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金貨の娘  作者: 之#u4e4b
序章 婚星の路

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序章 第2節 薬理の謀

この(やかた)(がい)(かい)から(かく)()された()(しょ)



(あか)(つち)(おか)()つ、(はく)()(やかた)



(やかた)(かこ)(へい)(さき)は、(てつ)(とげ)(おお)われている。



(やかた)(なか)(よう)()された(しょう)()部屋(へや)には、

(きん)(かざ)(ひも)()いた()(あつ)(しゃ)(こう)カーテンが、

(あか)るい(ひる)であっても(よる)(やみ)(おお)(かく)す。



挿絵(By みてみん)



(だん)(じょ)(はだ)(かさ)ねる(ため)(しょう)(かん)



それが『(よる)(やかた)』の姿(すがた)だった。



わたしの()には(せい)(えき)(はい)った山羊(やぎ)(ぼう)(こう)が、

()()けられた(ひも)()()がっている。



(せい)(えき)がどんな(ぶっ)(しつ)(えき)(たい)か、

わたしは()(けい)(けん)がない。



(せい)(えき)尿(にょう)(おな)じく、

(おとこ)尿(にょう)(どう)から(はい)(しゅつ)される。



(ちょう)(るい)(がく)でいう(そう)()(せつ)(こう)(どう)(よう)に、

(きたな)いものという(しょ)(かん)があった。



それでも()たいと(おも)(よく)()き、

(ほう)()したくてもすぐに()(ばな)せない。



――(ひろ)(あつ)める()(ごと)(まか)されたのだから、

  (なか)()(かく)(にん)(ひつ)(よう)かもしれない。



(こころ)(なか)()(ぶん)(せっ)(とく)すると、

山羊(やぎ)(ぼう)(こう)()われた(あか)(ひも)を、

わたしは(りょう)()(つか)んでいた。



するとブラシを()って(よく)(そう)(はい)ったスーが

わたしに(こえ)()けてきた。



(なか)()(かく)(にん)する(ひつ)(よう)ないよ。


 でも、(こぼ)さないように

 (ひも)()って(しば)ってね。」



――これもニースだわ。



()(せい)(よく)()けたわたしを、

スーは(おろ)かに(おも)ったに(ちが)いない。



(はる)(はい)ったウラって()が、

 風邪(かぜ)(こじ)らせちゃったから。」



「そのお手伝(てつだ)いでしょ。」



(せつ)(めい)されなくても、

わたしも()(じょう)()いている。



わたしが()(まん)()せていたせいで、

スーに(おな)じことを()わせてしまった。



「メノーもレナタも(たい)(へん)だからね。」



二人(ふたり)(びょう)(いん)から()らせを()けて、

(いそ)いで(びょう)(いん)へと()かった。



サンサから(あと)()(ごと)()()けられた

スーとわたしは、こうして

メノーの部屋(へや)(そう)()にやってきた。



(しょう)(かん)には(とう)(ぜん)(しょう)()()る。



(しょう)()()なければ、その(やかた)(しょう)(かん)ではない。



――ドレイプを(しょう)()とは()ばないのに、

  ()(ごと)(ない)(よう)(しょう)(かん)(おな)じなのよね。



(よる)(やかた)では(しょう)()をドレイプと()び、

その手伝(てつだ)(やく)をフランジと()ぶ。



ドレイプとフランジは、

カーテンの()()わせ。



ドレイプはカーテンの(ぬの)(つく)(しわ)で、

フランジはその(かざ)(ひも)()()している。



布の皺(ドレイプ)飾り紐(フランジ)



どちらかが()けてしまっては、

カーテンは()(のう)(ひん)(かく)(うしな)い、

ただの()られた(ぬの)になってしまう。



()(ひかり)(こば)む『(よる)(やかた)(どく)()(やく)(しょく)(めい)で、

この(まち)では(ひろ)()られているらしい。



――(ぶん)(すい)(がい)(くに)でなければ

  どこかの(りょう)()でもないなんて。



――この(まち)こそ、ニースだわ…。



わたしは()(ぶん)()(しき)にある、

『おかしなこと』を(かく)(にん)して(うなず)いた。



メノーは1(ばん)部屋(べや)()(にん)()(しょう)()

