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金貨の娘  作者: 之#u4e4b
第3章 花弁の湯

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第3章 第1節 鐘楼の島(第1項)

(きょ)(だい)(ぼう)(へき)(さん)(みゃく)(かこ)まれた(よう)(さい)()()



(おか)(うえ)()(しょう)(かん)(よる)(やかた)から西(にし)()くと、

(かわ)(はさ)まれた(しま)には(たか)(しょう)(ろう)()っている。



「あの(しょう)(ろう)()ってる(しま)()(まえ)

 『()時計(どけい)(とう)』っていうんだよ。」



(こく)(よう)(もう)のコートを()たスーが(せん)(とう)(ある)き、

わたしの()()いて(まち)(せつ)(めい)をしてくれる。



挿絵(By みてみん)



(きん)(ぱつ)(かの)(じょ)の、(ふた)つの()()みが

(かた)()(なか)()(ゆう)(うご)(まわ)る。



(なが)くて()(れい)(きん)(ぱつ)(つう)(こう)(にん)()(うば)う。



「…(しょう)(ろう)()時計(どけい)(だい)(よう)(ひん)みたいだから?」



とは()ったものの、わたしは(しょう)(ろう)

()時計(どけい)になっているとは(おも)わない。



()時計(どけい)は、()(だい)から使(つか)われていた

(かげ)()(よう)して、()(こく)(はか)(どう)()



あれほど(きょ)(だい)(けん)(ぞう)(ぶつ)()時計(どけい)になれば、

(かげ)(なが)さや(かたむ)きを(けい)(そく)するのも()(ろう)する。



あの(しょう)(ろう)が、いつ()てられたものか

わたしは()らない。



(こよみ)(つく)(てん)(もん)(がく)(きょ)(てん)で、

 (むかし)はあそこに()時計(どけい)があったのよ。」



(こえ)(ほう)(がく)()()くと、

(うし)ろを(ある)いていたサンサが(せつ)(めい)した。



(たい)(よう)()ていなければ使(つか)えないし、

 ()かれた()時計(どけい)は、(ちか)くにいるひとしか

 ()(こく)()からないでしょ?


 ハンドベルを()らして、()(こく)(つた)えた

 なんて()(ろく)があったわね。」



挿絵(By みてみん)



(くろ)(いろ)頭巾(フード)宝飾巾(ヴェール)(かお)(かく)して、

(よう)(へい)(ころ)したあの(よる)(おな)(かっ)(こう)



(かの)(じょ)(もく)(せい)()(わん)(くび)()げて、

(すそ)(なが)(うわ)()()(こん)(いろ)(かざ)(ぬの)

その()(わん)(おお)(かく)している。



(うで)には(うす)(くろ)(いろ)

チュール()()のアームカバーで、

(かた)(ちか)くまで(はだ)(おお)っていた。



チュニックについたフリルが、

(しろ)(はだ)(くび)(もと)(かく)す。



(すそ)(なが)くて(くるぶし)まで()び、

(ある)(たび)(ゆた)かな(しわ)(つく)って()らした。



(むな)(もと)には(ぎん)()(しょく)(しょ)(わた)り、

(かの)(じょ)()(ぶん)(しめ)す。



(ゆき)のように(しろ)(はだ)は、

ほとんど()(もと)のみしか()えない。



――これもニースだわ。



(しょう)(じょ)のような(がい)(けん)(かの)(じょ)が、

こんな(かっ)(こう)をする()(ゆう)



()(わん)(いっ)(しょ)(くろ)(ねこ)のアルまで(かか)えている。



挿絵(By みてみん)



――(おも)たくはないのかしら。



(なか)(うえ)()られた(とき)は、

(いき)ができなくなるくらい(おも)たく(かん)じた。



サンサの(うし)ろにはハーフガンが、

()(けん)(ちから)()れてついてくる。



挿絵(By みてみん)



わたしを(にら)みつける()(こわ)い。



ハーフガンは()(えい)として、

サンサの(めい)(れい)()()された。



わたしも(かれ)(おな)じく、

スーやサンサに()()されている。



()時計(どけい)(たい)(よう)(かたむ)き、

 (つく)(かげ)(なが)さで()(こく)()かるよね。


 (にく)(たい)(ろう)(どう)(しゃ)()(れい)を、

 (にち)(ぼつ)までずっとは(はたら)かせられないからね。


 (まち)(はん)(えい)すると

 (かわ)(はん)(らん)()(すい)(こう)()()()

 ()(しゃ)(いた)(ため)()てたのがあの(とう)だよ。


 それを(なん)()(かい)(ちく)して、

 ()(こく)()(さい)()らせる(ため)

