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リアーナとレオンハルト  作者: 藤崎七奈
〜 崇高な愛 〜

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④.ガーベラ

数日後の早朝、リアーナとレオンハルトはエスタの家である『クレティノ伯爵家』へと馬車に乗って出向いた。


朝の早い時間帯ならば、エスタが家を出る前で家族もいるだろと考えたからだ。


2人がクレティノ家と到着すると、突然の訪問にもかかわらず屋敷の中へとすぐに案内された。


その後にエスタとエスタの両親が慌てた様子でリアーナとレオンハルトのいる客間へとやってきた。


3人がリアーナとレオンハルトの前に着席するとレオンハルトはさっそく「今日は話をしに来た。何か分かるか?」とエスタに問いたが、彼女は分からないと答えた。


するとレオンハルトは自身の後ろに控えていた男性の執事に合図を出し、それを見た執事は持っていた数枚の紙をレオンハルトに手渡した。(執事はリアーナとレオンハルトと共にこの屋敷へ来ていた)


レオンハルトは目の前のテーブルの上に渡された紙を全て広げ「これに見覚えはあるか?」と再度エスタに尋ねた。


そこには様々なアクセサリーの絵が描かれ、それぞれどういった代物なのかの詳細が書かれていた。


エスタの両親はその紙を見ながら不思議な顔をし「こちらのアクセサリーがどうかされたのでしょうか?」とレオンハルトに聞いた。


レオンハルトはエスタがリアーナの衣装部屋から盗んだアクセサリーだと語った。


それを聞いたエスタの両親は目を合わせ、最近エスタが新しいアクセサリーをリアーナに貰ったと言って何個か見せてきたことを思い出し驚愕していた。


「まさかアレかしら⋯」

「あぁ、昨日も見せてきたよな⋯」


そう話す両親の隣でエスタは慌てたように「それは全てリアーナ様から頂いたものですわ」と話した。


どうやらおっとりとした優しい性格のリアーナならば、例え嘘がバレても丸め込めるだろうとエスタは簡単に考えていたようだ。


しかしリアーナははっきりとエスタにアクセサリーは一つもないあげていないと語った。


「もしも貴方に差し上げるのならば、彼から贈られた物ではなく自分で用意したものをお渡しします」


すると真っ直ぐに目を見つめそう話たリアーナに、エスタは少し焦った様子では「⋯どこに証拠があるのかしら」と言って開き直った。


リアーナはレオンハルトから贈られたアクセサリーの全てを、よくは知らなかった。


だがレオンハルトは自分がリアーナへ贈った物の全てを把握しているため、無くなった物がどれか分かると語った。


それを聞いたエスタはどこか呆れたように話した。


「大袈裟ね。知らないようだから教えてあげるけど、店で売られているアクセサリーっていうのは大量に作られてるの。だから同じ物があっても何処もおかしくないわ。お宅の衣装部屋にあった沢山のアクセサリーの中には、何個か似たような物があったのよ。だからそれをちょっと借りただけ、盗んでなんかいないわ」


そう話たエスタに、レオンハルトは少し嘲笑うように語った。


「話聞いてなかったのか?俺が把握してるってことは、つまりリアーナ(彼女)のために全て特注で作らせたオリジナルってことだ。同じ物も似たような物もこの世に一つもない」


そして続けてそのリアーナに借りたというアクセサリーのある部屋を見せろと言った。


するとエスタの両親は座っていた椅子から立ち上がりエスタの部屋へ2人を誘導しようと部屋の入り口へ向かったが、エスタは手を広げて抵抗し両親の前に立ちふさがった。


「待ってよ!お父様、お母様!2人は私の味方じゃないの?!」


もうその慌てぶりから、エスタは許されないことだと分かっていて衣装部屋からリアーナのアクセサリーを盗んだことは明白だった。


父はエスタを使用人に捕まえさせ皆でエスタの部屋へと向かうと、クローゼットの中からアクセサリーが次々に出てきた。


それは先ほどレオンハルトが見せた紙に記載してあったアクセサリーと全て一致し、リアーナの衣装部屋に置いてあったオリジナルのアクセサリーだったことがすぐに判明した。


レオンハルトの執事が盗まれていたアクセサリーを全て部屋から運び、リアーナとレオンハルトも屋敷から出ようとエントランスへと来るとエスタが後ろから2人に声を掛けた。


「その女は生家で虐げられていたのよ!そんな人が公爵夫人なんておかしいわよ!」


そう叫んだエスタに両親は「やめなさい!今すぐ謝るんだ!」と言った。


レオンハルトはそんな3人の方に振り返ると「このまま俺達に関わらなければ何もしないつもりだったが気が変わった。ここの領地との取引は今後なしとする」とだけ冷めた口調で伝え、彼はリアーナを連れさっさと屋敷を出て足早に馬車へと乗り込んだ。


リアーナは馬車に乗ると隣に座るレオンハルトに、先ほどの話は本当かと聞いた。


「本当だ、というか初めからそのつもりだった。他の領民だから罪にも問えねぇし」

「何だ、そうだったのね」


するとレオンハルトはリアーナの頬に触れながら話た。


「あのアクセサリーは全部新しくするからな」

「えっ、全部?」

「そうだ、リナより先にあの女が触れたものはいらない」

「それってもったいなくない?」

「なら欲しい奴に売る、それならいいか?」

「うん、いいよ」

「ならついでにデザインも変えるか」


* ✦ * ✦ *


その後、レオンハルトを怒らせたことで取引が行われなくなったエスタの住むクレティノ伯爵領は、人々の暮らしが一段と貧しくなった。


するとそこから人が流れレオンハルトとリアーナの住むセロモニス公爵領は経済が盛んになり、人々の暮らしぶりがますます豊かになった。


✦ * ✦ * ✦


そして後日、教会では2人の結婚式が盛大に行われていた。


リアーナの手にはピンク色のガーベラのブーケがあり、レオンハルトの両親も式に駆けつけ2人の門出を祝った。

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