ドレイプで、(かの)(じょ)はサンサと(なか)()くて、

(しん)()りのわたしも()にかけて(もら)った。



この部屋(へや)(あるじ)であり、モザイク()(じん)(ぶつ)



(かの)(じょ)手伝(てつだ)(やく)、フランジのレナタは

この(やかた)(さい)(ねん)(しょう)なのに(じっ)(ちょく)で、

(やかた)()(ごと)()()くしている。



(やかた)での()()()(ごと)(どう)(しつ)のスーよりも、

(かの)(じょ)(おそ)わったことの(ほう)(おお)い。



(ゆた)かな(ぎん)(ぱつ)(よう)(もう)にも()える10(さい)(しょう)(じょ)



わたしより(とし)(した)で、こんな(やかた)()

(かの)(じょ)()(だす)けができるのであれば、

()(のう)(かぎ)手伝(てつだ)いたいとは(おも)っている。



でも、わたしにできることは(すく)ない。



(ゆか)やベッドに()ちている(ふくろ)(ひろ)った。



(ゆか)()った(はな)びらを()け、

(もく)(てき)(ふくろ)(さが)していると、

()(おぼ)えのある(うた)(みみ)()でる。



(よく)(そう)(こす)るブラシの(おと)で、

()()される(はな)(うた)



スーの姿(すがた)(よく)(そう)(なか)(おさ)まって(かく)れている。



「ねぇスー。

 それってなんて(うた)?」



ベッドの(うえ)(ひざ)()ててわたしは(たず)ねると、

クッションの(わき)にも(ふくろ)()ちている。



「んー。(なが)(ぼし)(うた)だよ。」



(はじ)めて()った()も、(かの)(じょ)はこの()

()()ちよく(うた)っていた。



それが(はな)(うた)だったので()()かなかった。



この(まち)(うた)()ちている。



(うた)いましょうか? お(ひめ)(さま)。」



「うん。(うた)って。()きたい。」



スーが()んで()(しょう)()かべるけれど、

わたしは()にはしない。



()(たい)されると()れるなぁ。」



この(ふくろ)一人(ひとり)(ひろ)うだけの()(ごと)は、

退(たい)(くつ)(ちか)いものがある。



(よく)(そう)(なか)でブラシを()にしたまま、

スーは(わず)かに(あご)()げ、(のど)(ひら)く。



()(ぞら)(つぼみ)(はな)()()


 いくら()っても(あさ)()ず、

 (さん)(ぜん)(ほし)(なが)れ、(だい)()()りる。


 わたしは(うみ)(ただよ)うばかり。

 わたしは(うみ)(ただよ)うばかり。」



()(ぞら)()かぶ(ほし)(ぼし)(なか)に、

()(せき)(えが)(なが)(ぼし)



(いっ)(しゅん)(こう)(せき)(つく)るその姿(すがた)をスーは(うた)い、

ガラス(まど)から(ひかり)()()むこの部屋(へや)で、

わたしは()(ぞら)(こう)(けい)(おも)()かべた。




 ◆




(ひろ)(あつ)めて()にした(ない)(ぞう)(ふくろ)(ぼう)(こう)



「ねぇ、これ。(あつ)めてどうするの?」



()(ごと)()(ちゅう)のスーの()わりに、

部屋(へや)(はい)ってきた(くろ)(ねこ)のアルが、

わたしを()てミャオと()いた。



挿絵(By みてみん)



(ぎん)()(しょく)(しょ)(くび)()に、

(つき)(いろ)をした()がわたしを()()げる。



(くろ)(いろ)(たい)(もう)(おお)われた(ほそ)身体(からだ)



わたしの(あし)(もと)(ちか)()った

かと(おも)えば(なが)尻尾(しっぽ)(しな)らせ、

(あし)(たた)いて部屋(へや)()(ぐち)()(かえ)る。



「ニクス、()(ごと)(じゅん)調(ちょう)?」



アルが(しゃべ)ったわけではない。



(ねこ)(しゃべ)ったりしない。



わたしは(くち)(ぬの)(はず)して(くび)(もと)()とし、

(こえ)(ぬし)()た。



(とびら)(そと)から(まっ)(くろ)(かみ)のサンサが、

(ひだり)(はん)(しん)()せて部屋(へや)(のぞ)()る。



挿絵(By みてみん)