 いまの(しょう)(ろう)になったって。


 (てん)(ぼう)(だい)から()()げられた

 ロープの(おび)(いろ)()ると、

 だいたいの()(こく)()かるんだよ。


 ()()れると(へき)(めん)につく(かげ)で、

 ()(こく)()かったりするよ。


 そんな()()りでいまも、

 ()時計(どけい)(とう)って()ばれてるんだって。」



(かわ)(はさ)まれる(しま)()てられた

(ろっ)(かく)(ちゅう)(たか)(とう)



わたしは(てい)(たく)()(ある)きながら

スーの(せつ)(めい)()いた。



(ろう)(きゅう)()(かい)(ちく)(けい)(かく)もあったんだけどね。


 ()時計(どけい)(とう)(しょう)(ろう)って(かん)(こう)(めい)(しょ)なのに、

 (そう)(とく)でもあそこに(はい)ったり

 (のぼ)れたりはしないんだよ。


 まるで(きん)(そく)()だよね。


 ニクスも(のぼ)ってみたいよね。」



(とう)(そだ)ったわたしは(くび)(よこ)()る。



(しょう)(ろう)には(きょう)()はなく、

()になることが(べつ)にあった。



「ねぇ、スー。


 (ほん)(とう)にこれ、(もら)っていいものなの?

 ()いじゃダメ?」



わたしは、(やかた)(にわ)眩暈(めまい)(たお)れた(とき)に、

()()(いち)(ばん)(えら)(そう)(とく)のマルフに()けられた

(はく)(よう)(もう)(あつ)いコートを()ている。



コートは大人(おとな)(おとこ)(よう)なので(すそ)(そで)(なが)い。



(なが)(すそ)のおかげで(ひざ)まで(かく)れても、

(そで)(なん)()(まく)ってようやく()()せた。



それに(おも)たい。



「この(まち)(しょう)()(だん)(しょう)は、

 (はだ)()(しゅつ)してはいけないんだよ。


 (ふく)(そう)()(てい)しないと、

 (はだか)(しょう)()だらけになるもんね。


 だからってフランジのニクスが、

 ドレイプのサンサの(ため)(きゃく)()きや、

 ()わりに(かい)(だん)をしたらダメだよ。」



「そんなことしないよ…。」



(まち)(なか)(しょう)()(はだか)になったり、

()(ども)(きゃく)()きをすれば、

(ちつ)(じょ)(みだ)れるのは(そう)(ぞう)するまでもない。



(しょう)(かん)()()しかない(まち)なのに、

 (ふう)()には(くち)(やかま)しいのよ。」



(ふう)()…。」



サンサが()った(ふう)()とは

(こう)()(さだ)めであり、(ほう)(つな)がる。



(かの)(じょ)頭巾(フード)宝飾巾(ヴェール)

(はだ)(かく)しているのも、

(ほう)(りつ)(さだ)められていた。



「ニクスはまだなにか(しつ)(もん)があるのね。」



わたしの(かんが)えはサンサに()()かされる。



「…コートは(かえ)さなくていいの?」



「ニクス。」



(かの)(じょ)()()(つよ)めてわたしの()(まえ)()んだ。



(あい)()(しつ)(もん)をする(まえ)に、

 (ひろ)く、(ふか)(かんが)えなさい。


 ()(もん)(いだ)くことを()(てい)したり、

 (しつ)(もん)(こう)()(しか)ってるわけでは

 ないわよ。


 ()きていく(うえ)では()かせないものね。


 わたしはなぜ()きているのか、

 この(しま)はどうやってできたのか。


 わたし(たち)はどこから()て、

 (なに)(もの)で、どこへ()くのか。


 こんな(なぞ)()きにあなたは(こた)えられる?


 (けい)(はく)(しつ)(もん)という(こう)()(あさ)む…、

 (ちゅう)(こく)ね。」



――(あさ)む…。



サンサは(ふる)(むずか)しい(こと)()使(つか)う。



(しつ)(もん)する(あい)()

 なんでも()っているひとかしら?


