした。



「…(しん)(よう)(こう)(どう)からでしょ?」



(だま)って(うなず)くサンサ。



()(こう)、サンサはなにも()わなくなった。



それから(ゆう)()れの(かね)()るまで、

わたしはレナタが(のぞ)むまま(おど)って()ごした。



――レナタを(まも)ってなんてわたしに()って、

  サンサのなにを(かんが)えているのかしら。



()(もん)(なか)でレナタは(あい)(いろ)(まる)()(ほそ)め、

わたしと(いっ)(しょ)(おど)りながら、

(やわ)らかく(わら)っていた。




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