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金貨の娘  作者: 之#u4e4b
第2章 白亜の館

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第2章 第3節 羊皮紙の札(第1項)

(こう)(ふん)するマルフは(はな)(いき)(あら)くして、

(たた)きつけるようにトレイの(うえ)(ふだ)(なら)べる。



(とき)(おり)(かれ)(よこ)()でスーの(よう)()(うかが)った。



テーブルに()かれた(ふだ)

(しょ)()(ばん)()(ろく)しているスーは、

(かれ)()(せん)(たい)して(はん)(のう)(しめ)さない。



今日(きょう)こそは、()たせて(もら)うぞ。」



()()けばマルフは(よう)(へい)(さつ)(がい)(けん)など(わす)れて、

()(まえ)(ふだ)(あそ)びに(ねっ)(ちゅう)している。



どちらが()っているのか()からないけれど、

テーブルの(はし)(こぶし)(にぎ)(かれ)()(しん)()せた。



()()()みは()いわね。


 それならなにか()けようかしら。」



「わしは(そう)(とく)だ。

 ()(じん)(てき)()けに(きょう)じてはいかん。」



「あなたも(あい)(はん)するわね。


 今日(きょう)はお()びのつもりで()んだのよ。」



()びだと?


 まさかこの(ぬの)(まい)で、

 ()びとするわけではあるまいな。」



「いまならこの(ふだ)()けるわよ。


 まだ(げき)(じょう)(けん)()(あきら)めてないのかしら?」



「その(とお)りだ。」



――(そう)(とく)(けん)()(もと)めて、

  (しょう)()(あい)()()(ごと)をするのかしら…。



サンサは(かれ)()()()みを()にもせず、

()にした(ふだ)をトレイの(うえ)()せて

(まい)(ふだ)(えら)んで()く。



(まい)(おもて)にしてトレイの(れつ)(なら)べると、

テーブルの()(まえ)にある(ふだ)から

(まい)(えら)んで()()(なか)(くわ)える。



(かた)(うで)()いというだけで、

(ふだ)()()れの(おこな)(こう)(てい)(ばい)()える。



そんな(かの)(じょ)姿(すがた)

マルフが(いら)()ちを(あら)わにし、

テーブルを(ゆび)(さき)()()いた。



「おい、フランジの。」



(はん)(のう)しないスーを()てから、

マルフと()()ったことで

わたしを()んだことに()()く。



――わたしに()()けたの?



「えっ…、あっ、はい?」



(ひがし)(がわ)(すわ)っているスーは(せい)(ねん)でも

(しょく)(しょ)()たないフランジで、

(ほか)()(ども)(ぜん)(いん)フランジになる。



フランジと()ったマルフが、

わたしを()んでいるとは(おも)わなかった。



「さっきからなにを()()っておる。」



(かれ)がわたしを(しっ)(せき)する()(ゆう)()からない。



スーにこの()()()つように()()されて、

その()(ゆう)(いま)だに()かっていない。



「サンサの(おうぎ)()ちくらいせんか。


 お(まえ)はサンサのフランジだろう。」



――(おうぎ)()ち?



()われんと(うご)かんのか。」



(こう)(ふん)するマルフに(たい)して、

ドレイプのサンサはなにも()わない。



――やっぱりニースだわ…。



(あらた)めようのないわたしは、

なにもできずに(こん)(わく)させられる。



「マルフ(そう)(とく)…。

 お(こと)()ですが、よろしいでしょうか。」



(しょ)()(ばん)()(しる)して(だま)っていたスーが、

マルフに(たい)して(しず)かに()()ける。



すると(かれ)()がった()()ばし、

(ほそ)()()(ひら)いた。



「なんだ、(かしこ)まって…。」



(かの)(じょ)(こと)()(づか)いは、昨日(きのう)(よく)(じょう)

()せたおかしな(しゃべ)(かた)とも(ちが)う。



スーは(ほん)(とう)使()(よう)(にん)のように、

サンサの(こと)()(だい)(べん)する。



「サンサから(せつ)(めい)のあった(とお)

