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帝国争乱?・その八

「アハハ! とんでもないの来ちゃった!」


「あれは、竜か?」


「邪神竜だよ。この世界だともう姿が見られない神竜と対をなす存在。邪神が自ら生み出した魔界の竜だよ!」


 どうやらまだ私にも運が残ってるらしいな。魔界の竜が来るとは。


「さて、遊んでも居られないな。使い魔か何か出せぬか? 船を動かさねば巻き込まれる」


「もうー! 対価がないとダメだって言ったでしょ!」


「ここで私が巻き込まれたら、貴様とて面白くなかろう。後払いになるが対価は出す」


「うーん。仕方ないなぁ。僕だと邪神竜なんて止められないし……」


 さあ、サミラスよ。どうする? 皇帝になるには、古の邪神が生み出した竜を倒さねばならぬぞ?


「フフフ。見慣れぬ妙な船を前に出したかと思ったが、邪神竜には敵わぬか」


 べリアルが呼び出した気味の悪い人型の魔物に、船を操縦させて私は帝都に行くとしようか。


 さらばだ。サミラス。




「えっ!?」


「何が起こったのだ? 貴様何をした!」


「しっ、知らないよ! 空から誰かが邪神竜を攻撃したんだ!」


「そんな馬鹿な話があるか!」


「本当だよ! 第一邪神竜のブレスを防ぐなんて僕にも出来ないのに! あの小さな船はなんなのさ!」


 邪神竜の黒いブレスに私は勝利を確信したが、見慣れぬ小さな船がブレスを防いでる間に邪神竜が消えてしまった。


 いや、翼や足などが落ちたところを見ると攻撃されたようだ。


「まさか……、神が介入したのか?」


「えー! そんなはずないよ!」


「ではなんだと言うのだ!」


 信じられぬ。サミラスにそんな奥の手があったのか?


 違う。あの弟はそんなタイプではない。神だ。神が介入したのだ。


「引くぞ! 船を突っ込ませろ! その隙に脱出する!」


「バルちゃんさぁ。もう終わりだよ。何者か知らないけど、邪神竜を一撃で倒す相手から、逃げられる訳ないじゃん」


「いいから手伝え! 貴様も神の光を浴びたいのか!」


「だから神じゃないって。でも、そうだね。バルちゃん自身の命を対価にするなら、助けてあげるよ?」


「ふざけるな! 命を対価にして何が助けるだ!」


「その身を魔族化すればいいじゃん」


「貴様……」


「バルちゃんが今までしてきたことじゃん。今まで対価にされた人達どうなったと思う? もうバルちゃんには逃げる場所なんてないんだよ」


 このクソ魔族め! 人の足元を見る気か!


 仕方ない。貴様とはこれまでのようだな。


「逃げ場がないのは貴様も同じだ。ベリアル」


 貴様などと契約する際に、何の準備もしてないと思ったのか?


 さらばだ、ベリアル。


 なんだ? 身体が……からだが……熱い……


「馬鹿だね。バルちゃん。それ魔族化の薬だよ。オルボア大公の話なんか本当に信じてたの? 不完全な魔族化の薬なんか使わなくてもいいように、せっかく僕が助けてあげようとしたのに」


「……きさま。……ま……さ……か」


「僕はちゃんと教えたよね? あれに手を出したら勝てないって。さよなら。バルちゃん」


 ベリアル……。


 貴様……。



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