(ひかり)()()(くろ)(かみ)(あたま)(かたむ)けただけで、

(かお)(はん)(ぶん)(かみ)(かく)れてしまう。



(くろ)のチュニックを()(しょう)(じょ)(がい)(けん)



フリルの(くび)(もと)(おく)には、

(ゆき)のように(しろ)(はだ)()える。



(むな)(もと)(ぎん)()(しょく)(しょ)(わた)らせて、

(かの)(じょ)(とし)(わか)()えてもこの(やかた)(しょう)()――。



――ドレイプ。



「サンサ。なにしに()たの?」



二人(ふたり)手伝(てつだ)いに()たのよ。」



「また?」



わたしが()(まん)(あら)わにしたにも(かか)わらず、

(かの)(じょ)()(なが)()(ほそ)めて(わら)う。



わたしの(けい)(けん)(じょう)()()(かん)はしない。



(おも)かったでしょう、グルグス。」



(かの)(じょ)()()けに(おう)じて(とびら)(ちか)くに()ると、

(かの)(じょ)(うし)ろには()(はだ)(おお)(おとこ)()っていた。



挿絵(By みてみん)



()ているキャシュクが()()けかけるほど

()()がった(きん)(にく)をしていて、

(けん)(やり)(ふせ)げそうな(じゅう)(あつ)(かん)がある。



グルグスと()ばれた(おとこ)は、

(りょう)(わき)(かか)えていた()(ざい)(ぬの)(ぶくろ)

(そと)(ろう)()(ゆか)()いた。



「ありがと。

 お(しり)(そと)()けて。


 (たす)かったわ、グルグス。」



「お(やす)()(よう)で。」



(おお)(おとこ)(しろ)()()せて()(がお)(つく)る。



(かっ)(しょく)(かみ)(みじか)()ったこの(おとこ)は、

サンサを(あい)()(なま)った(しゃべ)(かた)をする。



()(ぱら)いはいまなにしてるの?


 また()みながら(ひと)りで(ふだ)(あそ)び?」



「ハーフガン(きょう)なら、

 (しん)()りの(くん)(れん)しとるよ。」



「ウントね。

 グルグスは(くん)(れん)(さん)()しないの?


 これからまた(びょう)(いん)なのね。」



「だ。(ちか)(ごろ)(ぶっ)(そう)だからだ。」



グルグスの(しゃべ)(かた)(たい)(りく)(なま)りがある。



()(ぶん)よりも()(がら)(おんな)(あたま)()げて、

(かれ)(どう)()()いて()ってしまった。



(よる)(やかた)(しょう)()、ドレイプを(まも)るのが

(かれ)()(えい)()(ごと)



けれども()(えい)のグルグスは、

(かん)(ない)()(はこ)びといった

(にく)(たい)(ろう)(どう)(しゃ)(ちか)(した)(ばたら)きも(おこな)う。



(おんな)(あい)()に、(おお)(おとこ)(あたま)()げていた。



――これもニース。



「え? なに?」



アルが(うし)(あし)()()がり、

(まえ)(あし)でわたしの(みぎ)()()れた。



「これは()(もの)ではないのよ。たぶん。」



この(なか)()はきっと(ねこ)(えさ)ではない。



「アル。」サンサが(ねこ)()(まえ)()んだ。



アルはわたしを()つめてから、

サンサに(しか)られる(まえ)(さっ)したのか、

(きょう)()(うしな)って(おと)のする(よく)(そう)()る。



アルは(にん)(げん)(こと)()によく(みみ)(かたむ)け、

()(かい)しているかのような(こう)(どう)をする。



(ほそ)身体(からだ)(よく)(そう)(ふち)()()がり、

ブラシで(そう)()をしている

スーの()(なか)()()った。



「わっ! なに? アルっ!

