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金貨の娘  作者: 之#u4e4b
第3章 花弁の湯

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第3章 第3節 労働の日(第3項)

わたしの(はな)

レナタの(あたま)から(ただよ)うクァンの()(じゅう)の、

(さわ)やかな(かお)りに()(はい)されていた。



やや()(くう)()(しゅう)()が、わたしの(あせ)なのか

()(じゅう)(にお)いなのか(はん)(べつ)はできない。



(はな)()み…。」(つぎ)()(ごと)()(まえ)(つぶや)いた。



()()()(ひび)きのする()(ごと)に、

わたしは()(そう)をつけていた。



(なが)(だい)(まえ)(とお)り、(しょ)(しつ)こと

サンサの(そう)()(よこ)(きた)へと()ける。



挿絵(By みてみん)



(たて)(もの)(へい)のあいだの

(ひさし)(した)(とお)っていくと、

(じゅう)(ぎょう)(いん)()()りする(とびら)がある。



その(とびら)(おく)では、

フランジが()(なみだ)()かべて()(えつ)する。



こんな()(しょ)(すす)()めをして、

()(じゅう)()(はい)ったわけでもない。



(あた)りを(ただよ)(ねつ)()びた()(しゅう)

(じょう)(きょう)(さっ)()した。



(はな)()みってやっぱり、

 こういう()(ごと)なんだね。」



(かい)にある()()(じょう)(うら)(がわ)に、()(はな)たれた

(あつ)いコンクリート(づく)りの(あな)がある。



そこは()(よう)(ぶつ)()める()(しょ)



()(よう)(ぶつ)()()()えても

(はな)にはならず、(いろ)はそのままで

(はな)(かお)りもするはずがない。



「あのディッパーで、

 ()(よう)(ぶつ)をすくうんです。」



バケツとは(べつ)()かれた(ぼう)



(おお)きな(さかづき)(なが)()()()けられた、

()(よう)(ぶつ)(よご)れた(どう)()をディッパーと()ぶ。



挿絵(By みてみん)



この(どう)()()(まえ)はわたしでも()っていて、

(はたけ)(みず)(たい)()()(ため)使(つか)われる。



でも使(つか)ったことや()にしたこともない。



「これも(だい)()()(ごと)(ひと)つだね。


 (はえ)(あつ)まって、(たまご)()()けたり、

 ()(もの)(しょっ)()(よご)したりして、

 (びょう)()(はこ)ぶからね。」



スーが(くち)(ぬの)をしたまま()って(かお)(ゆが)める。



フランジの(なか)には

(むせ)(くち)(ぬの)をしたまま(おう)()し、

()()してしまう()()た。



わたしも(けん)()(かん)はあった。



それでもつらい(すす)()めの(あと)では、

()(よう)(ぶつ)(しゅう)()(きょ)()(かん)はない。



それと(あたま)(なか)にある(はい)(いろ)(もや)から、

()()(おり)(なが)めが(かす)かに(おも)()かぶ。



ディッパーで()(よう)(ぶつ)()()げ、

バケツに()れる(たび)(しゅう)()(しゅう)()(ひろ)がった。



(そっ)(せん)して(はたら)き、(はげ)ますレナタを()(はん)にして、

わたし(たち)()(ごと)をする。



(かの)(じょ)()いて(しか)られたスーは、

(こん)(かい)ばかりは()(けい)なことはせず、

()いたフランジの(くち)(みず)(すす)がせていた。



(あな)(なか)から()(よう)(ぶつ)()んでも、

ディッパーが(おも)くて(はこ)ぶのに()(ろう)した。



なんとか(しょう)(りょう)ずつを(はこ)んでも、

(かい)(すう)(かさ)ねれば(うで)(つか)れて

(はこ)べなくなった。



「あっ、なにしに()たの…。」



(となり)でレナタが()()めて(つぶや)いた。



スーは(せん)(げん)(どお)りなにもしてない。



わたしが()()くと、

そこにはサンサが()っていた。



手伝(てつだ)いに()まってるわよ。


 ()て? ()いでしょ?」



サンサの(うし)ろには(おお)(おとこ)が、

(りょう)(わき)(おお)きな(どう)()(かか)えている。



挿絵(By みてみん)



(じゅう)(ぎょう)(いん)(よう)(そな)()けられた、

(そと)(がわ)(とびら)から二人(ふたり)(はい)ってきた。



サンサがいつも()れているアルは

ここには()てない。



――(ねこ)もこの(しゅう)()(いや)なのかしら。



(こん)(かい)の、()(だい)なる(はつ)(めい)はどんなの?」



「このくらい、みんな()ってるわよ。


 (くだ)()()んだ(ない)()(べん)(じょう)()させて、

 ()(よう)(ぶつ)(かん)(たん)()()げる()()み。


 つまりは()()(おな)(おう)(ふく)ポンプね。」



(おう)(ふく)ポンプの(こう)(ぞう)は、

わたしも(ほん)(まな)んだことがある。



()(だい)(よう)(えん)(だい)()(がく)()(じゅつ)(しる)した(ゆう)(めい)(ほん)

退(たい)()()(がく)(ろん)』に()かれた(すい)(りょく)()(かい)



(たま)(いし)(にわ)()()にも()()けられている。



()(はだ)をした(おお)(おとこ)()ってきたのは、

()(かく)(ちゅう)(てつ)(くだ)



(くだ)(ちょっ)(かく)()()わさっている。



(なが)(ほう)(くだ)からは(てつ)(ぼう)()びていた。



わたしが(ほん)(まな)んだのは

()()使(つか)われるポンプであって、

サンサが()()てたものは

(なが)さも(ふと)さも(こと)なる。



挿絵(By みてみん)