 あなたでも()かる(しつ)(もん)はする(ひつ)(よう)がなく、

 (けい)(はく)(しつ)(もん)()(のう)(ため)(こう)()(ひと)しい。


 まぁ、スーだから()いけれどね。」



「あはは。それ、(けい)(はく)


 (わたし)はなんでも(こた)えるよ。


 ニクスに(おし)えることで、

 (まな)びに(つな)がるからね。」



「…(かく)()(しん)()はなにかの()()?」



「なんの(はなし)?」()ったサンサが(たず)ねてきた。



(ひろ)く、(ふか)くって…。」



「『(かん)(じょう)(ろん)』っていう(ほん)(いん)(よう)だね。」



わたしも(おぼ)えのある(なん)(かい)(ほん)()(まえ)だった。



(ひろ)くっていうのは()()(かん)(てん)とかだね。


 ()(ぶん)()(がい)()(ぶん)()()

 (かい)(きゅう)なんかで(かんが)えるといいかも。


 で、(ふか)くっていうのは(むずか)しくて、

 (もく)(てき)()(しき)()(こう)(ふく)まれるね。


 (わす)(もの)をしたと()って(やかた)()りに(もど)

 お(きゃく)さんの(かんが)えや(たち)()(やかた)(じゅう)(ぎょう)(いん)

 それ()(がい)のひとからはどう()えるかな?」



(こた)えを()ってるようなものよ、それ。」



スーの(せつ)(めい)にサンサは(あき)れる。



「あっ、(わす)(もの)をしたと()って、

 (うそ)をついて(やかた)(はい)ってくるから?」



「ニクスとは()(ぎゃく)ね。」



()ってから()()いて、

()じていたところを()(てき)された。



「その(とお)りだね。


 (うま)だって、()(ぶん)(わす)(もの)

 ()りに(もど)らないもんね。


 マルフ(そう)(とく)はそんなことしないけど、

 コートや()(ぶん)(しょう)()()して(わす)れて、

 ()(なん)()(しょう)(かん)(はい)れば(うたが)われるよね。


 (いち)()()(しょう)(かん)()(ゆう)()けて

 (やかた)(もど)って、(しょう)()(あい)(びき)する。


 (むかし)からある(しゅ)(ほう)だよ。」



――(ひろ)く、(ふか)(かんが)える…。



(なっ)(とく)したわたしは、

サンサの(こと)()(あたま)(なか)()(かえ)した。



(やかた)のある(おか)(くだ)り、

しばらく西(にし)へと(ある)くと(おお)(どお)りに()る。



(いし)(づく)りの(みち)()(どう)(しゃ)(どう)()かれ、

()(しゃ)()()れず(はし)(つづ)け、

(みち)()()(ひと)(びと)(れつ)(つく)る。



(やかた)()()した(よる)とはまるで(ちが)景色(けしき)



こんな()(ほう)()()でも

(しょく)(ぶつ)がひとの()(かん)()され、

(せい)(そう)(せい)()()(とど)いている。



(まち)(なか)には、(くろ)のキャシュクと

(くろ)のスラックスを()いた(くろ)(しょう)(ぞく)姿(すがた)の、

(なん)()()むオーブ(りょう)(にん)(げん)()かけた。



オーブ(りょう)(かっ)(こう)をした(にん)(げん)(おお)くは、

頭巾(フード)宝飾巾(ヴェール)もして(かお)(かく)している。



(やかた)もこの()()も、(みず)(ゆた)かに(なが)れている。



「ここは(あま)(みず)()めたり、(なが)したり、

 (ぶつ)(りゅう)使(つか)ったりする(だい)(うん)()ね。


 (すい)()(すい)(もん)(つね)()()してるんだよ。


 ここから(みなみ)か、(ひがし)()くと、

 ()がった(かたち)(だい)(うん)()(とお)ってて、

 (しょう)(ろう)()えると(だい)3、(だい)4とあるよ。」



(はし)()(すり)(うえ)(あご)()せて、

スーと(いっ)(しょ)(うん)()(よう)()(なが)める。



曲線(アーチ)(こう)(ぞう)(はし)(した)には、

(はい)(すい)(あつ)めた(くら)(いろ)(みず)()まっている。



(うん)()(しゅう)()(しゅう)()(はな)つ。



(とう)から()(みずうみ)とは(ちが)い、

(ぎょ)(えい)()えないし、(すい)(りゅう)(みず)(くさ)()く、

(はな)びらや()()などのゴミが()()つ。



(すい)(りゅう)のない(かわ)(はじ)めて()たけれど、

(へん)()がなく、()ていて退(たい)(くつ)になる。



――これでは(すい)(しゃ)(いし)(うす)(まわ)らないわね。



(ふね)(みち)(きょ)(だい)(はい)(すい)(こう)



