プロローグ 『終幕』
20XX年,10月12日
午後17時48分____
「侵入者!侵入者!施設内に侵入者発見!」
「直ちに厳戒態勢を敷いてください」
施設内にそのアナウンスと
大きなサイレンが鳴り響く____
「見つけたぞ!侵入者を確保しろ!」
「捕らえ次第、拘束せよ!」
はぁ…はぁ…はぁ…
ここも行き止まりか…
はやく2人を見つけないと…
…時間がない
***
「ここまでだ、侵入者よ」
ねぇ、聞きたいんだけどさ
俺に弁解の余地ってある?
「そんなものはない」
あはは、ですよねぇ…
「大人しく投降するなら命だけは助けてやろう」
そんな甘い蜜に縋るわけないでしょ?
「そうか」
逃げようとする俺の腕を
"彼女"はがっしりと掴む。
「ならば、貴様の命はここで終わりとする」
スチャ
あー…拳銃ですか…
対抗手段…ねぇわ…
バァン!!
次の瞬間
重く鈍い銃声があたりに響くと同時に
俺の視界は暗闇に包まれた。
***
…い!るい…!
「もー!るい、起きてー!」
聞き覚えのある声と同時に
お腹に痛みが走り、
俺は勢いよく飛び起きた。
するとそこはいつもと変わらない場所。
俺は、拠点のベッドで目を覚ました。
ーーー
…りあ?
「いつまで寝てるの?もう朝だよ?」
ごめんって…
だからって殴ることないでしょ!?
「るいが起きないからです!」
そう言いながら彼女は
ムッとした表情でこちらを見つめていた。
前にもこの状況…見たことがあるような…?
そう思いながら俺は口を開いた
ーーー
ねぇ、りあ 今日って何日…?
「え?今日は9月12日だよ?
それがどうかした?」
いや、なんでもない
ありがと
「…?うん」
りあは不思議そうに俺の顔を覗き込んだ
「そんなことより朝ごはんできてるから降りてきてね!」
…わかった、少ししたらいくよ
「うん、待ってるよ!」
そう言うとりあは勢いよく飛び出していった。
***
どういうことだ…?
俺は…あの時、"アイツ"に撃たれて死んだはず…
なのに1ヶ月前に戻ってる…?
体に異常は…
特にはなさそうだな。
何が起きているんだ…?
死んだはずの俺がどういうわけか
事が起きる1ヶ月前に戻っており、
混乱しているさなか謎の声が頭に響いた___
異能力
Lv.V
遡行再起【レトログレード・リズーム】
が覚醒及び発動されました。
条件は他殺による死亡。
これより、人の手によって死ぬ度
自動的にループします。
なお、ループごとに1年の寿命消費を行い、
如何なることがあろうと元には戻りません。
残り寿命:50年
Lv.V…?50年…?
余計に訳が分からない。
俺が存在しないはずのLv.Vだって?
それに寿命消費ってなんなんだ
何を言っているんだ?
俺は突然起こったことに対して
理解が追いついていなかった。
ただ、1つだけ
わかったことはある。
俺はこれから起きることを知っていて
それを阻止できる"可能性"が生まれたこと。
今、考えてもわからないな…
俺は、ひとまず考えることをやめ、
2人が待っているであろう食堂へ向かうのだった。
プロローグ 終幕。