 (かの)(じょ)昨日(きのう)、ここに()たばかりで

 この(やかた)()(ごと)をなにも()りません。


 今日(きょう)()(ごと)についても、

 (どう)(せき)()(がい)には()いつけてはいません。


 こちらの()(ぎわ)にご()(まん)があれば、

 サンサのフランジの(わたし)

 (えん)(りょ)せず()ってください。」



マルフは(そう)(とく)という、この()()では

(さい)(こう)()(ひと)しい()()()っている。



それにも(かか)わらず、

(かれ)()(むすめ)(あい)()になにも()(かえ)せない。



()(かえ)せないので、サンサに()かって

マルフは身体(からだ)(こえ)(ふる)わせた。



「…サンサっ!」



「ふふっ…。」



マルフはサンサを()めているのに、

(かの)(じょ)(くち)(もと)(ふだ)(かく)して(かた)(わら)った。



()(がみ)()した(とき)には、

 この()(やかた)()()

 (あら)(うま)とは()らなかったもの。


 これからはマルフも、

 (きょう)(いく)(くち)()しは(ひか)えた(ほう)()いわね。」



「いや、()かってる。


 この(むすめ)(たし)(よる)()(がみ)…、

 あぁ、ニクスと()()ったか。


 ()()ぎた。


 これをわしは、よくやってしまうんだ。


 (はい)ってきた(せい)()にも(くち)(はさ)んで

 (つま)にも(しか)られる。


 (わる)(くせ)だな。」



「『()われる(まえ)(こう)(どう)しろ。

  (かっ)()(こう)(どう)はするな。』

 でしょ?」



()(いき)()くマルフをサンサが(わら)う。



()(どう)()(そく)()(どう)(しゃ)

 (この)んで使(つか)(のろ)いの(こと)()だな。


 わしのような()(がい)(しゃ)

 ()うことでもない。」



マルフは()じて()のない(あたま)()で、

わたしに()かって(あたま)()げた。



()()(たか)(かれ)がスーに(しか)られ、

(じょ)(れつ)(かん)(けい)なくわたしに(あたま)()げた。



()(まえ)()きた()(みょう)(じょう)(きょう)に、

わたしは(こん)(わく)させられる。



「どんなことでも(こう)(どう)するには

 まずは(かんが)えなければならないけれど、

 そこに(もく)(ひょう)がなくてはいけないわね。


 はい、ニクス、これを()って。」



サンサの()から、

トレイにの(うえ)(うら)(がえ)していた

(かの)(じょ)()(ふだ)(わた)された。



(よう)()()()()(ふだ)(うら)(めん)は、

(かみ)(すみ)まで(ふか)(いろ)(はい)っている。



「マルフに()せてはダメよ。


 いまのあなたは、

 わたしの(おうぎ)()ちよ。」



――あぁ、(おうぎ)()ちって…。



ネルタでは(しん)()(さげす)(とき)に、

(おう)(おうぎ)であおぐ(じゅう)(しゃ)(たと)える。



(ふだ)(すみ)()かれた紋標(スート)()える()()

(ふだ)(ひら)いて()姿(すがた)から、

(かい)(きゅう)(ひく)(しょく)(ぎょう)(れん)(そう)させた。



挿絵(By みてみん)



わたしは(ふだ)()に、(すこ)(かんが)えてから

スーのように()(じょ)真似(まね)をした。



「あの…ごめんなさい、お(じょう)(さま)…。」



「ぶははっ! おじょっ…(さま)っ…。」



わたしのその(ひと)(こと)で、

マルフが(いき)()()して

(ふと)(こえ)(こう)(しょう)した。



(わら)(ころ)げて()()から()ちて(ひざまず)き、

(こら)えきれずに()(めん)(みどり)(たた)いた。



スーもサンサも(わら)(にぎ)やかな(てい)(えん)



(ちか)くの(ちゅう)(ぼう)(はたら)使()(よう)(にん)だけではなく、

(ほか)のドレイプやフランジまでもが

(そと)(ろう)()姿(すがた)()せて(にわ)(のぞ)()た。



――ニースだわ…。



(じょう)(きょう)()(のこ)されたわたしは、

()(たま)れない()()ちになった。




 ▶

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