第5話:地下水脈の処刑、そして暗黒の新世界へ1
前回のあらすじ:『みんなでペアペア』の裏ログ一斉暴露により、誠実な男たちの絶望は最強の暴動へと反転。男性会員の一斉課金解除により、巨大プラットフォームは一晩で事実上の倒産へ追い込まれた。これで理不尽な搾取は終わったかと思われたが、市場の闇はさらに深い地下へと逃げ込んでいた――。
大手のみんなでペアペアや巨大結婚相談所が、
裏のログの一斉暴露によって一晩で完全崩壊してから1週間。世間は「これで理不尽な搾取は終わった」と胸を撫で下ろしていた。
だが、この腐りきった恋愛市場の闇は、さらに深い地下水脈へと逃げ込んでいた。
世間に名前の知られていない、中小・零細の結婚相談所や、個人の婚活カウンセラーども。
彼らは大手の崩壊をチャンスとばかりに、「私たちはアットホームで親身です」
「他では出会えない隠れた優良会員を紹介します」と、
行き場を失った誠実な男たちを、さらに深い泥沼へと引きずり込んでいた。
その実態は、大手よりも遥かに悪質だった。
会員数が少ないため、裏ではサクラの女性たちに「適当に長文でラリーを続けて、デート直前で体調不良か『いい人ができた』って言ってドタキャンしなさい。
男には『アナタのコミュ力が低いから、もっと自分を磨く高額な心理セミナーを受けなさい』って言って、
さらにむしり取るから」と、男たちの流す血を最後の1滴まで絞り尽くす悪魔の方程式が完成していたのだ。
深夜2時。大岩山の山頂、漆黒の鳥居の前に仁王立ちする俺の身体には、日本中の傷だらけの男たちの怒りと共鳴した、天をも貫くほどの巨大な覇気が満ちていた。
「知名度のないのをいいことに、日陰でコソコソと男の純情をしゃぶり尽くす売れ残りどもが。お前らのその汚い水位も、すべて干上がらせてやる」
俺がアローズのジャケットの袖をまくり、スマホの画面を強く叩いた瞬間、大岩山の全霊力が「知名度のない中小相談所の地下ネットワーク」へと一斉に信撃を開始した。




