番外編41:市場価値ゼロの夜を濡らす聖母の放流パルス~人間の脳内天動説(マーキング)を完璧な餌シグナルへと反転チェックメイトする、解剖学的暴虐アナコンダの這い寄り~2
【読者の皆様へ(免責事項)】この物語は完全なフィクションであり、実在の寺社、教会、特定の宗教団体、結婚相談所、およびマッチングアプリ等とは一切関係ありません。作中の宗教婚活事情や心理描写はエンターテインメントとしての創作・風刺であり、特定の信仰や職業を誹謗中傷する意図は一切ございません。
先ほど堂々と用を足し終え、不自然なほど綺麗なワンピースの裾を揺らした彩香の冷徹な網膜は、幽二がどれだけ「お父さん」の仮面を被って強がろうとも、その下半身の微妙な硬直や、生体データ(脂汗、呼吸の乱れ)のバグを完璧にロックオン(見透かす)していた。
「あれぇ? もしかしてお父さんも、おしっこしたくなっちゃったの? フフ……可愛いわね。
ねえ、かおる」
彩香は少女のように無邪気で、それでいて残忍な笑み(エミ)を浮かべて幽二をおちょくりにいく。
「女の私が先にここでやっちゃったんだから、お父さんだって恥ずかしがる必要なんてないじゃない。男らしく、そこでジャーってやっちゃいなさいよ。それとも、私の前だと恥ずかしくて『出ない』のかしら?」
「な、何をバカな……! 僕はそんな汚い生理現象なんか、これっぽっちも……っ!」
言葉を詰まらせ、顔を真っ赤にさせて戸惑う幽二。だが、彩香は嫌がる幽二のズボンのチャックへとそのしなやかな指先を伸ばし、強引にカチャカチャと金属音を立てて引き下げた。
「や、やめろ……ッ! 何をするんだこのババア……ッ!!」
幽二が悲鳴を上げ、ポケットのカミソリを握る手すら震わせるものの、背後の暗闇から向けられた武装した男たちの銃口(物理的圧力)が彼の肉体運動を完全にフリーズ(膠着)させる。「女の私のあそこを見たくせに、自分のを見せないなんて、お父さんずるいわ――」
布地の間からペロンと引きずり出された、幽二の限界の尿意に震えるペニス(生体データ)。かつて一流のエリート男たちのスペックを値踏みしてきた彩香の網膜は、その貧弱な物質を一瞬でロックオンし、カウンセラー特有の軽やかな笑みで直球の査定を下した。
「あらま……! なんて立派な魚肉ソーセージかと思ったら……可愛いチビフランクちゃんじゃないの」
「チビフランクちゃん」――その致命的な格付け(マウンティング)のパルスが耳のレセプターから脳の最深部へと届いた瞬間、幽二の脳内プロセッサは激しいオーバーヒートを起こした。
それは、彼が文明社会(平和な時代)でひた隠しにし、彼を「他者への絶対的な無関心」という狂気の檻へと追い込んだ、過去最大のトラウマのログを強制デリバリーするトリガーであった。
――彼がまだ中学生だった頃の、修学旅行の夜。この陰湿な性格のせいでいじめられっ子だった幽二を、ふざけた半分の男子たちが「お前のこと好きだって言ってる女の子がそこにいるぞ」「男なら見せてやれよ」と、偽りの恋愛市場をダシにして極限まで煽り立てたのだ。男のプライドを弄ばれた次の瞬間、パッと強引にズボンを脱がされ、むき出しにされた彼の生体データ。そこにいた女の子たちから、まじまじと見つめられながら浴びせられた「ちいさい、ちいさい、ちいさい」「まだまだ皮付きウィンナーちゃん」という直球の嘲笑(査定パルス)。
あの瞬間から、生きている女は自分を無慈悲に格付けして笑うモンスター(査定システム)となり、彼は自分を絶対に査定してこない「嘘をつけなくなったクリーンな死体」だけを愛するようになったのだ。