そもそもの(よう)()()()げる(もの)

()()(ふか)くの(みず)()(よう)(ぶつ)(こと)なる(ため)に、

この(かたち)になっているのかもしれない。



「さぁ、やってみましょうか。

 まずはグルグス、お(ねが)いね。」



(まか)せろ。」



グルグスと()ばれた()(はだ)(おお)(おとこ)は、

(なが)(くだ)(さき)(あな)()として(かど)()(てい)する。



もう(かた)(ほう)の、()(めん)(すい)(へい)()びる

(みじか)(くだ)(した)にバケツを()いた。



グルグスは(てつ)(ぼう)(ちから)(まか)せて、

(うえ)(した)へと(おう)(ふく)させる。



「グーグス…。」()(ごえ)(はつ)(おん)(こころ)みた。



(かれ)()(まえ)はおよそ(たい)(りく)()(らい)(はつ)(おん)(むずか)しい。



キャシュクが()()けかけるほど、

()()がった(きん)(にく)(ふく)らませる。



(すい)(へい)(みじか)(くだ)(さき)からは、

(きん)(ぞく)()れる()(かい)(かん)(ともな)()(おん)

()(しゅう)(とも)()()される。



(ちから)(づよ)(ぼう)(なん)()(じょう)()させ、

グルグスも(いき)()れている。



わたし(たち)(りょう)(みみ)(ふさ)ぎながら、

その(よう)()をしばらく(なが)めていた。



ポンプは(ぼう)(じょう)()させることで

(なが)(くだ)(なか)(いた)(うご)かして(くう)()()き、

(あつ)(りょく)()(よう)(ぶつ)()()げる。



(みじか)(くだ)から()(おん)(おと)()(つづ)け、

()(よう)(ぶつ)(いきお)いよく()()さると

バケツを()()えた。



「グルグスっ! ()てるよっ!」



スーが(さけ)ぶ。



「どう?」サンサが(ほこ)らしげに()う。



()()げたのは、(ひたい)(あせ)して

(せい)(れい)したグルグスだったけれど、

(もん)(だい)()(よう)(ぶつ)()(めん)()(さん)して

(しゅう)()(きょう)(れつ)(しゅう)()(はな)った。



(じゅう)(ぎょう)(いん)(ほか)のフランジは、

サンサの(こう)(ざい)(こん)(わく)しつつも(はく)(しゅ)した。



(かの)(じょ)(たち)(ほん)(しん)から

サンサを()めているのかは、

わたしには()からない。



「それなら(つぎ)はニクス、やってみて。」



()(もん)()かべて()ていたのが(はっ)(かく)し、

わたしはサンサから()(めい)()けたので、

グルグスに()わって(ぼう)()にした。



()にした()(てん)(ほそ)(ぼう)(おも)く、

()(てい)されているように(さっ)(かく)する。



(うご)かせないと(おも)うよ。」



(うで)(いた)くて(うえ)にも(した)にも(うご)かない(ぼう)を、

(かた)(かつ)いで()()がる姿()(せい)()()げる。



(つぎ)(ぼう)()()がってみても、

(ぼう)(かた)く、わたしの身体(からだ)(えぐ)ってくる。



「レナ。手伝(てつだ)ってあげて。」



「サンサも手伝(てつだ)ってくださいよ。」



わたしよりも(ちから)のあるレナタと(いっ)(しょ)に、

二人(ふたり)()かりで(ぼう)(つか)んでも(うご)かない。



(すい)(へい)(くだ)から()(よう)(ぶつ)()てくる(よう)()もない。



(わたし)にもやらせてっ。」



(ため)しにスーがやってみても、

(かの)(じょ)でも(うご)かず、()(てい)(はず)れかける。



「これ、()()ぃ。」



(した)(ばたら)きの(おんな)(たち)が3(にん)()かりでも、

()()げるのは(こん)(なん)だった。



「…ふーん。

 みんながグルグスくらい、

 (ちから)()ちには使(つか)えるわね。」



(にく)(たい)(ろう)(どう)(しゃ)でしか使(つか)えない(どう)()



(はな)()みに使(つか)うつもりの(どう)()なら、

 ()(あつ)使(つか)えば()んだはずだよね?」



()()(みず)とは(こと)なり、

(ねん)(せい)(たか)()(よう)(ぶつ)は、

(おう)(ふく)ポンプと(おな)()()みでの

()()げは(こん)(なん)だった。



(たと)えば、()(あつ)(もち)いる(ほう)(ほう)もある。



()(さつ)()(もう)(ねつ)(つよ)(あぶら)(べっ)()(よう)()し、

(いっ)(ぽう)から(あつ)(りょく)をかけて(ちい)さな(ちから)(ぞう)(ふく)させ、

(ない)()(いた)()()げた(ほう)(こう)(りつ)()い。



挿絵(By みてみん)



()(じゅつ)(もん)(だい)はあるけれど、

 (はっ)(そう)(てん)(かん)ね。」



(しっ)(ぱい)(さく)ですよっ!」とレナタが(きゅう)(だん)した。



サンサは(りょう)(かた)(おお)きく()げ、

(くち)(ぬの)(した)()(いき)()いて()った。



()(だい)なる(はつ)(めい)に、(しっ)(ぱい)()(もの)よね。」



「…なんなの、もぉ。」



(ひら)(なお)りとも()れるサンサを(あい)()

(あき)れるレナタだった。




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