 あれ、サンサも()てたの。」



(よく)(そう)のブラシ()けに()(ちゅう)だったスーが

キャシュクを()らして()()がり、

アルを(かた)()せた。



アルはスーの(かた)から()ちないように、

(かの)(じょ)(こん)(じき)(あたま)(まえ)(あし)()せて(かか)える。



アルがスーの(あたま)()ったことで、

調(ちょう)()()れているように()えた。



「ニクス、(わら)った?」



「ううん。

 サンサ、手伝(てつだ)った(ほう)()いの?」



わたしは(わら)いを(こら)えて、

サンサを()()ろして()()くす。



ここへ()てすぐの(ころ)

この(やかた)(にわ)(かの)(じょ)(たち)(わら)われた。



サンサはグルグスの()ってきた

(ぬの)(ぶくろ)(なか)()(ゆか)(ひろ)げて、

なにか(おお)()かりな()(ざい)(なら)べている。



(かの)(じょ)(ゆか)(すわ)り、

(みぎ)(かた)には()()(こん)(かざ)(ぬの)()けている。



その(さき)にはあるはずの(うで)(かの)(じょ)には()い。



(みぎ)(うで)()いサンサが()てないような、

(くっ)(きょく)した(ぼう)()びた(おお)(がた)()(ぐるま)――。



「あー(さわ)ってはダメよっ。


 これは(しん)(ぞう)()なのよ。」



()って(かの)(じょ)はその()(ぐるま)

(あし)使(つか)って()(ぶん)(ほう)()()せると、

(かた)()だけで()()げて()(ざい)()()けた。



(かの)(じょ)(するど)()つきで

わたしを()()げた。



「サンサの(しゅ)()なんだから、

 (ほう)って()いていいよ。


 ガラクタ(しゅう)(しゅう)は。」



「ガラクタ…。」



「ガラクタではないわよっ。」



わたし(たち)(かい)()をサンサは()(てい)する。



尻尾(しっぽ)()んだね。


 ニクスはガラクタになる(ほう)()ける?」



「それって()けになるの?」



()(だい)なる(はつ)(めい)なんだから、

 ガラクタにはならないわよっ。」



――ニースだわ…。



わたしは(かの)(じょ)(まっ)(くろ)(かみ)のあいだから、

(まっ)(しろ)(くび)(すじ)()つめた。



――わたしはこのひとに()われたのよね。




 ◆




サンサは()(はこ)ばれた()(ざい)を、

(かた)(あご)(はさ)んで()()てていく。



(かわ)(ひも)()まれたサンダルを()いたまま、

(あし)(ゆび)でも()(よう)(どう)()(つま)んで()せる。



「ニクス。

 それ、なにか()ってる?」



(かの)(じょ)はわたしが()にしている(ふくろ)()た。



()ってる。(ぼう)(こう)(せい)(えき)だって。」



(ふく)(わら)いのスーがなにか()いかけたのを、

わたしは(くび)(よこ)()って(せい)()する。



(こう)(せい)(たず)ねたわけではなくて、

 (よう)()()っているのかを()いたのよ。


 それは()(にん)()よ。


 ちょっと(たか)いけれどね。


 まだ使(つか)(みち)があるから()ててはダメよ。」



「ゴミ…ではないんだ。」



「ゴミではないとしたら、

 なにに使(つか)うものか()かる?」



サンサは(ぎん)()(ほそ)めて()った。



(しろ)(はだ)に、(うす)(くちびる)



(くち)()からやや(した)(がわ)に、

(ちい)さな(くろ)(てん)のホクロが()える。



(かの)(じょ)()(ぎょう)(なが)めながら、

(せい)(えき)(よう)()(かんが)えを(めぐ)らせた。



――()(だん)()てるものなら、

  (はたけ)()(たい)()になるのかしら。



――でも、これだけだと、

  (はたけ)には()りないわよね。



――(みず)使(つか)って()(しゃく)でもするのかしら?



(せい)(えき)()(しゃく)して()いても、

その(こう)()()(だい)()(てい)されて

(たい)()にもならない。



(ほん)()(しき)(かんが)えつく(こた)えは、

(ほか)には(ひと)つしかなかった。



(あか)()()みたいひとに()る?

