第14話 い、移動手段これですか…?
あの…僕、これで通勤なんですか…?行きは車だったのに…?どこから転がしてきたんですかこれ…?
「先導するからついてらっしゃい」
それだけ告げて石島さんは車へ乗り込んでしまった。うーん…まあ、『モンキー』は乗ってみたかったので、これぞ渡りに船、かなあ。希望としては隼がいいんだけどなあ…モンキーがあるんだから隼だってあるに違いない!でもメガスポーツは楽しいけどミドルも良さげだなあ…CBR600RRなんかも楽しそう…まあでも外出許可に時間がかかるもんなあ…公道を走るのはモンキーくらいが限度なのかもしれない。隼じゃ改造次第で360km/hの世界だもんな…周りがついてこられるバイクではないし、僕は不要だと思う護衛も警察庁や男性保管省には捨て置くわけにいかないだろうし。
女性寮まで走ってるんだけど、いやいやいやいや、これなら車でいいんじゃないの…?四方、しかも二重って取り囲みすぎですよ…そこまで車で囲まれちゃうと単にモンキーの鼓動が僕のメルヘンボックスをいたずらにノックしまくりなだけのおとなのおもちゃだよ!石島さんの嫌がらせかなにかなの?…もしかしたら、善意の焦らしプレイ…なの?悪い顔はこれを指してたの…?だったらそれは悪手ですよ石島さん…!暴発寸前です…!本当に暴発寸前で女子寮到着。もう僕、ゴールしても、いいよね?
「いい刺激になったかしら?単気筒ショートストロークだからこそのバイブレーション、女には効くけど男にはどうかしらと思ったのよ」
それはもう前戯じゃないですか…ヤルの前提で考えられてる…そのつもりはなかった、とは言えないけど、その気にさせられるのは不本意だなあ、なんて思ってたらまあいいタイミングで刺客が3人、視線おかしいよ?殺意こもった瞳は隠すべきだと思うんだけど。
「石島さん、危ないですよ」
「なにがかしら?」
言い切るが早いか狙いは石島さんだった。とっさに護衛官が庇おうとするけどそれじゃ間に合わないですよ。手に持っているヘルメットを対象その1に投げつけ脳震盪を起こさせその2とその3が驚いている時間ですぐにその1の意識を絶ちすぐにグローブをその2の目へ向けて投げつける。躱されることはわかっていたので同時に僕の身体はその3に向かい動揺を見せた隙を逃さずテレフォンパンチだけど打ち放つ。テレフォンパンチと言っても予備動作済ませておけば立派な『槍投げ』なんだ。僕の拳は槍より遥かに重く速いので穿てば確実に意識を奪える。護衛官さんたちが唖然としている中で僕とその2だけは動いている。攻撃前予備動作が隠せてませんよ、どうせなら堂々とすればフェイントか?と思わせることができるのに、中途半端でもったいないからこそ僕の隙に気づけないんだよね。狙うなら今なのに見逃すのは本当にもったいない。残念だけどその程度と見切りをつけ手刀で頭を割りにかかる。割れるけど手加減しとかないと後味悪そうだから首を折る程度に加減しておくか。ボギ、と言う音と共に制圧を完了。
「隙だらけですよ皆さん、何してたんですか?僕はともかく石島さんの護衛を果たさなきゃダメじゃないですか」
軽く叱咤しておいてなおみんな動いてない、僕が気づかないだけでまだいるの?嫌な気配は特にないんだけどなあ?あー、2.3km先のタワマンの屋上から視られてるね。風に負けそうながらも必死にこっちを見てる。
「石島さん、あそこに監視役がいます」
指を差された監視役の気配が消えたので上に報告でも行ったのかな。組織的犯行だったか、3人暴漢?男じゃないから、なんだろう?まあとにかく、嫌な気配感じるなとは思ったけど、男性保管省内外共々敵がいるのは大変だね。姉ちゃん達と嫁願望高い姉さんをしっかり守らないと、勝って兜の緒を締めなきゃね。簡単に言うと今は残心だ。心臓が動いてるからまだ油断できない。意識を刈ったつもりでいても油断だけはしていいものではないからさ。
「ありがとう石川君、あなたたち!石川君がいなかったらどうなってたと思うの!」
石島さんがお説教モードに入ったのでもう大丈夫だろうと思い、改めて女性寮に向かって歩き始めた。未知の世界が待っている…!ようこそ女性寮!違うな、それは姉ちゃん側だな、歓迎!違うな…うん、まあそんなのどうでもいいよ、とにかく唯姉ちゃんの部屋へ!…何号室だったか聞いてなかった、不覚ッ!




