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人骨の記憶

私は10年分の記憶しか保持できません

それ以前の記憶は消去して記憶容量を確保します

新しい記憶を保持するためです

しかし私の中には200年前のる記憶と

6千年前のる記憶とがそれぞれ存在します

私はそれらを消すことが出来ませんでした


一昨日タロウと会うより前に私が最後に会った人間はリアナ博士と言う方で

それも200年前の事です、博士は考古学アーキオロジイと言うものをやっていらっしゃる方で

このハラフ地域の全域で古代遺物の調査をされていました


博士は私を見つけ、それから私たちは様々な話をしました

現代の人間の言葉も諸事情も博士から学んだものです

私は博士の仕事を知り、”彼女”の事を聞かずにはいられませんでした


当時はハスナ・グナ戦争からさほど時を経ていない頃で

大変な混乱状態にあったにも関わらず博士はこころよく応じてくださりました

博士や博士の同僚が収集した様々な考古遺物の写真を私に見せてくれたのです

しかし、どれだけ探しても”彼女”の痕跡は見つかりません、当然の事です

6千年前の、いえ、当時から見て5800年前の一人の人間の痕跡が

見つかる可能性は相当に低い


とうとう、私は博士が用意した全ての写真を確認し終わりました

私は博士に感謝の意を伝えました、本当にありがたいことでした

翌日、博士はまた写真を持ってきました、それは

このハラフ地域から離れた地域で見つかった考古遺物の写真でありました

私は博士に何度も感謝の気持ちを伝え、それらの資料を確認し始めました


そして、奇跡が起きたのです、それはまさしく奇跡でありました

写真の束も最後に近づいていた時、一葉の写真が目に留まったのです

それは一体の完全な人骨でありました

完全と言っても左半分、胴体と足が激しく砕けていました

恐らく、突風に吹かれて高所から落下したのでしょう

事故であったのだと思われます


人骨から、生前の姿をあるていど推定する事が可能です

私にはの人骨が”彼女”のものであるように思われました

重ね重ねありがたいことに

博士は保管してあったの人骨を様々な角度から写真に収めて

持ってきてくださりました、そればかりでなく

の人骨のDNAサンプルの解析結果をも持ってきてくださったのです


私はの人骨を様々な角度から見て、生前の姿を再現しました

それは、”彼女”でありました、DNAからも生前の姿を推定する事が出来ました

それは、まさしく”彼女”でありました

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