 ()れるの?」



(たん)(らく)(てき)()ったのですぐ()(もん)()かぶ。



サンサは()(ぎょう)(つづ)けて(うなず)いた。



「それなら()れるわね。


 ここに()るお(きゃく)さんは()(ぶん)()()

 (きょう)(よう)()(さん)()ってるもの。」



サンサはなぜか、

わたしの(はん)()(かんが)えを()()った。



「『この(せい)()使(つか)えば、(かしこ)くて、

  (じょ)(れつ)のある(あか)()()まれる。』


 (よる)(やかた)から()(しょう)(しょ)()けましょうか。


 (こう)()()(すじ)()()めるとなれば、

 (おろ)かな(たい)(しゅう)()(さん)になると(かんが)えて

 (たか)()()うでしょうね。


 ()(しょう)(しょ)だけでも(しょう)(ばい)になるわ。


 (こう)(かつ)(かんが)えは(しょう)(さい)(かん)じさせるわね。」



「わたしはそこまで()ってない。


 それって、(あい)()(だま)して()るんでしょ?」



()めるように()うと、

サンサは(くび)(よこ)()った。



(せい)(えき)(せい)()ってそのままにしても

 すぐ使(つか)(もの)にならなくなるのよ。」



()ぬんだ…。」



(せい)(ぶつ)()とは(ちが)うけれど、()()(おな)じね。


 (にく)(がん)()ても()からないでしょう。


 この()(あい)(せい)(しょく)(さい)(ぼう)

 (ちい)さな(せい)(ぶつ)(てい)()できるのかしら?」



(せい)(えき)()()みは(くわ)しくない。



サンサの(しつ)(もん)にスーが(くび)(よこ)()ると、

(あたま)(うえ)のアルがミャァと()いて(しか)る。



スーが(せつ)(めい)をしてくれた。



(せん)()()()できても、

 (にん)(しん)()かるまでに

 (すう)(じゅう)(にち)()かるよね。


 ()まれるまで1(ねん)(ちか)くも(ひつ)(よう)だし。


 (かい)()ができる(ねん)(れい)まで(すう)(ねん)

 (せい)(ねん)になるまで16(ねん)


 (ちち)(おや)(はん)(べつ)なんて()(しょう)できないし、

 (きょう)(いく)(かん)(きょう)(ととの)ってないと

 ()(ども)には()(しき)()につかないもんね。


 (せい)()(あや)しい(しな)(もの)となると

 (だま)せるかも()(もん)だね。」



(やかた)(しん)(よう)(そこ)ねる(しょう)(ばい)だわ。」



「…(たし)かに、ね。」



わたしの(あん)(あな)だらけ。



(だま)して()()げするつもりでなければ、

(しょう)(ばい)として(せい)(りつ)しない(けっ)(かん)()(てき)された。



「でも(ちか)(しょう)(ばい)はしてるよね。」とスー。



(ひと)()きが(わる)いわね。」



(わる)いことしてるんだ。」



スーとサンサを(こう)()()た。



(だま)してない…と(おも)うわ。」



サンサの(へん)(とう)(あい)(まい)になる。



(あつ)めた(せい)(えき)は、

 (やかた)()()りしてる(しょう)(にん)

 ()ってるんだって。


 (ぼう)(こう)()えるくらいの(たか)いお()(だん)


 使()(よう)()みの()(にん)()()った(しょう)(にん)が、

 (なか)()()()して(かん)(そう)させるんだよ。」



(かん)(そう)…?

