エンディング 新世界
【シーン①:日常】
冒険者ギルドは、今日も騒がしかった。
酒場ではなく、依頼掲示板の周囲だ。
「ゴーストの目撃証言だと?」
「また墓地かよ……」
「ホント多すぎねえか」
貼られた依頼書には、新しい分類が追加されていた。
死霊案件。
新型魔獣案件。
不明現象案件。
以前なら、存在しなかった項目だ。
受付嬢が慣れた様子で説明している。
「シルバーランクなら、ゾンビ程度のアンデッド対応は十分できますって」
「未明帯の鐘音現象は、刺激しないようお願いします」
誰も驚いてはいない。
世界は、変わった。
そして。
人は、その変化へ適応し始めていた。
【シーン②:旅路】
街道には雪が残っていた。
その雪を押し退けて、新しい芽が陽の光を浴びている。
吐く息はまだ白い。
「で、次はどこ行くんだ」
ガウィンが、先頭を歩くレオンに問いかける。
「南だ」
レオンは地図から目を離さずに答えた。
「南側で位相ズレが増えてる」
「また位相かよ」
呆れた声。
ガウィンの隣を歩くヘレナが、小さく息を吐いた。
「世界を作り変えた後にやることが、現地確認っていうのが、なんというか……」
「地道な不具合修正は必要だ」
レオンは即答した。
ヘレナが額を押さえる。
「そうなんだろうけどね」
ガウィンが笑う。
「まあ、仕方ないわな」
レオンは答えない。
地図から顔を上げる。
ふと、何かが横切った。
小さな飛翔体が、虹色に輝く軌跡を空に描く。
――フェアリー。
再定義前にはいなかった生物。
それは空の彼方へ飛んでゆく。
空へ意識を向ける。
空気感。
魔力の流れ。
生死の境界。
まだ、揺れている。
レオンは、観測する。
そして、補正する。
それが調整者の役割だった。
【シーン③:反応】
丘を越えると、景色が一気に広がった。
山々が連なり、奥には海も見える。
ふと、レオンの足が止まった。
「どうした?」
ガウィンが問う。
レオンは答えない。
胸元へ手を伸ばす。
アミュレット。
触れる。
微かに。
本当に微かに、熱がある。
それを確かめる。
「レオン?」
ヘレナがレオンに近づく。
「いや」
レオンが首を振る。
風が吹く。
「行こう」
レオンはゆっくりと歩き出す。
頭の内側から、小さな声が響いた。
≪了解、マスター≫
これにて、本物語は完結となります。
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
最後までレオンの物語にお付き合いいただけたことを、とても嬉しく思います。
本作は私にとって初めての長編作品でした。
試行錯誤の連続でしたが、無事に最後まで書き切ることができました。
この経験を糧に、次回作ではさらに面白い物語をお届けできるよう頑張ってまいります。
改めまして、最後までお読みいただきありがとうございました。
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◆最適化編 設定資料◆
・レオン・ライナー
年齢/外見:18歳の男性
性格・特徴:冷静な分析家。人間関係が苦手。言葉少な。魔力の器を損壊して魔力半減してしまったため、外部供給で強力な魔法を使う。
役割・関係性:主人公。パーティーリーダーとして分析と的確な指示をする。
・ガウィン
年齢/外見:レオンより少し年上の男性。青髪の長髪を後ろで束ねている。
性格・特徴:明るく常に笑っているが、戦闘狂。深く考えない。踏み込みと剣速が速い。
役割・関係性:パーティーの前線を一人で担う。レオンの戦術眼を高く評価している。
・ヘレナ
年齢/外見:レオンよりちょっと年上の女性。赤褐色のショートヘア。
性格・特徴:しっかりした性格だが、おせっかいな面もある。投げナイフが得意。
役割・関係性:パーティーの斥候。財政担当。レオンの戦術眼を高く評価している。
・ヴェリス
年齢/外見:フード付きローブで身を隠す。自律行動する人形型魔道具。
性格・特徴:感情は持たないように見える。ほかに人がいないなど、レオンが許可した場面以外では声を出さない。出力調整装置故障中。
役割・関係性:パーティーのサポーター。マスターであるレオンに従う。レオンが高出力魔法を使用するときに魔力を提供する。
・モルティス
年齢/外見:白髪痩身の老賢者。死霊術師然とした風貌。
性格・特徴:皮肉屋の研究者気質。死と魂魄研究の第一人者。
役割・関係性:幽界側を担う協力者。レオンの共同研究者。
【魔法】
・レジェネア
回復魔法。身体強化魔法の一種。回復力を活性化させることで怪我などを回復させる。