(まる)()(つな)いだ(ふね)(すい)()()せて、

(うん)()(きた)から(みなみ)へと(のぼ)っていく。



ネルタでは(みずうみ)の『(くび)れ』を(わた)(さい)に、

この(はしけ)()(れい)驢馬(ろば)()せて(はこ)ぶ。



「あれは(はしけ)って()うんだよ。

 ()(まえ)()ってる?」



「うん。」



――()ったことあるもの。



(しゅつ)()()かせず、(くち)には()さなかった。



(なが)れる(かわ)とは(こと)なる(みず)(みち)()(よう)して、

(うん)()(おも)たい(もく)(ざい)(せき)(ざい)()せた(ひら)(だい)の、

(はしけ)()(ふね)()()う。



「それなら(まち)(せつ)(めい)(ほう)がいいかな?」



スーの(てい)(あん)にわたしは(うなず)く。



(うん)()より西(にし)(かわ)沿()いは、

 (ろう)(どう)(しゃ)()んでる()(いき)だね。


 (やかた)()()りする(そと)(ぎょう)(しゃ)()んでるよ。


 この(ちか)くにはオーナーの(やかた)があって、

 ここからさらに(みなみ)()くと、

 メノーの(びょう)(いん)があるよ。」



今日(きょう)(びょう)(いん)には()かないわよ。」



()かってる。」



スーが(こん)()(みなみ)(そら)()()した。



今日(きょう)()れてて、

 (てん)(がい)(さん)がよく()えるね。」



(ろっ)(かく)(ちゅう)(たか)(しょう)(ろう)から(なが)()びる(かげ)(さき)



(ぼう)(へき)()こうには、

(さん)(ちょう)(くも)(いただ)(てん)(がい)(さん)



「この()()()(まえ)って、(ぶん)(すい)(がい)…?」



わたしは(しょう)(ろう)より西(にし)から、

(かわ)沿()いを()(しゃ)でやってきた。



(ゆう)(だい)(てん)(がい)(さん)()(みなみ)にあれば、

その(ふもと)には(ふか)(もり)(こう)(だい)(みずうみ)(そん)(ざい)する。



(とお)(ちい)さく()える(てん)(がい)(さん)は、

(くう)()(そう)によって(かすみ)がかっていた。



(みずうみ)から(きた)()(りゅう)にある()()を、

()(きょう)のでは(ぶん)(すい)(がい)()んでいた。



「この(まち)()んでいるひとは、

 (ぶん)(すい)(がい)なんて()(かた)()けるよね。」



「それなら、なんて()ぶの?」



「うーん。それがね。


 『この(まち)』としか()ばないんだよね。」



()かり(にく)いわよね。」



と、サンサがわたしに(どう)()(もと)めてくる。



()(ぶん)(たち)()んでるだけの(まち)に、

 ()()った()(かた)なんてしないから。


 (まち)(そと)()なければ使(つか)()(かい)もないし。


 サンサ(たち)使(つか)(なん)()(なま)りと(おな)じだよ。


 カヴァとオーブは(とう)西(ざい)(はな)れてるけど、

 (なん)()(なま)りってだけで(おな)(げん)()だもんね。


 カヴァ(なま)り、オーブ(なま)りなんて

 わざわざ()(べつ)したりしないよね。」



わたしとサンサは(なん)()(こと)()使(つか)っていても、

(やかた)では(だれ)からも()(てき)されなかった。



サンサは(ひがし)のエルテル(りょう)(よう)(じょ)なので、

(なん)()(こと)()使(つか)うのも()(みょう)(はなし)だった。



(かの)(じょ)は、エルテル(りょう)(みなみ)(せっ)する

オーブ(りょう)(しゅっ)(しん)なのかもしれない。



「この(しま)でしか使(つか)わない(こと)()

 ナルキア()なんて()ぶのは、

 (たい)(りく)から()たひとに(たい)して

 (たい)(りく)()使(つか)(とき)だけだよね。


 (たい)(りく)だとエンカー()、ソーン()

 クレワ()(べつ)(げん)()だから()(べつ)するけど、

 こっちみたいに(ほう)(かつ)して(たい)(りく)()

 なんて()ばないんだよね。


 この(しま)(たい)(りく)()って、(おも)

 エンカー()のことしか(しめ)さないし。」



(はなし)()れてるわよ。」



(はく)(しき)なスーに(あっ)(とう)されて

(うなず)くことも(わす)れていると、

サンサに()(てき)()けて(かの)(じょ)(はなし)(もど)した。



「この(まち)(ぶん)(すい)(がい)って()()したのは、

 ()(すい)(こう)()()れてこられた()(れい)(たち)だよ。


 いわゆる()(げん)だね。


 西(せい)()(ちゅう)(おう)(きょう)(かい)(がい)なんて()(しょう)はあって、

 (ぶん)(すい)(がい)って()(まえ)(てい)(ちゃく)したのは、(ひがし)

 エルテルが()(はじ)めたからだね。


 ()(しょ)(かん)()(かん)(しつ)にある(しょ)(るい)調(しら)べると、

 (ちゅう)(おう)(りょう)って()かれたりするよ。」



(ちゅう)(おう)(りょう)?」



()(づら)()えないから、

 みんな使(つか)うのを()けるんだよね。


 だってただの(ちゅう)(おう)(りょう)()って()()だよ?