 (えき)(たい)なんて(かん)(そう)させたら…。」



(みず)(たい)()(さら)して(かわ)かせば、

(くう)()(すい)(ぶん)()われて()(さん)する。



(せい)(えき)()したり()いたりして、

 ()(けい)(すい)(ぶん)(うしな)わせて()(たい)にするのよ。


 ()(はい)(ぼう)()する(もく)(てき)と、

 (たん)(ぱく)(しつ)を残す(ため)ね。


 (たん)(ぱく)(しつ)って()かるかしら?」



「お(にく)(まめ)(おな)じ? …え、()べるの?」



この(ない)(ぞう)(ぶくろ)(はい)った(なか)()(えき)(たい)が、

(にく)(まめ)(どう)(とう)()れるものと()われても、

すぐに()(かい)()いつかない。



「それを(くすり)として()るのよ。


 ()(よう)(けん)(こう)(ため)の。


 (てん)(びん)使(つか)って(おも)さで(かん)(さん)すれば、

 (にく)(まめ)よりも(たか)()(だん)がつくわね。」



(しょく)(にく)(まめ)(るい)(くすり)()ったことがないので、

サンサの()()()(そう)(ぞう)がつかない。



(えい)(よう)(まん)(てん)(けっ)(こう)(そく)(しん)


 (まん)(せい)(びょう)()(ぼう)()(しょう)(かい)(ぜん)


 (えき)(びょう)退(たい)(さん)()(ろう)(ちょう)寿(じゅ)

 ()(ない)(あん)(ぜん)(しょう)(ばい)(はん)(じょう)


 (かん)(ねい)(じゃ)()退(しりぞ)ける(こう)()あり。」



サンサの(じょう)(ぜつ)(かた)(ぐち)(あや)しさを()す。



胡乱(うろん)になってきた。」



()(ない)(あん)(ぜん)(しょう)(ばい)(はん)(じょう)(かん)(けい)ないもんね。」



スーも()って(こん)()(うなず)くと、

(あたま)(うえ)のアルが(ふたた)びミャァと()いて(しか)った。



()めば()(だから)(めぐ)まれる、

 とかもあるわね。」



(たん)(ぱく)(しつ)(くち)にしても、

()(ちょう)(ぶん)(かい)されて(じゅ)(せい)はしない。



(じん)(たい)(せい)(せい)するものは、

(たい)(しゃ)によって(はい)(しゅつ)された(あか)(おな)じで、

()(しょく)()ばれて()()されている。



()(ども)のわたしが()らないだけの()(のう)(せい)も、

(かん)(ぜん)には()(てい)できない。



()(しょく)(どう)(よう)(とも)()いなどの(あく)(じき)は、

(にん)(げん)(しゃ)(かい)(こう)(ちく)する(うえ)(こう)(りつ)(わる)く、

(りん)()などの()(ゆう)(ほう)(りつ)(きん)じられている。



(ふくろ)をアルの(はな)(さき)()けると、

わたしの()(まえ)(あし)()みつけた。



「…()(もの)なの?」



(あじ)(たし)かめたいのかしら?」



(いや)っ!


 だって!

 これ、尿(にょう)(おな)()(しょ)から()るんだよっ?


 ()(ひん)(きん)()っ!」



わたしはこの(やかた)()まりを()べる。



「でも(にわとり)(たまご)だって

 ()たようなものだよね。


 (そう)()(せつ)(こう)から()てくるんだもん。」



「う…。でも(たまご)(から)があるから…。」



()(くすり)はどれも(にが)いものよ。」



(にが)いんだ…。」



()(とう)(しお)(はち)(みつ)()ぜて、

 (けい)(ぞく)(てき)()るのも()いわね。


 ()()れた(せい)()でもひと()()(くわ)えて、

 (くすり)()()()えて()ってしまうの。


 そこが(しょう)(にん)(たくま)しいところであるわね。」



()(だい)からある()(やく)(ひと)つだね。」



――()(やく)って…。



(ほん)(とう)(くすり)ではないの?」



身体(からだ)になにか(えい)(きょう)(あた)えれば、

 それは(くすり)とも(どく)とも()えるわね。」



(くすり)(だい)(よう)(ひん)として、

 (あい)()(しん)じさせる(しゅ)(ほう)だよ。」



「やっぱり(だま)してるんだっ。」



二人(ふたり)(ほん)(ろう)され、

わたしは()()(つよ)める。



(はなし)()れたわね。


 (だれ)かが()てるものにも、

 ()()はあるという(はなし)よ。」



サンサは(こう)(かく)()げて、

(あや)しく()みを()かべた。




 ▶

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