 エルテルにも(えい)()(まち)って()ばれる

 (ちゅう)(おう)(がい)もあるから、()(しょう)とするには

 (まぎ)らわしいし使(つか)いにくいよね。


 メーニェの(りょう)()とも(しる)されないし、

 (おさ)めるのは(りょう)(しゅ)でもなくて

 (そう)(とく)(げん)(ろう)(いん)だもん。


 ()(すい)(こう)()()(ろく)はあっても、

 (ちゅう)(おう)(りょう)とは(だれ)()ばないかな。


 この(まち)(そと)のひとほど

 (ぶん)(すい)(がい)って()ぶんだよね。


 サンサはなんて()んでた?」



(ぶん)(すい)(がい)でしょ。


 オーブやエルテルの(とし)()りは、

 (けい)(じょう)なんて()んでたわね。」



(けい)(じょう)…?」



(しょ)(けい)する()(しょ)のことだよね。


 (むかし)(つみ)(おか)した(きょう)(せい)(ろう)(どう)(しゃ)(おお)くて、

 この(まち)では(しょ)(けい)(みん)(しゅう)()(らく)

 なってたんだって。」



(よる)(やかた)()ってる(おか)(うえ)

 その(けい)(じょう)だったのよ。


 『()けよ、(さけ)べよ、(ざい)(にん)(ども)

  その(つみ)()い、(あな)()ちよ。

  ()明日(あす)(かえ)せ。

  (あか)(つち)(おか)。』


 ってね。」



(あか)(つち)(おか)?」



(けい)(じょう)(あと)()

 (しゅう)()()(まみ)れだったからだって。


 だから(よる)になるとねぇ。ふふふ…。


 (たま)(いし)(にわ)にある()()(みず)が、

 (しょ)(けい)されたひとの()

 (あか)()まるんだよぉ。」



(こえ)(ひく)くして()()(つよ)めたスーに、

わたしは()()(ひら)いて(おどろ)いてしまった。



「え?

 それって、(みず)(てつ)()ざるから?


 でも(よる)(かぎ)るとなると、

 (かん)(そく)する(とき)(ひかり)(はん)(しゃ)

 (かん)(けい)するのかな。」



スーとサンサは(かお)()()わせたので、

(せい)(かい)ではないらしい。



()った(とお)りだったよね。」



「ある(てい)()(かんが)えのある()には、

 こうした(はなし)(つう)じないのよ。」



「ファウナはどうだった?」



「あの()()(がわ)よね。」



()ってたね。」



二人(ふたり)はなにか(つう)()っている。



――ニースだわ。



わたしは()われた(とお)りに

(ひろ)く、(ふか)(かんが)えてみる。



(たい)(よう)(つき)()()(かか)わりがある?

 でも(よる)だよね? ポンプの(さび)?」



(ちょう)(せき)(かん)(けい)ない、

 フランジに(ひろ)めた(つく)(ばなし)よ。」



サンサが(つめ)たく()う。



「この(はなし)(よる)()()には(ちか)()かない、

 って(おど)(もん)()なんだよ。」



「え? (あか)くならないの?」



(こん)()()()こうか。」



(はなし)()れてるわよ。

 それで、なんの(はなし)だったかしら。」



「この(まち)()(まえ)だね。」と、スーが()う。



わたしも(かの)(じょ)(こと)()()わせ、

(くび)(たて)()る。



(ぶん)(すい)(がい)()(いき)(かん)(こう)(えき)(さか)んだし、

 (りゅう)(こう)(こん)(きょ)()(にん)()()()よね。


 (れき)()のあるエルテルやカヴァでも

 ()(ほう)()()だから、(ぶん)(すい)(がい)()るか

 (ぶん)(すい)(がい)(りゅう)(こう)()いたがるのよ。」



「この(まち)(りょ)(かく)(おお)いよね。」



――スーは(ぶん)(すい)(がい)()みたいだけれど、

  サンサはエルテル(りょう)(りょう)(しゅ)

  (よう)(じょ)なのよね。



――それ()(ぜん)はどこに()んでいたのかしら?

  (なん)()(こと)()だからオーブ(りょう)



――(かの)(じょ)はどこで()まれて、

  どこからやってきたのかしら。



そんな()(もん)()いた。



わたしはこの()(もん)

(ひろ)く、(ふか)(かんが)えることにした。




 ▶

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